パンと果物をどうぞ

その人はコーヒーカップを置くと、
「美味しかったです。ごちそうさまでした。」
そう言って、丁寧に頭を下げると立ち上がりました。
「あ、あのこれからお出かけですか?」
「はい。父のところへ行こうと思っています。」
「あの……、お父様はどちらに……」
お豊ちゃんは、自分でも根掘り葉掘り聞き過ぎて、嫌がられないかなと気にはなるのですが、つい聞いてしまいました。
「はい。和泉市にある介護老人施設です。自分では父の世話を出来ないので、そこでお世話になっています。」
「じゃあ、お父様、お寂しいでしょう……」
「そうは思いますが、……仕方ありません。私の状況もよく理解してくれているので……」
その人は寂し気に笑うと、会釈して、
「ごちそうになりました。では、失礼します。」
「あ、ちょっと、ちょっとだけ待って!」
お豊ちゃんはそう言うと、慌ててパンと果物を紙袋に入れて、その人に差し出しました。
「これお父様と、召し上がって。ね?」
「え、いや……」
その人が遠慮していると、お豊ちゃんは、その人の手に強引に持たせました。
「こんなにしていただいては……」
「いいのいいの。今度はお父様と一緒に遊びに来てくださいね。お待ちしています。」
お豊ちゃんは、にっこり笑って言いました。
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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
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