タオルをどうぞ

「あ、お母さん、おばあちゃんたち、お風呂から出るみたいよ。」
「え? えらいこっちゃ、タオルおいてくるの忘れた!」
恭子ちゃんは慌ててお風呂場へ走っていきました。
「お母ちゃん、バスタオル足らんでしょ。持ってきたよ。」
すると、お春ちゃんが、返事しました。
「かまへん、かまへん、一枚で十分やで。なあ、まあちゃん。」
まあばあちゃんの返事はありませんでした。
きっと、もう1枚ほしいのでしょう。
「でも、不便でしょ?」
「あ、開けんといてや。シワシワヤから見られとないねん。」
「じゃあ、私が、少しだけ扉を開けて、バスタオルを入れるから、取ってくれる?」
「それやったらええよ。」
恭子ちゃんが、少しだけ開けた扉か、バスタオルを差し入れると、
「つかんだで。離してや。」
とお春ちゃんが言いました。
「ほなね。なんかあったら呼んでね。」
と、恭子ちゃんが言うと、まあばあちゃんが、
「ありがとう、恭子ちゃん。」
と、言いました。


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エステ?

「エステに行くって、お春おばちゃんが……」
お母さんは、目に涙をためて笑いいながら言いました。
「エステ? どうして?」
「それがね……。お春おばちゃん、シワシワやって悩んでるんよ。」
「う~ん。」
「ほんだら、お母ちゃんが、ツルツルのところもあるわよって……」
「うん。」
「ほんだら、お春おばちゃんが、エステ行ったら、治るんちゃうかって……。」
「おばあちゃんは?」
トモちゃんが、聞くと、
「エステなんて若い人が行くものやし、肌見せるのなんか嫌やって言うてたわ。」
「おばあちゃんらしい……。でも、行ってくればいいのに。」
「え?」
お母さんが目を丸くして言いました。
「だって、おばあちゃん、ジロとミミちゃんの散歩くらいしか、出かけてないし、お春おばあちゃんと一緒に、エステ行って美味しいもの食べてくればいいのに……。私が、ジロたちと留守番するから。」
トモちゃんの言葉に、お母さんは、納得したようにウンウンと頷いて、
「トモ子に驚かされるわ。ホンマやね。それがエエかもしれんね。」
 感心したように言いました。


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お母さんが大笑い

「お母さん、どうしたの?」
トモちゃんが、飲み物を取りに行こうとしたら、お母さんが廊下でしゃがんで肩を震わせています。
「お母さん、どこか痛いの?」
お母さんは、返事をしません。
「お母さん?」
トモちゃんが、肩をゆすると、
「アハハハハハ、ハハハ……!!」
お母さんは、顔を上げたかと思うと大笑いしました。
「どうしたの? 大丈夫?」
「アハハ、ハッハハハ。だって、トモちゃん。アハハハ!  今ね、お風呂場にバスタオルを置きに行ったらね。アハッハッハ!!」
「今は、お春おばあちゃんと、おばあちゃんが入ってるでしょ?」
「そう、そしたら……そしたら……アハハハ」
「もう、笑ってばかりで、分からへんよ。」
「だって……だって……アハハハ」
お母さんは、また笑い出しました。


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明るく卒業

「でも、お春ちゃん、真面目な話、……順番から言うたら、うちらのほうが先に逝くねんから……。しっかり考えとかんと、邦ちゃん、また大変なことこにならへんの?」
「権利書は、弁護士さんに渡したぁるねん。もし、私が先に死んだら、邦子夫婦に渡すって言うてはった。後は、邦子らが弁護士さんと相談してええようにするやろ。」
お春ちゃんは、清々しい表情で言いました。その顔を見て、お豊ちゃんもまあばあちゃんもホッとしました。
「もう、昭雄のあの字を聞くのも、めんどくさいわ。」
「あら!」
お豊ちゃんが驚いた顔で言うと、
「そら、そやで。朝から晩まで、散歩散歩いうて、借金取りみたいに、ついて回る犬がおる上に、今から帰ったら、晩御飯作って洗い物して、風呂入って、毎日めまぐるしいねん。あんな家のことは考えられへん。卒業や。」
お春ちゃんは楽しそうに笑いながら言いました。


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元気に長生き!

「え? お春ちゃん、どうするん?」
お豊ちゃんがケーキのおかわりを切り分けながら聞くと、
「もしも、昭雄を放り出せたころで、逆恨みして刺されるかもしれん。あんたのとこの連れ子より、たちが悪いように思うねん。だって、せやろ? 嫁はん追い出した上に、自分がお金払ってない家に居座るなんて、普通の神経違うやろ?」
「確かに……。え? じゃあ、あの家があげてしまうの?」
まあばあちゃんが驚いていうと、
「まさか、そんなことせぇへん。昭雄が自分で出て行くとか……」
「それはないでしょ。」
「まあ、聞いてよ。死ぬとかした場合にあの薄気味悪い女には出て行ってもらおうと思うねん。」
「気の長い話やね。」
お豊ちゃんがあきれたように言いました。
「まあ、そうなんやけど……、もう追い出そう追い出そうって考えるのは止めにしてん。そう思ったら、ずっと、頭の中に霧がかかったみたいやったのが、スーッと晴れてきたわ。」
「じゃあ、うんと長生きせなあかんね。」
「そやで。昭雄より長生きせなアカンからな! 頭もハッキリしとかんと! ボケとったら、あの女を追い出すのを見損なうからな!」
お春ちゃんは、そう言うと、カカカっと嬉しそうに笑いました。


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お春ちゃんの結論

「ほんまやな。あんたの言う通りや。老い先短い身やのに……。グズグズ言うてもしゃあないな。」
「お春ちゃん。」
「よっしゃ。決めたわ。私もそうしよ。ホンマはそうしよ思っててん。」
お春ちゃんは紅茶を一口すすると続けました。
「あんたと私、なんやよう似てるな。」
「え?」
お豊ちゃんが不思議そうな顔をしました。
「隣同士で家、買って、ローン済んだと思たら、追い出されて。ゆっくりする間もあらへん。」
「…………」
「あんたも、家、諦めて明るくなったように思うわ。私も、あの家出てまあちゃんトコにお世話になるようになって、頭がハッキリしてきたように思うねん。そやから、弁護士さんにそう言うわ。」
お春ちゃんは、明るい顔で言いました。


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お豊ちゃんの結論

「なあ、あんた、連れ子に家、取られたやんかぁ。取り返したいと思わんのか?」
お春ちゃんが、良い香りのする紅茶をズズッとすすりながらお豊ちゃんに言いました。
「家? ああ……」
「ああって、大丈夫か? あんた。あんたは嫁さんなんやから、半分はあんたのモンやのに、悔しくないんか?」
「お春ちゃん!」
まあばあちゃんがとがめるように名前を呼びましたが、
「まあちゃん、私、聞きたいねん。私は、悔しいてしゃあないもん。今はええトコに住んでる言うたかて、やっぱり腹立つはずや。」
「ひどい目に遭わされたのは、なかなか忘れられないけど、家のことは悔しくないねん。自分で出てきたんやし。」
「そやけど、追い出されたのと同じやろ? あんたかて、家があるのだけが救いやって言うてたやんか……」
「でもねぇ。連れ子言うたかて、ほとんど家におらんかったし、昔から、何を考えてるんか分からんかったし。どこか恐ろし気な子やったし。お春ちゃんの言うように、今からもめれば、半分は戻ってくるかもしれないけど.……」
「そやろ? 惜しいやろ?」
「その後、どうなると思う?」
「そら、バンバンザイやろ。」
「でも、分けるって言うたら、まず、あの家売らなあかんのよ。あの子らに、蓄えがあるとは思われへんわ。」
「そらそうやな。」
お春ちゃんは頷きました。
「そんなら、ここにきて喚き散らしたり、ネズミ置きに来たりするかもしれへんもん。また、もめるのしんどい。関わりとうないの。」
「でも、あの娘やったら、お金の無心に来るくらい平気やろ? 同じ町内や。すぐに嗅ぎ付けるやろ」
「うん。そうやねん」
「え。いつ? 大丈夫だったの?」
これはまあばあちゃんが驚いて聞きました。初耳だったのです。
「この間、町会の集まりで……」
「どないしたん?」
お春ちゃんは身を乗り出して聞きました。
「それを言うんやったら、裁判の用意があるって言うたの。もめたらあんたに勝ち目ないよ。家出て行かなアカンよって。」
「へー! あんたがそんなこと言うたんかいな。カッコええな!」
「家なんかいらん。どこでも行くとこあるって言うてたのに。あの歳になったら。家が大事やって分かったみたいで、それからは向こうが私を避けてるんよ。」
「そうかいな……」
「半分は、あの子の物やから、出て行ってもらうわけにもいかへんし。そうかて、あんな恐ろしい娘と一緒に住まれへんもん。」
「ほんまや。私も、今回、身に染みたわ。」
お春ちゃんが、しみじみ言いました。
「私、穏やかに暮らしたいと思ってるの。マコちゃんとハッピーと……、ほんで、気の置けない友達がいるもん。一日一日が宝やわ。」
お豊ちゃんは、そう言って、愛おしそうにハッピーちゃんの頭を撫でました。


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お春ちゃんの散歩

「うちにも邦ちゃんが届けてくれた大根や白菜がたくさんあるわよ。」
「え? なんで、聞いてないで!」
「言ったわよ。だから、大根も白菜も今度にしましょうって言ったでしょ。」
「えー。言うてたかいなー。覚えてないわ。えー。」
お春ちゃんは納得いかない様子です。
「そんな、大根くらいでもめないの。はい。お茶をどうぞ!」
「おおきに……」
「お春ちゃん、ちょっと見ない間に、キレイになったわね。お肌もツヤツヤして、若返ったみたいよ。」
「そやで、毎日、お陽さんが顔出したら、ジロとミミをつれて散歩に行き、洗濯したら散歩、お昼食べたら散歩。散歩散歩の毎日や。そら、血の巡りもようなるで……」
「お春ちゃん、そんなに散歩してるの?」
「そやで、面倒くさいなぁって思う時もあるけど、あのつぶらな瞳で見られたら、無下にもできへんしなぁ。」
「お春ちゃん、可愛がってるんやねぇ。」
「そやで、可愛らしいで!」
お春ちゃんは、嬉しそうに笑いました。


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大根どうぞ!

応接室に通されると、お春ちゃんが、羨ましそうに言いました。
「あんたの家、大きいなぁ……。あんたって、運が尽きたみたいなとこあったけど、最後にドーンとええのが当たったって感じやなぁ……」
お豊ちゃんは、戸惑った様子であいまいに笑いました。まあばあちゃんが、話題を変えようと、
「マコちゃんは?」
と聞くと、
「夕方に帰ってくるわ。」
「そう……」
「あ、あんた、大根安かってん。2本買ったから、1本あげるわ。」
「大根と白菜なら、邦ちゃんにいっぱいもらって、たくさんあるよ。」
「ええ!?」
「どうしたの? お春ちゃん。」
お豊ちゃんが聞くと、
「うちには来てないで!」
お春ちゃんは、むくれた顔で言いました。


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久しぶり~

「まあちゃん、ちょっと、お豊ちゃんの顔見て行かへんか?」
「そうね。」
毎日のように会っていたお豊ちゃんでしたが、お正月からこっち、なんだかバタバタしていて、会うのは久しぶりです。
お豊ちゃんの家の前まで来ました。
「お留守でないと良いけど……」
「ま。ピンポン押してみよ。」
お春ちゃんが、インターフォンを押そうと手を伸ばしたら、
「いらっしゃい!」
と言って、お豊ちゃんが顔を出しました。
「ひゃ! ビックリした~!」
お春ちゃんが、大きな声を出しました。
「どうして、分かったの。」
まあばあちゃんが聞くと、
「庭でハッピーとボール投げして遊んでたら、二人の姿が見えたから! お話したいなと思って。」
「そうかいな。ほんまに、ビックリしたわ。」
「入って、入って! お茶にしましょ。」
お豊ちゃんが、嬉しそうに言いました。


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今日はお鍋

「あ、今日の安売りは、白菜と肉やて! まあちゃん、今晩は鍋にせぇへんか?」
「いいわね。暖まって!」
「ええっと……、他には、とうふとマロニーちゃんと……、おもちは?」
お春ちゃんが言うと、
「お餅はまだあるけど、足しときましょう。みんなお餅好きだから。」
「私もお餅、大好きや!」
「お正月に食べるお餅は特にね。」
「あ、大根も安いで~。」
お春ちゃんが、大根を指さしました。
「大根は今度にしましょう。」
まあばあちゃんは乗り気ではありません。
「なんで? こんな値段、めったとないで? 入れとこ入れとこ!」
お春ちゃんは、ポイッと大根を買い物カートに入れました。
「ほな、帰ろうか。まあちゃん。帰ったら、お茶して、私、お米研ぐわ。」
なんだかんだとお話しながら、たくさんの買い物をしました。
まあばあちゃんの家に来たころは、足が痛い腰が痛いと撫でてばかりいました。きちんとお風呂に入って暖まって、ジロ達のお散歩で運動をして、ラジオ体操の真似事をして。随分と楽になったようです。今日のようにお買い物もします。
それからなんと、まあばあちゃんを手伝って、きちんと家事もしています。
そうする内に、動くのが苦にならなくなったようで、まあばあちゃんが出かける時は、いつもついてくるようになりました。
お春ちゃんは、まあばあちゃんと出かけるのが大好きになったようです。


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鏡開きをみんなで


今年のお正月は暖かで穏やかな日が続きました。
お春ちゃんも幸せそうな顔をしています。まだ、問題は解決していませんが、それでも昭雄さんたちから離れたことは大きかったようです。
「なあ、まあちゃん、今度の成人式はハッピーマンデーで鏡開きとおんなじ日やな。」
「ほんと、いい事が重なる日ね。」
「なあ、ぜんざいをタンとたいて、みんなで食べような。」
「そうね。お餅もたくさんあるし、早起きして、ぜんざいを作ってお腹いっぱい食べてから、お散歩に行きましょう。」
「散歩はええな、毎日散歩してるから、体の調子がええわ。血がよう回ってるんやな。まあちゃんのおかげや。」
「ジロとミミちゃんのおかげよ。毎日楽しくお散歩できるのは。」
「そやなぁ……、あの子らが誘てくれなんだら続かんな。」
「そうよ。あの子たち、怠けるってことを知らないもの。雨の日以外はお散歩するって決めたら、きちんとするの。」
「エライなぁ。あ、そや。お豊ちゃんにもぜんざい持って行ったろな。愛媛の人も呼んだろ。」
「そうね。」
二人は、幸せそうに笑いました。


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明けましておめでとうございます。

「「明けまして、おめでとうございます!」」」」」
家族みんなで、新年の挨拶をしました。
まあばあちゃんとお春ちゃんは、きちんと着物を着て挨拶をしました。
トモちゃん達は、いつもどおりです。
元旦は、みんなでゆっくり過ごします。
二人は背格好が似ているので、着物を着ると、
「お揃いのお人形見たいやね。」
と、トモちゃんが嬉しそうに言いました。
「ありがとう、トモちゃん。」
と、お春ちゃんが言いました。そして、きちんとお辞儀をして、
「ご主人さん、恭子ちゃん、トモちゃん、そんで、まあちゃん。ほんまにほんまに有り難うございます。こんなにええお正月が送れるとは思ってもみんかった。有り難う。ほんまに有り難う。」
いつになく改まったお春ちゃんの様子に、
「お春おばちゃん、何言ってるの~。おばちゃんらしくないわ。」
恭子ちゃんがアハハと笑って言いました。
「へへへ。ホンマやな。」
お春ちゃんは、涙を浮かべて笑いました。


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お先に~

「あら、まだあるの?」
もう、お春ちゃんのお布団はセットできたのに、トモちゃんが、また、大きな荷物を持ってきました。
「うん。おばあちゃんのも揃えたの。おばあちゃんのも、もうだいぶ使ってるからって、お父さんが……」
トモちゃんが、荷ほどきしながら言いました。
「まあ、もったいない。まだまだ使えるのに……」
まあばあちゃんは倹約家です。特に自分の物は買いません。
そんなまあばあちゃんのために、お父さんとトモちゃんは、この機会にまあばあちゃんの分も揃えのです。
「でも、触ってみて、フワフワして暖かいよ。」
「トモちゃん、使いなさい。」
「どうして? おばあちゃんのために買って来たのに~。」
まあばあちゃんはおかしなところで頑固なので、こういう時、困ってしまいます。
「あら……」
「なんや。先客ありになってしもたで、まあちゃん。」
トモちゃんとまあばあちゃんが、話してる間に、ジロが掛布団にトンネルを器用につくるとミミちゃんが先にお布団に入ってしまいました。ジロも後から入っていきました。


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新しいお布団

「おばあちゃん、ただいま!」
「お帰りなさい。大変だったでしょ。」
まあばあちゃんが、よっこらしょっとテーブルを持って立ち上がりました。
「ううん。ぜんぜん! あのね。駅前のお布団やさんが、大安売りしてるんよ。」
トモちゃんが、大きな荷物を持って部屋に入ってきました。
「あら、西川の?」
「そう!」
「え、お父さんとうまく会えた?」
まあばあちゃんは、お父さんにトモちゃんはスーパーにいると言ってしまったので、ドキッとしました。
「うん。電話くれた。」
「あ、あ、そうね、そうね。携帯電話ね。すぐウッカリするわ。」
お父さんが、トモちゃんよりもっと大きな荷物を持って入って来ました。
トモちゃんが、どんどん荷物を解いていきます。
「枕でしょ。敷布団でしょ。掛布団に掛け毛布……」
「ちょっと、派手やな……」
お春ちゃんが、恥ずかしそうに言いました。
「そう? これくらいの方が気持ちが明るくなっていいわよ。」
まあばあちゃんが、掛布団を手に取って言いました。
「カバーも買ってきたけど、また、好きなの買えばいいやん。ころころ変えたほうがいいよ。」
「そやな。私は、同じようなもんばっかり使ってるから、頭にカビが生えてしまうんやな……」
お春ちゃんが、しみじみ言いました。


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トモちゃんが帰ってきた。

恭子ちゃんが、二階に着替えに行った後、お春ちゃんが、
「良かったわ。恭子ちゃんが、どない言うか気が気やなかってん。」
「恭子ちゃんは、優しい子よ。」
「いや、それは分かってるんやけど、悪気はないんやろうけど……、あの子、ずけずけ言うさかい……」
恭子ちゃんが、パタパタパタっと降りてきました。
「お母ちゃん、お父さんもトモちゃんもいないんやけど……、知らん?」
「トモちゃんには、買い物を頼んだのよ。それで、お父さんに迎えを頼んだの。」
「ああ、そっか。お布団とかやね。」
「ええ……」
シャッターの上がる音がしました。
「あ! 返ってきたわ!」
恭子ちゃんが玄関へ走っていきました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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