もう、知らない……

「なあ、まあちゃん、……」
「なに……」
「わたし、昭雄さんに何もかんも盗られてしもたってことか? ほんまにこの家、私のものでないんか? いつの間に……そないなったんや。」
お春ちゃんは、首をかしげて言いました。
「いつの間に?  いつの間にってことないでしょ。」
「なんでや。」
「邦ちゃんが追い出されてからも、ずっと面倒見て、引っ越し先の家にも上がらせて、邦ちゃんの家にまであの女の人を上げてたじゃないの!! その事務所に何しに行ったか知らないけど、実印でもなんでも持ち出せるわよ。自業自得よ。可哀そうなのは邦ちゃんよ。」
まあばあちゃんは、もう怒りを隠せませんでした。
「まあちゃん、わたしがこんなにひどい目に遭ってるのにそんなんよう言うわ。」
お春ちゃんは怒りだしました。
「お春ちゃんはひどすぎるわ。大事な娘の邦ちゃんをあんなに苦しめた人たちに、家もお金もみんな上げてしまうなんて!!」
「まあちゃん!」
「邦ちゃんのご主人にも、冷たい態度で、偉そうにして! お春ちゃんが偉そうにできるの!」
「まあちゃん、なんでそんなん言うねん! こういうときは慰めるのが友達やろ。」
お春ちゃんは、顔を真っ赤にして怒りましたが、まあばあちゃんはあんなに感情がたかぶっていたのに、ふっと落ち着くと、
「……わたし、もう帰ります。お春ちゃんなんて付き合いきれない。最低よ。」
「え?」
お春ちゃんは、何を言われたのか分からないようでした。
「もう、私帰ります。」
「え? え? ええ?」
関連記事
スポンサーサイト


読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
良かったらポチお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

sidetitleフリーエリアsidetitle
sidetitlePRsidetitle


sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleカウンターsidetitle
sidetitle天気予報sidetitle

-天気予報コム- -FC2-
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitlePRsidetitle


アフィリエイト・SEO対策



sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleリンクsidetitle
sidetitleQRコードsidetitle
QR