もちろんやで!

「先生、今度の日曜日に花見しますねん。ここにお父さんとお母さんを呼んで、一緒に来てください。」
お春ちゃんがポンと手をたたいて嬉しそうに言いました。
「でも……」
先生が突然のお誘いにためらっていると、
「ひろ子も、その時ピアノ弾いたらええがな。みんなが聞いてくれはるから頑張れるやろ。」
「うん。おばあちゃんも来てくれるの?」
「もちろんや! 来るに決まってるがな。」
「トモ子お姉ちゃんも来てくれるかな。」
「来るで!」
「マコちゃんも来る?」
「いらん言うても、ひろ子が待ってるから言うて、引っ張てくるから大丈夫や。」
「わー!  マコちゃん、ケーキ作ってくれるかな。」
「作ってくれるに決まってるがな!」
「ほんと?」
「ほんとや!」
お春ちゃんとひろ子ちゃんが楽しそうにお話しします。


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ちゃーんと聞いてるで

「先生、まだお若いのにお父さんの看病大変でっしゃろ。」
お春ちゃんが心配して聞きました。
「ええ、でも、私の父ですから母も体が弱いので、そんなに無理はさせられません。だから、私も手助けできたらと思うんです。」
「えらいな~。」
とお春ちゃんは感心して言いました。
「えらいわ~」
お春ちゃんは、また言いました。
「兄弟は? いてはるん?」
「私、一人です。」
「そら、大変やな。」
「そんなことはありません。」
「そやけど、兄弟がおったら相談できるやろ?」
「そうかもしれませんが、私を大切に育ててくれた恩返しと思っていますので……」
「そうか。えらいわ~。今の若いもんに聞かせてやりたいわ。」
お春ちゃんは何度も感心して言いました。
「おばあちゃん! ひろ子のピアノ聞いてる?」
「聞いてるで! こっちの耳では先生の話、こっちの耳ではひろ子のピアノをちゃーんと聞いてるんやで!」
「ほんと? すごい!」
ひろ子ちゃんは感心して言いました。
「そやで! すごいやろ~」
お春ちゃんは、えっへんと自慢そうに言いました。


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お春ちゃんの質問

「ピアノのお仕事なんて楽しいでしょうね。かわいいお相手ばかりで……」
まあばあちゃんが言うと、
「はい。まだ、始めたばかりで生徒さんは5人来てくださってるんですが、なかなか生活するとなると大変です。」
まあばあちゃんの言葉にピアノの先生は寂しく笑っていいました。
「前は違うところで教えてはったんですか?」
とお春ちゃんが聞きました。
「高校で教師をしていました。」
「音楽ですか?」
「はい。」
「へぇ……、公立ですか?」
お春ちゃんが矢継ぎ早に聞きます。
「私学で教えてました。」
「へぇ……ほな……」
「お春ちゃん、質問ばっかり失礼よ。」
「そやかど、せっかく学校の先生になれたのに、なんで辞めはったんか気になるやんか。」
「父が、脳梗塞になりまして、食事もお風呂も介助が必要に……」
「……それは、大変ですね。」
脳梗塞といえば、まあばあちゃんもお春ちゃんも他人事ではありません。病気はほんとに怖いものです。
「はい。母の歳では父の介護は無理のようですので……」
「そやけど、生活大変ですやろ……」
お春ちゃんが神妙な顔で言いました。
「はい。でも、父と母の年金がありますので、贅沢さえしなければ、なんとかやっていけそうです。」
そう言って、ピアノの先生は寂しそうに笑いました。


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お庭の桜

「桜、きれいですねぇ。」
ピアノの先生が、うっとりした様子で言いました。
「ええ、毎年、きれいに咲いてくれます。お天気によっても雰囲気が変わって毎日楽しめますよ。」
「そうですか。」
「今日は、ちょっと肌寒いですけど、お天気のいい日は庭に出るのもいいですよ。」
「ああ、それで、お庭にテーブルと椅子があるんですね。」
先生がなるほどっというように言いました。
「はい。」
邦ちゃんは嬉しそうに頷きました。
「おばあちゃん、ひろ子のピアノ聞いてくれる?」
ひろ子ちゃんが、まあばあちゃんの耳元に顔を寄せると小さな声で言いました。
「まあ、ひろ子ちゃん弾いてくれるの?」
「うん。」
ひろ子ちゃんは返事をすると、鍵盤だけのピアノを持ってきました。そして、スイッチを入れると、
「先生、『さくらさくら』を弾きます!」
「はい。」
ひろ子ちゃんが言うと、先生は嬉しそうにうなずきました。


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ピアノの先生

「邦子~。桜見せてもらいに来たで~。」
お春ちゃんがインターフォンを押しながら叫んでいます。
扉が開いてひろ子ちゃんが出てきました。チビちゃんと姫ちゃんもわれ先に飛び出してきました。
「おばあちゃん、おはようございます。 あ、先生も一緒だ! お母ちゃーん。」
ひろ子ちゃんが家に向かって、大きな声で呼びました。
「あら、ひろ子ちゃんの先生だったんですか。存じませんで、失礼しました。」
まあばあちゃんが謝ると
この先をまっすぐ行った角の家でピアノを教えているんです。もし良かったら遊びに来てくださいね。」
ピアノの先生はニコニコとして言いました。
「こんな年寄りが行ったら迷惑でっしゃろ。」
「いえいえ、お二人のことはひろ子ちゃんがよく聞いているので初めて会った気がしなくて、それでつい声をかけてしまったんです。ビックリされたでしょう?」
邦ちゃんが、慌てた様子で出てきました。
「この子ったら門も開けないですみません。」
と言いながら門扉をあけました。
「開けたら、姫とチビが道に出てしまうがな。なあ、ひろちゃん。」
ひろ子ちゃんはチビを抱っこして、少し迷ってからウンと頷きました。
まあばあちゃんは、チビちゃんと姫ちゃんが道に飛び出さないことを知っていたので。ひろ子ちゃんが返事に困っていることはすぐに分かりました。
ひろ子ちゃんはきっとそのことを言うと、お春ちゃんがバツの悪い思いをすると思ったのでしょう。
気遣いのできるひろ子ちゃんを頼もしく思うと同時に、お春ちゃんとひろ子ちゃんが打ち解けるのは時間がかかりそうに感じました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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