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ビックリした~!

「でも、なんで、こないにいろんな有名な人のお墓があるねんやろ」
「う~ん。どうしてかしら?」
まあばあちゃんも首をひねりました。
「トモちゃんが来てたら、優しいにいろいろ教えてくれるのに……残念やなぁ……」
「ほんとね。」
まあばあちゃんが嬉しそうに言いました。。
「トモちゃんは、頑張り屋さんや。よう勉強してエライわ。まあちゃんも自慢やろ?」
「ええ、自慢よ! 大好きよ。」
「私も大好きや! 恭子ちゃんは怖いけど……」
「なになに? 呼んだ?」
「わー!」
お春ちゃんが驚いて大きな声を上げました。
「ビックリした。急に声かけんといて!」
「なによ。ビックリするやんか!」
恭子ちゃんもお春ちゃんの声に驚いたらしく胸に手を当てていました。
「うちらは年寄りやねんから! 急に声かけられたビックリするねん。なぁ、まあちゃん!」
まあばあちゃんは返事に困って苦笑いしました。


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みんな仲良くね!

境内を歩いていると、紅葉も美しく、心が洗われるようです。
「まあちゃん、ここには歴史の偉い人のお墓がようさんあるんやろ?」
「そうよ。戦国時代の武将とか」
「戦国時代言うたら、隣近所でケンカばっかりしてた時代やな。そやけど、ここへ来たらみんな仲良うに並んでお墓に入ってるんやな。」
「ほんと」
「アレやな。『なんで、あんなにムキになったんやろう』とか『お前あの時意地張るから、わしも引っ込みつかんようになって』とか言うて、笑ってるかもしれんな。」
お春ちゃんはしみじみ言いました。
「ふふふ。本当ね!」
まあばあちゃんが嬉しそうに笑いました。
「私もあれこれ悩むのやめるわ。あの世へ行ったらみんな仲良しになるんや。」
お春ちゃんが元気よく言いました。まあばあちゃんも
「そうよ! クヨクヨするのは体に良くないわ。」
ガッツポーズを作って言いました。


お弁当作りに大忙し!

高野山へは大勢で行くことになりました。
まあばあちゃん一家に、お豊ちゃん一家、邦ちゃん一家に、お花ちゃん一家、ケンちゃん一家、ピアノの先生、カッコいい人のお父さん。カッコいい人はお仕事で来れませんでした。トモちゃんも学校の行事で来れませんでした。
もちろん、ジロ達も一緒に行きました。
まあばあちゃんもお春ちゃんも今朝は朝の3時から起きておお弁当作りに大忙しです。
「まあちゃん、おにぎり詰めていくで!」
「お願い!」
「ウィンナー焼こうか」
「まだコンロがあかないから,ちょっと待ってね。」
まあばあちゃんがレンジの火を調節しながら言いました。
「手伝おうか」
恭子ちゃんが起きてきました。
「あんたは、仕事で疲れてるんやからまだ寝とき! 高野山で寝てしまうで!」
お春ちゃんが恭子ちゃんを追い立てるように言いました。
恭子ちゃんは気にしてるようでしたが、素直に戻って行きました。
「さ、頑張るで~」
お春ちゃんが張りきった様子で言いました。


お花ちゃんも!

「今度の日曜日に高野山へ行くねん!」
お春ちゃんは嬉しそうにお花ちゃんとコナン君のお母さんに言いました。
「まあ、今は紅葉がきれいでしょ!」
お花ちゃんが羨ましそうに言いました。
「そやで!」
お花ちゃんは、ただ子どものようにニコニコしています。
お春ちゃんは、お花ちゃんを見ているとなんだか居たたまれなくなって、
「一緒に行くか?」
と言いました。
お花ちゃんは、
「いいの? わぁ! 嬉しい!」
と満面の笑みで言いました。
コナン君のお母さんは、
「そんな、ご迷惑ですから……お母さん!」
「どうして? 私、行きたいわぁ!」
お花ちゃんは、ションボリしました。
「大丈夫やで! お豊ちゃんらも邦子らも行くし、心配いらんで!」
「でも……、母は……」
お花ちゃんは、軽度の認知症で時々フラフラといなくなってしまいます。
コナン君のお母さんはそれを心配しているのです。
でも、みんなで楽しくお話ししている時に、何かあったことはありませんでした。
「大丈夫ですよ。行きましょう。」
まあばあちゃんもニッコリして言いました。
「そやで。うちら一日中しゃべってるもん。」
お春ちゃんが、自信たっぷりに言いました。


お父さんが思いついた

「そやけど、恭子ちゃん、なんで高野山に行くって言いだしたんやろ?」
お春ちゃんに言いました。するとまあばあちゃんが、
「お春ちゃん、前に高野山のお寺がテレビに映ってた時に、わあキレイやって手を合わせてたでしょ?」
「そうやったかいな。」
「そうよ。」
「それで、お父さんが、高野山にみんなで行こうと思ったみたいよ。」
「あれま! お父さんが! 有難いなぁ! 嬉しいわ!」
お春ちゃんは、満々の笑みになりました。そして、急にションボリしました。
「どうしたの?」
まあばあちゃんが驚いて聞くと、
「昭雄さんは、私のために言うて、どこへも連れて行ってもろたこと無いわ。」
と言いました。また、昭雄さんのことを思い出して落ち込んでいるようです。
「もう、昭雄さんは亡くなったのよ。忘れましょう。ね!」
まあばあちゃんがそう言うと、
「うん! そやな! ごめんやで、いつまでもクヨクヨして……」
お春ちゃんは、まあばあちゃんの手を握るとニコッと笑って言いました。


紅葉を見に行こう

「なあ、まあちゃん、今年の堺まつりは見に行かれへんかったぁ」
「ほんと、来年は必ず行きましょうね。」
「私、布団太鼓見に行きたかったなぁ。♪ソ~リャ、ソ~リャ」
「あの日は、季節外れの台風で残念だったわね。」
「あんな日でも堺祭りしてはったんやろか?」
お春ちゃんが寂しそうに言いました。
「どうかしら……」
「あの頃、なんかバタバタしてたしなぁ。それどころちゃうかったなぁ。」
お春ちゃんはそう言って苦笑いしました。
「来年はぜったい大丈夫よ。」
「そやろか? 来年はエエ天気やったらええのになぁ。……でも……」
「どうしたの?」
「それまで生きてられるやろか……」
最近のお春ちゃんはとっても弱気です。吉川さんのことが堪えたようです。
「何言うの。それより、次の日曜日は高野山に紅葉を見に行こうって、恭子ちゃんが言ってたわよ。」
「そや! そやったな! 嬉しいな! お豊ちゃんも行くやろか? 邦子にもケンちゃんにも聞いたらなアカンな!」
「そうね。みんなワイワイガヤガヤと楽しいわよ。」
「ようさんで行ったら、御大師さんビックリしはるかもしれへんなァ」
お春ちゃんは、やっと明るい表情になりました。


秋の夕暮れ

まあばあちゃんとお春ちゃんは、揚げたての大学芋ととれたてのサツマイモを持って、コナン君の家とユキちゃんの家に届けました。ピアノの先生のお宅にも届けにいきます。ピアノの先生のお父さんはリハビリのかいあって大学の先生に復帰されました。お芋さんを届けに行くと、奥さんが出てこられました。
「わあ! 主人も大学芋大好きなんです。」
と言って、何度もお礼を言ってくださいました。
届けに行ってはついつい話し込んでしまい、配り終えるころには、夕方になっていました。
「やぁ、楽しかったわ。ついつい長居してしもたわ。」
「ほんとね。」
「それにしても、暗うなるの早いわ。つるべ落としの秋の夕暮れやな。」
本当にそのとおりです。
陽が暮れ始めると、スーッと冷えてきました。
まあばあちゃんの住む堺の町もすっかり秋の気配です。
「まあちゃん、早よ帰ってお茶のも! おいしい大学芋もあるしな。」
「そうしましょう。ジロ達も待ってるわ。」
まあばあちゃんはにっこり笑いました。


思い出して

「でも、美味しいって喜んでくれたじゃない。」
「私、まあちゃんにエライ目にあわせててたんやなぁ……ちょっと考えたらわかることやのに……。私ってホンマにあほや。」
まあばあちゃんは慰めるつもりで言ったのに、お春ちゃんが申し訳なさそうに言いました。
「何回思い返しても腹の立つことばっかりや。吉川さんの事何ひとつエエ事なんかあらへん。」
「お春ちゃん……」
「こんな気持ちになるんやったら。吉川さんに使われたお金は貯金しとくんやったわ。」
「そうよ。私達この年だもの、いつどうなるか分からない。転んだりして歩けなくなることおあるかもしれない。少しでも貯めておかないと……」
「ホンマにもったいないことしたわ。」
お春ちゃんはしょんぼりして言いました。


あかぬけなくても美味しいよ!

家に帰ると、さっそくお春ちゃんとまあばあちゃんはサツマイモをむきました。
むき終わると、次は乱切りします。鍋いっぱいになった頃、お春ちゃんが、
「まあちゃん、私、サツマイモ切るのしんどなってきたわ。」
「じゃあ、これくらいにして、水にさらした分だけ揚げて、お芋さん届けましょうか。」
「まあちゃん、私より三つも上やのにお芋さん切るの早いなぁ。私が一つ切る間に、まあちゃんは五つ切ってるもん。」
疲れた様子のないまあばあちゃんを見てお春ちゃんが感心したように言いました。
「そう?」
まあばあちゃんはもう天ぷら鍋を用意して油を温めています。
その間に砂糖を溶かしています。
とっても手際がいいです。
「ほーら、揚がってきたわ。はい。味見してちょうだい。」
まあばあちゃんは来たばかりの大学芋を小皿に入れて、お春ちゃんに渡しました。
「ん! おいしいわ。」
お春ちゃんは満足そうに頷きました。
アツアツの大学芋を少し冷まして、タッパーに詰めていきます。
「みんな喜びはるなぁ」
「そうね。あかぬけないお菓子なのに、喜んでくれて嬉しいわ。」
まあばあちゃんが嬉しそうに言いました。
「私が余計なことしてたから、日ごろにお世話になってる人にご無沙汰やってんな。吉川さんに昼も晩御飯も用意して……一日中とられてた気がするわ。何してるこっちゃ分からんな。」
お春ちゃんはため息をつきました。


お芋ほりからの帰り道

お芋ほりからの帰り道、お春ちゃんが言いました。
「なあ、まあちゃん、なんか最近、雰囲気がええなぁ。朝の散歩も感じエエし、楽しいわ。」
まあばあちゃんも思っていました。吉川さんは一日中愚痴ばかり言うので、まあばあちゃんも心が重くなっていつも疲れていました。でも今は、
「私もよ。お散歩仲間のみんなにもよく会うし、楽しいわ。」
そう言って、まあばあちゃんんは空を見上げました。澄んだ青空はどこまでも広がって吸い込まれそうです。
「ええ気持ちや。まあちゃん、季節の中で秋が一番好きやわ。冬が来る前触れやのになぁ。」
「あら、冬は冬で楽しいこといっぱいあるわよ。オコタで暖まっておミカン食べたりお菓子を食べたり。」
「ホンマやなぁ。こうしてまあちゃんと二人で話しながら歩いると、私幸せやなって思うわ。」
お春ちゃんがしみじみと言いました。
そんなお春ちゃんの横顔をまあばあちゃんはそっと見ながら思いました。世話好きで人のいいお春ちゃん、昭雄さんに続いて吉川さんもいいようにされて、お春ちゃんは落ち込んだようです。
でも、困った人を放っておけないそんなお春ちゃんだからこそ、まあばあちゃんは好きなんだと思いました。


まだまだ元気いっぱい!

「ばあちゃん大丈夫か?」
オッチャンは畑からあぜ道に上がるのを手助けしてくれました。
「お義母さん、いけますか?」
「頼むわ。」
お春ちゃんも助けてもらって「うんこらしょっ」と道に上がりました。
「おおきに。」
「疲れてませんか?」
「ぜんぜん疲れてへんわ。もっと頑張れるで!」
お春ちゃんは元気よく言いました。
お春ちゃんがご機嫌に話すので、オッチャンも嬉しそうです。
「ほな、ばあちゃん、お義母さん、ここで待っててくださいや。すぐに車かえて迎えに来ますよって。」
「私達はゆっくり歩いて帰るから、大丈夫。」
「ほな、ばあちゃん、後で、芋、持って行くから。待っててな。」
「いつもありがとう。気をつけてね。」
オッチャンは軽トラの窓から手を振ると、まあばあちゃんとお春ちゃんの横をゆっくりと通り過ぎて行きました。


たくさん掘ったよ。

「ばあちゃん、手伝いに来てくれとったんかいな、おおきに」
オッチャンが軽トラを止めて声をかけてきました。
「あら、お仕事は?」
「今。昼飯に帰るところや。」
「まあ、もうそんな時間?」
まあばちゃんが驚いて言いました。
「ようさん、芋、掘り出してくれたんやなあ。ばあちゃんがいててビックリしたわ。」
「通りがかりにお父さんを見つけて、お芋と遊んでたの。」
「シンドならんかと心配するわ。腰大丈夫か?」
オッチャンは嬉しそうにポンポンと話しかけてきます。
「こう見えてもお芋ほりは得意よ。」
まあばあちゃんが得意げ言うと、オッチャンは二カッと笑って
「ほな、運ぶわな。」
と言いました。オッチャンは、お芋さんを入れたプラスチックの箱を軽々と運んでいきます。
「軽トラいっぱいになってしもうたな。二箱ほど、ばあちゃんとこに降ろしてもええか?」
「この前のもまだあるのよ。」
まあばあちゃんはニコニコして言いました。


まあばあちゃんは芋ほり名人

畑に着くと、あのカッコイイ人のお父さんが一所懸命に芋を掘っていました。
「こんにちは、お手伝いに来ました。」
まあばあちゃんが声をかけると、嬉しそうに振り返りました。
「ありがとうございます。この通りの体なので、なかなかはかどりません。」
そう言って、お芋の入ったプラスチックの箱を指さしました。
そこにはたくさんのサツマイモがありました。
「わあ! たくさん! 私らのするところあらへんやん。」
お春ちゃんが驚いて言いました。
「来てもらって助かります。」
と、頭を下げてくださいました。
まあばあちゃんは畑に入るとサツマイモの弦を持って、「うんしょ」っと引っ張ると、赤くなったお芋がバラバラとたくさん出てきました。
「まあちゃん、うまいなあ」
とお春ちゃんが感心して言いました。
「そりゃそうよ。家が百姓だったから慣れてるわ。小さい頃は畑仕事を良く手伝ったわ。」
「へぇ、ほな私はサツマイモを箱に入れるわ。」
「あ、今、掘り出したところだから、土が湿気てるでしょ。乾いてから入れた方がいいわよ。」
「はいはい。まあちゃんは芋ほり名人やな。」
とお春ちゃんは嬉しそうに言いました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
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