江戸時代?

「勉強はつまらんもん。すぐに眠たくなるねん。ゲームやとぜんぜん平気や。」
「勉強は難しいからいやや。ゲームの方がエエ。」
子ども達が口々に言います。
「そやけど、ゲームかて、難しいやろ?」
オッチャンが言うと、
「うん。うまいこといかへんこと多いよ。でもクリアしようと思って、燃えるねん。」
「それと一緒や。勉強も頭をひねって考えるねん。それでも分からんかったら、先生とかエライ人に聞くんや。」
「オッチャン、教えて!オッチャンと話してると楽しいもん。勉強も楽しいよ。」
「え? わし。わしは中学しか出てないからなぁ……」
「なんで?」
「わしらの時はそんなもんやで。学校の勉強より家の手伝いのほうが大事やったんや。」
「手伝い? それやったら僕もしてるで。花に水やってる。」
「私は、ご飯食べたら皿を運んでるよ。」
子ども達は手伝いなら自分もしてると、胸を張って言いました。
「そら、もちろんそれも大事やけどな。昔は、……まあ田舎やいうのもあるけど、今みたいに便利な機械がないからな。水を運んだり、まきを運んだり、力仕事が多かったわ。」
「ええ? それ、江戸時代やろ?」
「何を言うてんのや。オッチャンの子どものころはそんなもんやで。」
「へー。」
「勉強させてもらえるのは、一番上の兄ちゃんだけや。」
「お兄ちゃんだけ?」
「そうやで。そやから、まあ、オッチャンは頭ええ方ちゃうかったけど、勉強したくてもさせてもらわれへん子も多かったんや。」
子ども達は、オッチャンの話を神妙な顔をして聞いていました。


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分身の術

オッチャンは、しばらく考えていましたが、思いついたように言いました。
「相手は、神様やで。おねんねの神様は母ちゃんを困らせる寝てない子がおると、グッとおなかに力を入れてなぁ。カーッと思い切り息を吐きだて、おねんねの神様をいっぱい出すねん。それで世界中の子供のところに行けるわけや。」
「分身の術や!」
子ども達が興奮したように言いました。
「そや! よう知ってるな。賢い賢い。こんなに賢かったら、勉強したら堺の子は一番賢い子になるで。」
「ほんと!」
「ほんまや。」
「お、そうや。おねんねの神様は、勉強してる子の目はもっていかへんそうや。」
「でも、ぼく、勉強キライや。昨日かて、宿題忘れて怒られたもん。」
「なにを言うとんのや。大きいなったら困るで~。」
オッチャンは、なだめるように言いました。


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オッチャンはタジタジ

「なあ、おねんねの神様って,堺の神様なん?」
女の子が興味深そうに聞きました。
「なんでや?」
オッチャンが不思議そうに聞くと、
「だって、オッチャンとこに来た神様、堺弁やもん。」
「そら、堺に来たから、堺弁で言わはったんちゃうかな……。アメリカやったら英語で言うたんちゃうか? 神さんやから世界中の言葉がしゃべれるんやろ」
「そぁか~。ほんだら、英語の塾に行かんでもええねんなぁ。」
男の子がうらやましそうに言いました。
「オッチャン、おねんねの神様って何人くらい回れんの?」
「ん?」
「一人やったら、起きてる子いっぱいいるから、無理ちゃう?」
「う~ん。」
おっちゃんは次から次へと質問されて、タジタジです。まあばあちゃんは、子ども達の湧いてくるような発想に驚いていました。


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まけてもらった。

「昨日な。夜遅うまでゲームしてたらな。おねんねの神差が来てな。」
「ヒロ子ちゃんは? ゲームしてなかったん?」
キララちゃんが、突然言いました。
「そうや。ヒロ子は、ええ子やからお母ちゃんの言うこと聞いて、もう寝てたんや。わしは、ひとりでゲームをガンバっててん。」
「ほんで、ほんで!」
「《母ちゃんの言うこときかんとゲームするとは、なんちゅうこっちゃ! 目玉を借りていくで!》 って言うんや!」
「ほんで!」
「すんません。後生ですから、勘弁してください! って一生懸命に頼んだら。《片方だけにしといたるわ》って言うて、こないなったんや。」
「オッチャン、目ぇつぶってたら。おねんねの神様、分かれへんのに~」
「そうやねん。あんまりビックリして、目ん玉、みひらいてしもたわ。」
「痛かった?」
「ちょっとだけ痛かったわ。ほんで後からジンジンするわ。」
「ええ!」
オッチャンは、ものもらいが痛いのか、眼帯のしているほうの目に手を当てました。


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オッチャンの眼帯

「なんや。みんな集まって。なんの話てるんや」
「オッチャンや!」
「オッチャーン」
子ども達が駆け寄っていきました。オッチャンは子ども達に人気があるようです。
「オッチャン、目、どないしたん?」
オッチャンは目に眼帯をしています。女の子が聞きました。
子ども達が心配そうにしています。
「ああ、これか、これは、もの…」
オッチャンが、ものもらいと言おうとしたら、まあばあちゃんが、必死に目配せしています。
オッチャンが、よく分からずまごついていると、ヒロ子ちゃんが
「お父ちゃん、今、おねんねの神様のお話しててん。」
「ああ、そうか。」
オッチャンはヒロ子ちゃんの一言で、気が付いたらしく
「そうやねん。オッチャンがゲームして夜更かししてたらなぁ……」
「オッチャン、お母ちゃんに怒られへんの?」
「怒られたけどな。しとってん。ほんだらな。」
子ども達は、シーンとなって聞いています。
「おねんねの神様が来てな。」
「来たの?」
「来たん!」
「ほんま?」
オッチャンの眼帯が効果てきめん。子ども達は、真剣な顔をしてオッチャンの話を聞いています。


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目をつぶってね

「でも、ゲームの続きがしたいもん。ねてられへんもん。おねんねの神様、いつか来るんかな。」
「そうねぇ。来るかもしれないわ。」
「来たら、どうしよう。」
女の子はおびえたように言いました。
「おねんねの神様は、目をつぶっている子のとこには来ないのよ。」
「え? ほんま? じゃあ、目ぇつぶってたらええの?」
子ども達は、ホッとしたような顔をしています。
「そうよ。だから、頭の中で、想像していればいいのよ。」
まあばあちゃんが優しく答えます。
「なぁんだ。簡単やん。」
「おねんねの神様、あほやな。」
男の子が言いました。
「こら、そういう罰当たりなこと言うと、おねんねの神様の奥さんが怒るわよ。」
まあばあちゃんは少し厳しい顔をしました。
「……え……」
「おねんねの神様の奥さんは、おねんねの神様のことが大好きなの。すっごく怒るわよ。」
「はーい。」
「目ぇつぶるだけやったら簡単や。」
まあばあちゃんは、ふふっと笑いました。子どもというものは、目をつぶっているだけで、すぐにウトウトしてしまうものです。
トモちゃんの小さい時もそうでした。
まあばあちゃんは、子どもたちの顔を見ながら、
(たくさん食べて、たくさん遊んで、たくさん勉強して、たくさん寝てね。)
と思いました。


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ママが困ったら……

「おねんねの神様はね。この広い空のどこかにいるの。」
まあばあちゃんは、そう言って空を見上げました。
子ども達もつられるように空を見上げます。
「今頃は、お星さまと一緒に眠っているかもしれないわね。」
まあばあちゃんは、おねんねの神様が見えてるのか、ジッと目を凝らします。
子ども達も、見つけようとジッと目を凝らします。
「みんなは、夜遅くまで起きてるの?」
「私は、9時に寝てるよ。」
「ぼくはまだゲームしてる。ゲームしたいもん。」
「わたしも~」
「お母さんは、寝なさいって言わないの?」
まあばあちゃんが聞くと、
「言うけど~。もうちょっとって言ってゲームしてるよ。」
「そう、そうなの……」
「でも、おねんねの神様なんて来ないよ。」
「それは、お母さんが、おねんねの神様にお願いしてないからよ。」
「え? ママが呼んだら来るの?」
「そうね。ママが、すごく困ったら来るかもしれないわ。」
「じゃあ、いい子にしてたら、来ないの?」
「そうよ。ママの言うこときいて、いい子にしてると来ないのよ。」
子ども達は、神妙な顔をして聞いていました。


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おねんねの神様


「おばあちゃん、おねんねの神様のお話して!」
ヒロ子ちゃんが、まあばあちゃんの手をゆすりながら言いました。
「おねんねの神様?」
隣に座っていた女子がヒロ子ちゃんに聞きました。
「うん。いつまでも眠らない子のところにやってきて、目玉を持って行っちゃうの。」
「ええ!! 目玉とられたら、見えへんようになるやん!」
女の子はビックリして大きな声で言いました。女の子があんまり怖がるので、まあばあちゃんが、
「大丈夫よ。ちょっと預かるだけだから。心配しないでね。」
「ほんま?」
「本当よ。」
「でも、ちゃんと返してくれるの? 忘れへん?」
女の子は心配そうです。
「大丈夫よ。」
まあばあちゃんが優しく女の子の頭をなでました。
「おばあちゃん、ぼくもお話聞きたい!」
「わたしも!」
子ども達が口々に言いました。


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昔の堺はお金持ち

「せや! あんたら、堺が昔は大金持ちの町やったって知ってたか?」
「しらーん。」
「うそやん。」
「こらこら、何を言うとんのや。堺に住んでるんやったら、これくらいは知っとかんとアカンやろ。」
「太閤さんて知ってるか?」
「知ってる!」
「豊臣秀吉のことや!。」
「そや! その頃の話や。有名な商人さんがいっぱいおってな。鉄砲かて売ってたんやで。日本で一番の鉄砲やで! 」
「なんで、今はお金持ち違うの? すごい人の話なんか聞いたことないで。」
「それはな、太閤さんが大阪を大きいしようと思って、連れていかはってん。」
「えー。」
「おばあちゃん、なんで知ってんの? そのころ生きてたん。」
子ども達が目をキラキラさせて聞いてきます。
「はは、そらないわ。卵にもなってへんわ。」
「なんやー。生きてたんかと思った~。」
「たくさん、本を読み。本にはいろんな宝がいっぱい詰まってるねんで。惜しみのう教えてくれる。読んでるうちに、好きなもんが見つかるわ。」


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お春ちゃんは妖怪?

「おばあちゃんは、なんでもよう知ってるなぁ。ぼく、全然知らんかった。」
「当たり前や、アンタらよりようさん生きてるからな。」
「どれくらい?」
「そうやな。7,80年ってところやな。」
「えー。」
「オバケや。」
「うちのおばあちゃんより、上やで~。」
「ほんまや。もう妖怪の域やな。」
「アハハハハ」
お春ちゃんの言葉に子ども達が笑いました。
「おばあちゃんにも、アンタらみたいにかわいらしい頃があってんで。」
「ほんま?
「ウソやん。」
子ども達が口々に言いました。
「ほんまや。いろいろ大変やってんで。戦争も経験したしな。なんやかんや、年数たったら、シワクチャになってしもたわ。」
お春ちゃんがしみじみ言うと、ヒロ子ちゃんがそっと手を握りました。
お春ちゃんもキュッと握り返しまた。


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いい子になります

「この辺はな、歴史の宝庫なんやで!」
子ども達が、キラキラした目で聞くので、お春ちゃんも調子が上がってきました。
「宝庫って何?」
「何って、宝もんがいっぱいあるってことやんか!」
お春ちゃんは、嬉しそうに答えました。
「この堺には世界一大きなお墓があるんやで。」
「えーーーー!一番大きいのはピラミッドやで!」
小学校一年くらいの男の子が、お春ちゃんに教えるように言いました。すると、5年生くらいの男の子が、
「ぼく知ってる! 仁徳天皇陵や!」
「そや! 一番広いお墓なんやで!」
「知ってる! 前方後円墳て言うねんで。市役所の上から見たら形がよう分かるで!」
「あんた、よう知ってるな。そうやで」
「私、行ったことある」
「私も!」
「そうかそうか、ちゃんと手ぇ合わせてきたか? ええ子になりますって言うてきたか?」
子ども達は首をかしげました。
「仁徳天皇陵さんは、この辺では、御陵さん言うてな。今の天皇様のご先祖様にあたるねん。」
「そんなんしてへん。」
「そうかそうか。ほな、あっちの方角が御陵さんやから、手ぇ合わせとき。ええ子になりますから、お守りくださいって心の中でお祈りしとき。」
お春ちゃんが手を合わせると、子どもたちも手を合わせました。


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まもる心

「おばあちゃん、この木のなんていう木?」
男の子がお春ちゃんに聞きました。
「天皇様の木やろ?」
「ちゃうちゃう。木の名前。」
「楠木や」
「くすのき?」
「そや。忠臣楠木正成公のくすのきや。」
「チュウシンて何?」
「クスノキマサシゲコウって何?」
「忠臣いうのはな。主君を一所懸命に守る人や。楠木正成公にとっては天皇様や。」
「へぇ。」
「あんたら、河内長野にある観心寺って寺に行ってみ。正成公の菩提寺や。今度行ったとき、手を合わせて拝ましてもらい。エエもんもらえるから。」
「菩提寺ってなに?」
「菩提寺いうのんはな。ご先祖さんを祭ってるところや。」
「ええもんってなに?」
「ん! ここが大事やで。ええもん言うのは心や。真面目で人に信じてもらえる人になるというとや。そして、人を守る力や。」
男の子は真剣な面持ちでお春ちゃんの話を聞いていました。ほかの子どもたちも一生懸命に聞いています。


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お春ちゃんもおいで

「どう? おばあちゃん。」
「なんか、清々しい気持ちになってくるわね。」
「すがすがしい?」
真美ちゃんが不思議そうな顔で聞きました。
「スッキリしたさわやかな気持ちになるってことよ。」
「なんか木ってゴツゴツしてて変やとと思ってたけど、抱きつくと気持ちいいなあ。」
と男の子が言いました。
「ほんまや~。」
さっきまで、まあばあちゃんを囲んでいた子どもたちも、木を囲んでいます。
お春ちゃんだけが、少し離れたところにぽつんと座っていました。
子ども達がお春ちゃんに手を振ると、お春ちゃんも振りました。
「おばあちゃんもおいでよ~。」
呼ばれてお春ちゃんは、ドッコラショッと立ち上がりました。
お春ちゃんが子ども達のそばによると、
「ばあちゃん、葉っぱついてるで、とったるわ。」
元気のいい男の子が、お春ちゃんの肩についてる葉っぱを取ってくれました。その葉っぱを見たお春ちゃんは、
「ちょっと、その葉っぱもんでみ、ええ匂いするで。」
男の子がキュキュッと葉っぱをもむと、いい香りがしてきました。
「ほんまや~。」
「な、ええ匂いやろ?」
「うん!」
男の子が嬉しそうに返事しました。


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見守ってくれる木

「ハイ!」
「はい、どうぞ。」
「わたしは、この木が、公園で遊ぶ子を見守ってると思います!」
小学校5、6年くらいでしょうか、キララちゃんと同じ年頃の女の子が言いました。
「まあ、おばあちゃんもそんな風に感じるときがあるのよ。どうしてそう思うの?」
「あの、わたし、鈴木真美っていいます。」
「真美ちゃんね。」
「はい。わたしは、この木の形がそんな風に思います。みんなを守ろうとするみたいに大きく枝を広げて包み込むみたいだなって思います。この木は、私のおじいちゃんが10歳くらいの時に植えられました。天皇様のご結婚の記念の木というのも、おじいちゃんに聞きました」
「そう、おじいちゃんもこの木が大好きなのね。」
「はい。」
そう返事すると、真美ちゃんは木のそばに駆け寄りました。そして、木に抱きつくと、
「こうすると、とっても気持ちがいいです。嫌なことがあった日も、どんよりした気持ちを吸い取ってくれるんよ。」
そして、まあばあちゃんに、
「おばあちゃんもおいでよ。」
そういうと、まあばあちゃんの手を引いて、木のそばに連れてきました。



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おおきな木

「そうよ! よく知ってるわね。えらいわ。」
キララちゃんは、まあばあちゃんに褒められて、エヘヘと嬉しそうに笑いました。
「この木はね、植えた時は、こーんなに小さかったのよ。でも、今は、こんなに立派になったわ。だから、この木のようにみんなにも立派になってほしいと、おばあちゃんは思います。」
「はーい!」
「じゃあ、みんなはこの木のどんなところが立派だと思いますか?」
「暑い時、陰になってくれます。」
キララちゃんが答えました。
「そうね。木陰に入ると、ホッとするわね。」
「ハイ!」
男の子が手をあげました。
「はい。どうぞ」
「ちょっとくらいの雨だったら、傘になります。」
「えらい! そうね。雨宿りもできるわね。」
まあばあちゃんに、えらいと言われて男の子は嬉しそうに笑いました。
「ハイ!」
今度は女の子が手をあげました。
「はい。」
「小鳥の家にもなります。」
「そうね。よく気が付いたわね。」
まあばあちゃんがほめると、女の子はさらに続けました。
「私がこんなにゆすっても、ビクともしないから、小鳥は安心して眠れます。」
「夏になったら、セミもとまるよ。この木にいっぱい!」
子ども達は楽しそうに、木のことを話しました。


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知ってるよ!

ヒロ子ちゃん達と公園でお花見した日から、まあばあちゃん達が公園に行くと、子どもたちが集まってくるようになりました。
「おばあちゃん、お話して!」
子ども達がまあばあちゃんを囲んで口々にせがみます。赤ちゃんを抱いたお母さんも近づいてきました。
「そうねぇ……。今日は、何のお話をしましょうか……」
まあばあちゃんが頭をひねっていると、
「はやく! はやく!」
と、子どもたちが急かせます。
「そうだあ。今日はこの木のお話をしましょう!」
「この木?」
子ども達が、自分たちの頭の上の大きな木を見上げました。
「この木はね、昔、天皇様がご結婚されたときに、植えられた特別な木なのよ。みんな知ってた?」
「知らなーい。」
「しらん。」
「わたし、知ってる!」
ひときわ大きな声で手を挙げた子がいました。キララちゃんです。
「わたし、知ってるよ。おばあちゃん。ヒロ子ちゃんのお母ちゃんが教えてくれてん。」
キララちゃんは得意げに言いました。


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むかしばなし

キララちゃんと美鈴ちゃんは、おなかがいっぱいになったせいかウトウトしています。
「ねえ! おばあちゃん、お話しして!」
ヒロ子ちゃんが、まあばあちゃんにお話をせがみました。
その声で、キララちゃん達は、はっと目が覚めたように、目をぱちくりさせました。
「そうねぇ、ヒロ子ちゃんは、どんなお話がいい?」
「ウサギとカメ」
ヒロ子ちゃんが嬉しそうに言うと、
「えらいまた、渋い趣味やな。」
お春ちゃんが、「へぇ」という顔で言いました。
<むかしむかし、あるところにウサギとカメがいました。ウサギは足の速いのが自慢です。……>
キララちゃんと美鈴ちゃんは、キョトンとしています。
ヒロ子ちゃんは、目を輝かせています。
「はあ、まあちゃんは、話が上手いな。オチが分かってても聞いてしまうわ。」
「お春ちゃん、夢のないこと言わないの。」
お豊ちゃんが、困り顔で言いました。
「おばあちゃん、もっと聞きたい。」
男の子が言いました。
「わ! ビックリした。」
お春ちゃんが、驚いて振り向きました。
「わたしも~」
子ども達が、せがみます。いつの間にか何人かの子供たちが集まっていました。
「なんや、今どきの子はゲームばっかりと思ってたけど、違うんやなぁ。」
お春ちゃんが、不思議そうに子どもたちを見て言いました。


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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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