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おはぎを一口で食べちゃった

その後ろには心愛ちゃんがいました。ひろ子ちゃんと同じように小さなお盆を持っています。
オッチャンの分とマコちゃんの分を二人で持ってきたようです。
「ありがとありがと、うまそうやな!」
と言って、オッチャンはすぐにひろ子ちゃんと心愛ちゃんから受け取ると、一つをマコちゃんに渡しました。
すぐにオッチャンは一口で食べてしまいました。
「お父ちゃん、のどが詰まるよ!」
ひろ子ちゃんが心配そういうに言うと、
「詰まらへん詰まらへん。ばあちゃんはな、わしのためにちょっと小さめに作ってくれたあるやで。わしの体をのどから腹に入っていくのが、嬉しいんや」
オッチャンはそう言うと、まあばあちゃんに手を振りました。
まあばあちゃんは呼ばれたのかと思ってオッチャンのところに来ました。
「どうしたの?」
「ごめんごめん。ばあちゃんのおはぎが美味すぎて手を振ってしもうたんや。
オッチャンがニコニコして言いました。


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暗い気持ちに……

「吉川さんのようすはどうですか?」
マコちゃんが心配そうにオッチャンに聞きました。
「それなんですわ。吉川さんに3人の息子さんがいてはるのは知ってまっしゃろ?」
「ええ」
「あないな状態になってるのに、どの息子さんも来ぇへんそうです。役所の人が電話しても知らんぷりなんで……そやから、こんど家に訪ねていく言うたはりましたわ。どの息子さんも吉川さんを看る気がないらしゅうて。役所の人もだいぶ困ってはりました。」
「直に話をすれば少しは変わるかも……」
「ええ、役所の人もそない言うてはりました。」
「それにしても、大変ですね……」
「そうですねん。こんな話、とても心愛ちゃんに聞かせられません。」
オッチャンもマコちゃんも先のことを考えると、暗い気持ちになりました。
すると、小さな手が二人の背中をたたきました。
ひろ子ちゃんです。小さなお盆におはぎをのせて立っています。
「お父ちゃん、マコちゃん、おばあちゃんのおはぎ持って来たよ。」
ニッコリ笑って二人に差し出しました。


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幸せになって……

「それは、大変なことですよ。奥さんは、なんて言っておられるんですか?」
「邦ちゃんも学校で先生の話聞いてビックリしてましたけど、家に着くころにはエエ考えがあるのか、急に元気になりまして……」
「そうですか? なにかいい案が?」
「ぃや。わしもまだ聞いてないんですわ。」
マコちゃんはオッチャンの話を聞きながら心愛ちゃんの様子を見ていました。
「あんなに楽しそうにして、今、本田さんの話を聞いてなかったら、そんな苦労をしてきたとは、とても思えませんね。」
「邦ちゃんの手伝いをよくしてくれるし、ひろ子の面倒も見てくれて、本当に助かってるんですわ。それだけに、心愛ちゃんのことが気になって……」
「ほんとうに、ニコニコしていい子ですね。」
「ほんまにええ子ですわ。」
オッチャンもうなずきました。
「本田さんの奥さんのことが好きなんですね。いつもそばから離れませんね。ひろ子ちゃんも懐いていて、ここから見たら仲の良い親子にしか見えませんね。」
「わしも幸せになってほしいと思てるんですわ。」


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不登校?

オッチャンの家の近くまで来ると、お肉のいい匂いがしてきました。
「あ~。もう始まってるよ! 早く行こう!」
トモちゃんが心愛ちゃんとひろ子ちゃんに言いました。
「こんにちは~」
「お、来たな! 肉焼けてきたで! 早よおいでや!」
「「「はーい」」」
トモちゃん達は嬉しそうに返事しました。
「はい。どうぞ!」
トモちゃんがおいしそうに焼けたお肉の串を心愛ちゃんとひろ子ちゃん渡しました。
心愛ちゃんが会釈すると嬉しそうに受け取りました。ひろ子ちゃんは、もうかじっています。
邦ちゃんはトモちゃんが持ってきたお弁当を取り分けています。
その様子を見てオッチャンがマコちゃんのコップにビールを注ぎながら言いました。
「あの子が心愛ちゃんです。」
「あの子がそうですか。」
「はい。よろしゅう頼みます。うちも娘が二人になりましたんで、皆さんに助けてもらいながら頑張っていこうと思ってます。」
「心愛ちゃんもひろ子ちゃんも私たちの子どもです。私に出来ることがあった何でも言ってください。」
そう言うと、マコちゃんもオッチャンのコップにビールを注ぎました。
「……心愛ちゃん、長い間、不登校やったらしいんですわ。」
「不登校?」
マコちゃんは耳を疑いました。吉川さんは学校の先生だと聞いていたからです。そのお孫さんが不登校……
「はい。小学校もまともに行ってのうて、中学校も一年の一学期は来てたらしいんですが夏休みに入って、その後まったく来なくなったそうで……」


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ションボリタイムはおしまい

「はい。ションボリタイムはお終い。お姉ちゃんの自転車にお料理のせてくれる?」
まあばあちゃんがポンと手を叩いて言うと、トモちゃんが、
「じゃあ、行こうか?」
二人を促しました。小さな二人は嬉しそうに笑って、トモちゃんの後を追いかけていきました。
「じゃあ、お姉ちゃんは自転車を押していくから心愛ちゃんとひろ子ちゃんはジロとミミを連れてきてくれる?」
「はーい!」
表から楽しそうな3人の声が聞こえてきます。
「ジロ! ミミ~!」
玄関で心愛ちゃんとひろ子ちゃんが呼んでいます。
なのに、ジロとミミちゃんはおばあちゃんの側を離れません。
「ジロ、ミミちゃんと先に行っててちょうだいね。おばあちゃんもすぐに行きますからね。」
「そやで、向こうに行ったら、あんたらの好きなもん。ようさんあるわ。早よ行き。」
お春ちゃんも言いました。
それでも、やっぱり動きません。
「ジロ! ミミ! おいで!」
トモちゃんの声がすると、ジロとミミちゃんはパッと立ち上がって走っていきました。
「なんや。なんや。みんなトモちゃんの言うことしかきかんのかいな。ああしてると、大きいトモちゃん中ぐらいの心愛ちゃん、小さいひろ子、ほんでジロとミミが並んでカルガモみたいやなぁ」
お春ちゃんがおかしそうに笑いました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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