お春ちゃんはションボリ

「今日はホンマにえろうすんませんでしたなぁ。」
お春ちゃんは、お父さんに丁寧にお礼を言いました。
「大変でしたね。本田さん達心配しておられましたよ。」
お父さんが、優しく答えました。
「えらい迷惑かけて、皆さんに申し訳なく思ってます。どうぞ堪忍してください。」
いつものお春ちゃんらしくありません。恭子ちゃんが、
「なんか、お春ちゃんらしくないよ。気持ち悪いよ。元気出してよ。嫌なことは早く忘れよう。」
お春ちゃんの肩をポンポンと叩いて言いました。
「恭子ちゃん、ありがとう。ほんまに有難う。」
「もうさ、サッパリしよう。家は盗られてしまったけど、あの気持ちの悪い人らとはキッパリ別れられたんやから。」
「うん。うん……でも、あの女は、どないなったん。家、追い出されたんやろ?」
「さあ、よくは分らんけど、昭雄さんからむしり取ってたみたいやって、オッチャンが言ってた。お春ちゃんからもらったお金をせっせとあの女に渡してたんちゃう?」
そう言われて、お春ちゃんはまた、ションボリしました。


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寝付けないお春ちゃん

「お春ちゃん、どうしたの?」
夜の11時を回ったというのに、あっちへウロウロこっちへウロウロしているお春ちゃんに、まあばあちゃんは声をかけました。
「うん。なんでもないねんけどな。」
「お茶でも飲む?」
「いや、やめとくは、寝しなに飲むと夜中にトイレばっかり行くから、寝られへんやろ?」
と言いましたが、落ち着くにはお茶が一番だと思い、まあばあちゃんはお茶を入れることにしました。
お春ちゃんをおこたに座らせてお茶を出すと、案の定、嬉しそうに湯呑を手に取りました。
(やっぱりショックだったのね。今日は、大変な一日だったものね。)
湯呑のお茶をジーッと見つめているお春ちゃんは、きっと、これまでのを思い返しているのでしょう。
突然、ジロとミミちゃんが、玄関のほうへ嬉しそうに走っていきました。
―――ガラガラ―――
そして、玄関の開く音がしました。
「ただいま、ただいま」
お父さんの嬉しそうな声がします。
まあばあちゃんが立ち上がる前に、お父さんが中に入ってきました。
「おかえりなさい。」
まあばあちゃんが声をかけると、お父さんは驚いて、
「お義母さん、まだ起きてたんですか? 夜は冷えますよ。」
と言いました。


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明日は……

「まあちゃん、今日はホンマに有難うな。」
お春ちゃんは、まあばあちゃんの入れてくれたお茶を見つめながら言いました。
「お春ちゃん……」
まあばあちゃんはかける言葉が見つかりませんでした。
「ごめんやで。まあちゃんにはいろいろ言うてもろてたのにな。まあちゃんの言うたとおりになってしもうたなぁ……。恭子ちゃんにも、なんと言われるやら……」
「わたしも、ああは言ったけど、お春ちゃんの立場だったら、なかなか難しかったと思うわ。」
「……うん……」
お春ちゃんは、頷くと黙ってままになりました。
「お春ちゃん」
「なあんもなくなってしもた。あの家だけが私の財産やったのに……」
「…………」
「でも、あんだけゴテたら、すっきりしたわ。まあちゃんの言うように、笑顔であの家を出れてよかったわ。」
お春ちゃんはサバサバした顔で言いました。
まあばあちゃんが頷くと、
「まあちゃん、桜にはまだ早いけど、梅やったら、まだ残ってるかもしれへん。探しに行こう」
「あ、今なら桃の花じゃない。明日、みんなで行きましょう。」
「うん。」
お春ちゃんはにっこり笑って頷きました。


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帰ります……

「まあちゃん、帰るわ……」
お春ちゃんは、ヨットコラショッっと立ち上がりました。
お春ちゃんは、まあばあちゃんの手をそっと握ってきました。まあばあちゃんは強く握り返しました。
「お春ちゃん、これでこの家とは最後なんだから、笑顔で出て行きましよう。」
「うん。そうするわ。こんどはええ人に入ってもらえるようにな。」
「そうよ。この家のためにも笑顔でね。」
「うん。」
お春ちゃんは、少し寂しげに笑いました。そうそう吹っ切れるものではないでしょう。
それでもお春ちゃんはにっこり笑うと、
「みなさま。エライ迷惑かけて、すみませんでした。それでは、帰らせてもらいます。」
お春ちゃんは、涙の跡が残る顔で黒いスーツの人たちに頭を下げて言いました。黒いスーツの人たちも丁寧に頭を下げました。
お春ちゃんとまあばあちゃんは、トボトボと帰ります。オッチャンはその後を歩いています。
お春ちゃんは、決心したように振り向くと、
「あんたさんにもエライ迷惑かけて、ほんまにすみませんでしたな……」
お春ちゃんは頭を下げて謝りました。
もうすぐ春とはいえ、まだ冷たい風が吹き抜けていきました。


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ガッカリのお春ちゃん

陽の高いうちから来たのに、もう外は薄暗がりです。弁護士さんとお父さんも帰ってしまいました。
黒いスーツの人も数が少なりました。
お春ちゃんの傍にいるのは、オッチャンとまあばあちゃんだけになりました。
そして、
固まったように動かなくなって、座り込んだままのお春ちゃん。
まあばあちゃんはオッチャンに、
「邦ちゃんが心配するからもう帰って……お春ちゃんには私がついてるから……」
と言いました。すると、お春ちゃんがハッとしたように
「そや、邦子はなんで来ないんや。おかしいやないか。自分とこの家がどこの誰とも分からんもんに盗られたいうのに……」
お春ちゃんは、まだ受け入れられないようです。ここに座っていればこの家が自分に戻ってくると思っているのかもしれません。
「お春ちゃん……!」
オッチャンが暗くなってきたので灯りのスイッチを入れましたが、点きませんでした。
「電気、切られてんのか……」
お春ちゃんは、そのことにさらにガクッと肩を落としました。
「お春ちゃん、帰りましょう。」
「……うん……うん……」
お春ちゃんは、虚ろな表情で頷きました。


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まあばあちゃん、どこ行くの?

まあばあちゃんは、くるっと振り向いて帰りかけました。
「まあちゃん、まあちゃん、まあちゃん、どこ行くねん。」
お春ちゃんが、慌ててまあちゃんの手を握りました。
「離してちょうだい。誰がお春ちゃんを大切にしてるかも分からずに、苦しめてばかりで。昭雄さんばっかり大事にして。最後の最後にこれよ。もう、知らないわ。」
お春ちゃん、アワアワして言葉が出ません。
「ウワーン。ウワーン!」
お春ちゃんは、へたりこむと、あたりかまわず泣き始めました。
「こんなひどい目に遭ってるわたしを放っておくなんて、信じられへん~!」
「お春ちゃん。」
「まあちゃんに見捨てられたらどないしたらええんや。ウワーン」
もう、泣いて泣いて大変でした。
「お春ちゃん、もうお暇しましょ。ここはお春ちゃんの家じゃないのよ。」
まあばあちゃんが、お春ちゃんをたたせようと手を添えました。
「なんでや。ここは私が邦子のために、着るものも食べるものも節約して買った家やで。」
「そんなに邦ちゃんが大事なら、どうして、昭雄さんの好き勝手にさせてたの。今更、どうしょうもないわ。」
「ウワーン。ウワーン」
お春ちゃんは、さらに泣き喚きました。


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もう、知らない……

「なあ、まあちゃん、……」
「なに……」
「わたし、昭雄さんに何もかんも盗られてしもたってことか? ほんまにこの家、私のものでないんか? いつの間に……そないなったんや。」
お春ちゃんは、首をかしげて言いました。
「いつの間に?  いつの間にってことないでしょ。」
「なんでや。」
「邦ちゃんが追い出されてからも、ずっと面倒見て、引っ越し先の家にも上がらせて、邦ちゃんの家にまであの女の人を上げてたじゃないの!! その事務所に何しに行ったか知らないけど、実印でもなんでも持ち出せるわよ。自業自得よ。可哀そうなのは邦ちゃんよ。」
まあばあちゃんは、もう怒りを隠せませんでした。
「まあちゃん、わたしがこんなにひどい目に遭ってるのにそんなんよう言うわ。」
お春ちゃんは怒りだしました。
「お春ちゃんはひどすぎるわ。大事な娘の邦ちゃんをあんなに苦しめた人たちに、家もお金もみんな上げてしまうなんて!!」
「まあちゃん!」
「邦ちゃんのご主人にも、冷たい態度で、偉そうにして! お春ちゃんが偉そうにできるの!」
「まあちゃん、なんでそんなん言うねん! こういうときは慰めるのが友達やろ。」
お春ちゃんは、顔を真っ赤にして怒りましたが、まあばあちゃんはあんなに感情がたかぶっていたのに、ふっと落ち着くと、
「……わたし、もう帰ります。お春ちゃんなんて付き合いきれない。最低よ。」
「え?」
お春ちゃんは、何を言われたのか分からないようでした。
「もう、私帰ります。」
「え? え? ええ?」


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お春ちゃん、どうして……

「そこで、署名や捺印をされましたか?」
お春ちゃんに弁護士さんがたずねました。
「どうやったか……、なんや昭雄さん、困ったことがあって、親の証明がいるとかなんとか……」
お春ちゃんは一生懸命思い出そうとしています。
「お春ちゃん、邦ちゃんは、離婚したんだから、もうお春ちゃんは親じゃないでしょ。」
まあばあちゃんが言うとお春ちゃんは、すまなそうに頭をかきました。
「ごめんな……」
「で、そこで何したの?」
まあばあちゃんは、もう必死です。
「よう分からんねんけど、なんや説明はしてもろたんやけど、よう分からんかってん。」
「なのに、ハンコ押してきたの?」
「…………」
「あの時も眼鏡持ってなかったら、よう分らんかってん。」
「どうして……分からないのに、ハンコ押すの?」
お春ちゃんが情けなくて泣けてきました。


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カラの権利書ってなあに?

奥に行くと、マコちゃんの友達の弁護士さんとオッチャンが怖い顔のスーツの男の人と話していました。
「……そうですか……。そういうことでしたら、仕方ありませんね。」
オッチャンのハキハキした声が聞こえてきました。
「な、なんやて……仕方ないって、何がや……」
お春ちゃんの声にみんながこっちを向きました。
「……お母さん。これは空の権利書だそうです。」
「か、から? カラってなんや。カラって……」
「登記情報では、昭雄さんのものになってるそうですわ。」
「なんやて?」
「今日は、役所が休みですから、確認に行けませんけど……」
「何言うてんのや……」
「こちらに写しがあります」
黒いスーツの人が、お春ちゃんに紙を渡しました。
「まあちゃん、私、メガネ忘れて、見えへんのやけど、なんて書いてるのや?」
「私も忘れてきたの……」
二人はショボショボした目で渡された紙を見ました。
「お母さん、昭雄さんと一緒に、権利書や、実印をもってどこかへ出かけたことありますか?」
弁護士さんが、ゆっくりとした口調で聞きました。
「え? どうやったかな?」
「この日付を見ると、去年の春頃ですね。」
「えーー…と……」
お春ちゃんは、なかなか思い出せないようでしたが、まあばあちゃんが、ハッと思い出しました。
「お春ちゃん、去年のお花見の時、事務所みたいなところ連れていかれて、緊張した緊張したって言ってたじゃない。」
「あ! せやせや!」
お春ちゃんは、ポンと手をたたきました。


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いざ、家に入ります!

権利書を弁護士さんがペラペラっとめくりました。
「どうですか?」
弁護士さんは、権利書を見ても難しい顔のままでした。
「少し、お借りしますね。」
と言って、家の中に入っていきました。
「まあちゃん、私の家、いったい、どないなってるんやろ……」
お春ちゃんは、蚊の鳴くような声で言いました。
まあばあちゃんは返す言葉が見つかりませんでした。
「それに、あんなに人がおったら、昭雄さんの遺体はどないなってるんやろう。」
「…………」
「こんだけ味方がおったら怖いことあらへん。家に行こか……」
「そうね。行きましょう。」
お春ちゃんはそう言うと、グイグイとシルバーカーを押して行きました。
まあばあちゃんも後に続きました。
家の前まで行くと、黒いスーツの人がお春ちゃんのことを知っているのか、
「どうぞどうぞ、外は寒いので中に入ってください。」
と、優しい口調で中に入れてくれました。
ぞんざいに扱われてるとばかり思っていた、お春ちゃんとまあばちゃんは拍子抜けしました。
お春ちゃんは、昭雄さんの遺体のことが気になるのかキョロキョロしていますが、なかなか聞けないようでした。
「あの、昭雄さんのご遺体は?」
まあばあちゃんが聞くと、黒いスーツの男の人が、
「ご家族の方が、市営の葬儀場に……」
それを聞いて、お春ちゃんとまあばあちゃんはホッとしました。


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て、抵当って?

「こんにちは、どうしたの?」
まあばあちゃんは、何事もないような様子でオッチャンたちのところへと行きました。
「ああ、ばあちゃん、来てくれたんか。今から行こうと思ってたんや。」
まあばあちゃんたちに気付いたオッチャンがすぐに寄ってきてくれました。
「あ、お義母さん。あの、少しお願いがあるんですけど……」
オッチャンがお春ちゃんを見て頭を下げながら遠慮がちに言いました。
「なんですか?」
お春ちゃんも緊張気味に答えます。
2人の距離はなかなか縮まりそうにありません。
「なんで、ここにいはるんですか?」
お春ちゃんがオッチャンに尋ねました。
「あ、はい。近所の人から、いろんな人が出入りしてるけど大丈夫かって邦子に電話がありまして……」
「邦子に……」
お春ちゃんは、この近所のひとにのけ者にされてたように感じたのか、ショックを受けてるようでした。
「それでですね。来てみれば、物々しいでっしゃろ。」
トモちゃんのお父さんと弁護士さんも、まあばあちゃんたちのところに来ました。
「お父さん、どうなの?」
まあばあちゃんがお父さん聞きました。
「それが、あの家は抵当に入ってると言って、引かないんですよ。」
「て…、て…。抵当ってなんや! そんなん知らんで!」
お春ちゃんが、ビックリして言いました。
「今、弁護士さんも来てくれたので、話に入る前にお春さんの権利書を見せていただこうと……」
お父さんがすべていう前に、お春ちゃんが
「持ってきた! 持ってます! ここにあります!」
お春ちゃんが、慌ててシルバーカーから権利書の入っているセカンドバッグを取り出しました。



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心強い味方

「わかったわ。行きましょう!」
お春ちゃんの言葉に、まあばあちゃんも覚悟を決めました。
「まあちゃん、ごめんやで怖ないか?」
お春ちゃんはまあばあちゃんの顔を覗き込むようにして言いました。
「怖いことなんかないわよ。空から爆弾が雨あられのように降ってくる中を生き延びたんだもの。これぐらい何でもないわよ!」
まあばあちゃんはにっこり笑って言いました。
少し話している間にすぐに着いてしまいました。
黒いスーツの人たちはまだ帰っていません。
表に立ってジッとしている人。
車と家を行き来してる人。
「まあちゃん、なんかキチッとスーツ着てるのに、恐ろしい感じがするなぁ。なんか普通の人と違う感じせぇへんか?」
「そうね。」
まあばあちゃんもいざ目の前にすると、恐ろしく思っていました。
「あら、お春ちゃん、あれは……」
「なんや? あ!」
オッチャンとトモちゃんのお父さん、それにマコちゃんの友達の弁護士さんの姿がありました。
「お春ちゃん! 行こう!」
「うん! まあちゃん!」
2人は元気よくシルバカーを押しました。


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お春ちゃんの問題

「なあ、まあちゃん、権利書持って行った方がええやろうか?」
お春ちゃんが、心配そうに言いました。
「どうして?」
「この家は、私のモンや言うて出て行ってもらうのに、権利書見せるのが一番ええんちゃうか? どやろ? なんか恐ろしげな人らが来てるけど、言うことは言わんと!」
お春ちゃんはそう言って、整理タンスから権利書の入っているセカンドバッグを取り出しました。
お春ちゃんは、今から戦場にでも行くような顔をしていました。
まあばあちゃんはいたたまれずに言いました。
「お春ちゃん、これは邦ちゃんや主人に相談してからのほうがいいんじゃない?」
「私が起こした問題や。私が片付ける。そうでないとアカンと思うねん。」
「でも、私たちだけでは難しいんじゃないかと思うの。」
「こっちには、権利書があるから大丈夫や。」
お春ちゃんは自分に言い聞かせるように言いました。
「…………」
「あんな、邦子を辛い目に合わせた前の旦那に、ようさんお金工面してたバカな母親やけど、この問題は私が片付ける。そうでないと邦子にも今の婿さんにも顔向けできへん。」
お春ちゃんは涙を流しながら言いました。


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怖いけど

「なあ、まあちゃん、まんじゅう食べたら、もういっぺん家見に行けへんか?」
「そうね。怖い気もするけど、放っておけないもんね。」
そう言って、まあばあちゃんはため息をつきました。
「……そやねん……」
お春ちゃんも心配そうに言いました。
「ジロたちは置いていきましょう……」
まあばあちゃんは、いつもどこへでも連れていくジロとミミちゃんを置いていくことにしました。
「そやな。なんどあった時、この子らおったら走って逃げられへんもんな。」
「…………」
まあばあちゃんがジロたちを置いていくのは、そうではなく、ああいう人たちは、まあばあちゃんたちを怖がらせるために、ジロたちを蹴ったりするのではと恐れたのです。
「ごめんな、君子危うきに近寄らずっていうけど、自分の家にあんな変なおっさん来てたらそうも言うてられへんもんな。」
お春ちゃんも怖いのか、そう言いました。


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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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