ケロっと忘れるよ

「に~、しー、……15回やわ。多いわ。8回で頻尿やのに。15回やて……。どっか悪いんやわ」
お春ちゃんは深刻そうな顔で言いました。
「お春ちゃんたら気にしすぎよ。この歳になればどこか悪いわよ。血圧もいいし。大丈夫よ。」
まあばあちゃんが言ってもお春ちゃんはノートを見つめたまま黙っています。
「お春おばちゃん、そんなに気になるんやったら明日病院行こう。な? 先生に聞いてみよ。私も一緒に行くわ。」
「なんか、またトイレに行きとなってきたわ。ちょっと失礼するわ。」
お春ちゃんはヨッコラショっと立ち上がりました。
「お母ちゃん、お春おばちゃんどないしたん? トイレトイレって……」
「テレビで見てから、あんな感じなのよ。2、3日すれば忘れると思うわ。」
「お母ちゃん、落ち着いてるな~」
恭子ちゃんが言うとまあばあちゃんは、
「一時、夢中になって、後はケロっとしてること多いのよ。」
「そっか~。」
「でも、今回みたいにノートを持ち出したのは初めてだけど……」
心配そうにノートを見ました。


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お春ちゃんのノート

「お春ちゃん、どうしたの? 帳面?」
まあばあちゃんが驚いて聞くと、
「そや、トモちゃんにもろてきてん。」
「何するの? 日記でもつけるの?」
「ちゃうちゃう。トレイに行った回数と何時に行ったかを書いとこと思てな。ほら、見てみ!」
ノートには行った時間が書いてありました。
「お春ちゃん、気にしすぎよ。トレイなんて多かったり少なかったりするものよ。」
まあばあちゃんはそう言いましたが、お春ちゃんは聞いてないようでした。
そこへ恭子ちゃんが起きてきました。
「あ、恭子ちゃん!」
「おはよう、お春おばちゃん。」
「恭子ちゃん、トイレ何回行ってる?」
「ちょっと、いきなり何を言うんよ。やらしいな。」
「あんな、一日8回以上行ったら、頻尿なんやって!」
「ふうん。」
恭子ちゃんは興味なさそうです。
「ふうんって、何回よ。」
「そんなん数えてへんから知らんわ。」
「あんた、そっけない返事やな。」
「ほんで、お春ちゃんおばちゃん、何回なんよ。」
「わたしか? 私はな。」
お春ちゃんがノートを広げました。
「ええ! ノートなんかつけてんの?」
恭子ちゃんが驚いたように言いました。


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お春ちゃんは気になる

「なあ、まあちゃん、日に何回トイレ行ってる?」
お春ちゃんの唐突な質問にまあばあちゃんは目を丸くしました。
「え?」
「そやから、トイレ、何回言ってる?」
「え~っと、数えたことないわ。冷えたりすると、ちょっと多くなるかも……」
まあばあちゃんの答えにお春ちゃんは、
「そんなこっちゃアカンで! 数えとかんと!」
お春ちゃんは真剣です。
「どうして?」
「一日に8回以上トイレに行ったら頻尿いうて、トイレに行きすぎやねん。」
「ああ、この間、テレビで言ってたわね。」
「それがな、私、回数数えてみたら、8回以上行ってるねん。」
「えっと、8回以上、行ったらどこか悪いって言ってたけ?」
まあばあちゃんも心配になってきました。
「いや、そんなことは言ってなかったと思うんやけど……」
「じゃあ、いいじゃない。ないほうが大変よ。」
まあばあちゃんがホッとして言うと、
「気にならんいうことは、そんな行ってないんや……」
お春ちゃんはションボリしました。


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ピアノ 再開!

ゴールデンウィークが終わって、しばらくたったある日。
美容院から帰ってきたお春ちゃんが、
「ただいま~! まあちゃん、聞いてぇな!」
「お帰りなさい。どうしたの?」
「帰りに、お豊ちゃんとこに寄って来たんやけどな。お茶飲んでたらピアノの音が聞こえてん。なんと、ひろ子、マコちゃんにピアノ教えてもろてたんや! ひろ子、嬉しそうやったわ。前の先生にはイジメられてたみたいやったやろ? ほんで南先生も暇なとき教えてくれるんやて!」
「そう! 良かったわ。ひろ子ちゃん、ピアノ好きだったから。ほんとに良かったわ。」
まあばあちゃんはホッと胸をなでおろしました。
「そやけど、お豊ちゃんも人が悪いわ。うちらかて心配してるんやから、すぐに教えてくれたらよかったのに……」
お春ちゃんはつまらなさそうに言いました。
「きっとビックリさせようと思ったのよ。」
「そやろか……」
「そうよ。人生には驚きがないと!」
「サプライズっちゅうヤツやな。なるほど……」
お春ちゃんはウンウンと頷きながら言いました。


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お春ちゃんは寂しい

「なあ、まあちゃん、恭子ちゃんらゴールデンウィーク、一つも休みなかったんちゃうか?」
お春ちゃんが言うと、
「ええ、体を壊さないかと心配だわ。」
「みんなよう働くな~。」
まあばあちゃんは心配そうにうなずきました。
ピロピロ~ピロピロ~
「あ、まあちゃんの電話が鳴ってるで!」
まあばあちゃんは慌ててとりました。
「はい! ……あ、恭子ちゃん! ……はい。あ、……そう! はい。……はい。わかりました。」
「恭子ちゃん、なんて?」
「今ね、お豊ちゃんのところにいるそうよ。」
「お豊ちゃんのところかいな。」
「そう、それで、お父さんたちのおはぎはマコちゃんが車で持っていってくれたって。」
「そうかいな。ほんで恭子ちゃんは?」
「もう少しお豊ちゃんのところで遊んでくるって……」
「ふ~ん。」
お春ちゃんはつまらなさそうです。
「どうしたの?」
「いやな、口うるさい恭子ちゃんでも、おらんと寂しいな思ぅて。」
お春ちゃんはおはぎをパクリと食べました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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