みんなでケーキを

樺山さんは、思いやりのある人です。お豊ちゃんの負担にならないように、自然な形で来てもらうことに、心をくだいたことでしょう。
こんな風に、話を進めてもらえれば、お豊ちゃんも、樺山さんのお宅に行きやすいでしょう。
まあばあちゃんは、嬉しくなりました。優しいお豊ちゃんは、まあばあちゃんの家にいても、いつも気を使ってばかりいました。まあばあちゃんは、それがとても気になっていたので、今日の樺山さんの申し出は、とてもうれしいものでした。
「あの……、」
樺山さんが何か言いかけてやめました。
「どうされたんですか?」
「いえ、またにします。」
「でも、気になります。ね? お豊ちゃん?」
お豊ちゃんも頷きました。
「それが、ひろ子ちゃんのお父さんにもお話があったんですが、もう、夕飯の時間だなと思って、また、日をあらためます。」
「でも、こんなに大きいケーキがあるし、みんなで食べたらおいしいと思います。トモちゃん、ひろ子ちゃん達を呼んで来てくれる?
「はーい!」
トモちゃんは元気よく返事して出かけて行きました。

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お豊ちゃんの気持ち

お豊ちゃんは、黙ったまま、うつむいてしまいました。
そして、いつの間にか、お豊ちゃんの側に来ていたハッピーちゃんをなでていました。
「お豊ちゃん」
「…………」
「お豊ちゃん、返事なさいよ。」
まあばあちゃんが肩を揺らすと、お豊ちゃんはハッピーちゃんをギューッと抱きしめて、誰とも目を合わそうとしません。
お豊ちゃんは、本当は樺山さんの申し出を受けたいけど、高齢の自分が行ってもいいものかどうか、そして、まあばあちゃんの家にいつまでもいてもいいのか、答えの出ない問いに苦しんでいるようでした。
「樺山さん、私がお返事してもいいですか?」
まあばあちゃんの、お豊ちゃんへのお話をまあばあちゃんが答えるという不思議な言葉に、樺山さんはキョトンとしていました。
「わたし、お豊は、お世話になります。ハッピーちゃんと樺山さんと一緒にいたいと思います。」
「ちょ、ちょっと、……ま、まあちゃん?」
お豊ちゃんが、慌てた様子で言いました。
「だって、本当は、そうしたいんでしょ?」
まあばあちゃんは、きっぱり言いました。
お豊ちゃんは、小さく、コクンと頷きました。
「わたしも、ジロとミミちゃんを連れて、押しかけていくわ。」
まあばあちゃんがそう言うと、樺山さんが、嬉しそうに言いました。
「ぜひ、そうしてください。待ってます。」

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樺山さんの気持ち

お豊ちゃんはもちろん、まあばあちゃんもトモちゃんもビックリして、樺山さんを見つめました。
「そんなに見られると、恥ずかしいですよ。もし、お豊さんさえよければ、これから、ハッピーと3人で暮らしていけたらいいなっと思いまして……」
樺山さんは、照れ笑いしました。お豊ちゃんは、その様子を見て、樺山さんとは対照的に深刻そうな顔をしました。
「……あの、樺山さん……」
「はい。」
「お話は、とても嬉しいですが、……私は、もう80半ばです。そんな年寄りと一緒に暮らしてどうするんですか? 樺山さんは、まだ、お若いんですから、いい人がいれば、その人と結婚して暮らすべきです。」
樺山さんは、断られるとは思っていなかったらしく、ショックを受けたようでした。
「……あの……」
「お気持ちは、本当に有難いですが……」
樺山さんは、小さく深呼吸して言いました。
「私は、お豊さんをお母さんと呼んで一緒に暮らしたいと思っています。結婚とか、そんな事は全然考えていません。一緒にいて心が安らぐ人がいいんです。」
「樺山さん……」
「確かに、養子の話は少し唐突でしたが、私の気持ちを分かっていただきたくて……」
「でも……」
樺山さんが、お豊ちゃんの言葉を遮って話を続けました。
「私は、体が弱くて、もしかすると、お豊さんより、先に逝くかもしれません。お豊さんを最後まで見れないかもしれませんが……、家とわずかばかりの蓄えはあります。それをお豊さんが生きていくために渡したいのです。」
お豊ちゃんは、黙ってしまいました。

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樺山さんからのお話

「樺山さん、ひろ子ちゃん達を呼んできていいですか? こんなに大きなケーキだもん。みんなで食べたらおいしいと思うんです。」
そう言うと、トモちゃんは、クルッと向きを変えました。樺山さんが慌てた様子で、
「トモちゃん、トモちゃん、ちょっと待って。おじさんは、今日、大事なお話があって、伺ったんだよ。」
「お願い?」
トモちゃんが、キョトンとした様子で言いました。
「トモちゃんにも聞いてほしいんだよ。」
そう言われて、トモちゃんは、まあばあちゃんの隣に座りました。
「お話って、なんですか?」
まあばあちゃんが、樺山さんに聞きました。
「はい。」
樺山さんは、居住まいを正して、深々とお辞儀をしました。
まあばあちゃん達も、樺山さんのあらたまった様子に、深々とお辞儀しました。
「どうなさったんですか? あらたまって……」
「はい。お豊さんに、私と一緒に暮らして頂けたらと思って……」
お豊ちゃんは突然の事で、言葉が出ないようでした・
樺山さんは、小さく深呼吸して、
「養子縁組の手続きを考えているんです。」
樺山さんは、ジャケットの内ポケットに入れていた、封筒から書類を取り出すと、テーブルの上に置きました。

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美味しいケーキ

「ただいまぁ~。あっ、樺山さん、こんにちは。」
トモちゃんが、居間に顔を出しました。
「トモちゃん、お久しぶり、お邪魔しています。」
「こんな時間にどうしたんですか?」
トモちゃんも、お豊ちゃんと同じ疑問を持ったようです。
「会社を退職したんだよ。定年退職!」
「へぇ、ホテルにも定年があるの?」
「そうやよ。トモちゃんにかかったら、死ぬまで働かされそうだね。」
樺山さんが、笑いながら言いました。
「わぁ! 大きなケーキ!」
トモちゃんが嬉しそうに大きな箱を持ち上げました。
「これ、トモちゃん!」
はしたないと思った、まあばあちゃんが、注意しましたが、トモちゃんは嬉しくて聞こえないようでした。
「え? なんでケーキって分かるの?」
樺山さんが不思議そうに聞きました。
「だって、美味しいケーキがあるときは、いつも樺山さんが来てた時だもん!」
樺山さんは、なるほど、と言うように頷きました。
「こんなに、喜んでくれるなんて、これからは、暇だし、毎日でも作って来るよ。」
樺山さんが嬉しそうに笑いました。

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樺山さんが来た

夕方、インターフォンが鳴りました。
大きな箱を抱えた樺山さんでした。
「あらぁ、樺山さん! どうしたんですか? こんな時間に……」
樺山さんは、ホテルでコックさんをしています。そのため、時間が不規則で、忙しそうでした。樺山さんが来るのは、いつもお昼すぎだったので、まあばあちゃんとお豊ちゃんはビックリしてしまいました。
「どうぞどうぞ、お入りください。」
まあばあちゃんは、居間に樺山さんを通しました。
ジロちゃんにミミちゃん、もちろんハッピーちゃんも樺山さんに嬉しそうにじゃれ付きました。樺山さんは、いつも美味しいものを届けてくれるので、みんな大喜びです。
「実は、昨日が仕事納めで、今日は、挨拶に行ってきたんです。」
「え?」
「わたしも、もう65になるので、後はゆっくりしたいと思いまして……」
「でも、こんな急に、お仕事先もビックリされたんじゃ……」
「いえ、前から相談していたんです。もう少し働いてほしいと言ってくれましたが……。はやく、ご報告するべきでしたが、どうもタイミングが悪かったみたいで……」
樺山さんは、静かに笑いました。
「あ……」
そうでした。まあばあちゃんとお豊ちゃんは、なんだかんだと理由をつけて、町内を散歩したり、公園のベンチに座ったりしていました。心では、お春ちゃんと偶然会わないかなと思いながら……、きっと、その頃に、樺山さんが訪ねて下さっていたのでしょう。

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やっぱり……

外は、いいお天気で、少し暑いくらいです。
しばらく歩くと、お豊ちゃんの足が止まりました。
「どうしたの?」
「やっぱり行くの止めよう。」
「どうして? お豊ちゃんが言い出したのよ。」
「そうやけど、やっぱりやめよう。なんか気になって気になって、おられへんかってんけど、まだ、たったの十日やんか……。まだ、お春ちゃんのご機嫌をとってるかもしれへん。そうやったら、また、話しがこじれるし……。やっぱりお春ちゃんは、我慢できへんところにずっとおれる性分違うと思うの。」
お豊ちゃんに言われて、確かにそうだと思いました。
「そうね。また、日を改めて、訪ねましょう。」
「ごめんね。ああ言ったりこう言ったりして……」
「ううん。わたしがクヨクヨ悩んでるから、お豊ちゃんも焦ったのよ。」
心配ではありますが、やっぱり早すぎると思った二人は、今日は帰ることにしました。

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お春ちゃんが気になる

あれから、さらに三日たちました。
お豊ちゃんが、
「まあちゃん、ごめんね。お春ちゃんのこと気になるからやっぱり様子を見てくるわ。」
まあばあちゃんが、黙っていると、
「あの、お春ちゃんの事やから、すぐに辛抱堪らんと、飛んで出てくると思っててんけど、これは、かえっておかしいと思うんよ。」
「…………」
「行って来るね。」
お豊ちゃんが、そう言って立ち上がりました。
「私も行くわ。」
まあばあちゃんも立ち上がりました。
「お豊ちゃんに偉そうなこと言って、わたしも気になって仕方がなかったのよ。」
「そうだと思ってたんよ。行こう。」
「ええ。」

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ふんばりどころ

「まあちゃん、明日、お春ちゃんの様子を見に行こうか?」
「え?」
「行こう……、心配で仕方ないんでしょ?」
「…………」
確かに、お春ちゃんの事は気がかりですが、まあばあちゃんは、黙ってしまいました。
「ね、行こう。」
「いいえ、ダメよ。お春ちゃんは、望んで行ったのだから、訪ねていく必要はないわ。」
「それは、そうやけど……、気にならへん?  昭雄さんとあの薄気味悪い女の人と、そんであの母親がいるところに行ったんやよ? やっぱり……」
お豊ちゃんは、口ごもりました。
「ならないと言えばウソになるけど、あんな事を言ったお春ちゃんと何を話すっていうの?」
「ほんまやね……何を言うたらエエか分からんね、話題がないね。今日はいい天気やって言うのもおかしい感じやもんねぇ……」
「お春ちゃんのことを話すのはこれで終わりましょ。」
と、まあばあちゃんは話を切り上げました。
まあばあちゃんは、ここが踏ん張りどころだと思っていたのです。
荒療治ですが、お春ちゃんは、邦ちゃんがどれだけ辛い思いをしてきたか知るべきだと思いました。
でも、本当は、まあばあちゃんも、凄く心配していました。あんな恐ろしい人たちの所に行って、ご飯をちゃん食べているのか、おふろは入れてもらってるのか……考えだしたらキリがありません。
まあばあちゃんは、深いため息をつきました。

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お春ちゃんが心配

あれから、一週間が経ちました。
「お春ちゃんから、連絡無いわね。」
まあばあちゃんがお豊ちゃんに言いました。
「うん。怒ってるんちゃう。」
「そうね。もう会わないって言ったものね。」
「まあちゃん、あんなこと言って、ずっと気にしてるんやね。」
と言って、お豊ちゃんは、お茶を飲みました。
「あの時は、もう、お春ちゃんが情けなくて、顔も見たくなかったのよ。」
「私もよ。まあちゃん、そんなに心配しなくても、お春ちゃんは、シッカリしてるから、気に入らんかったら、ケロッとした顔で訪ねてくると思うわ。」
「そうかしら……」
まあばあちゃんは心配そうに言いました。
「わたしは、邦ちゃんが大丈夫か、気が気やなかったけど、意外と元気そうでホッとしたわぁ。」
「ほんとうに……」
まあばあちゃんが返事すると、お豊ちゃんは、
「口ではお春ちゃんを忘れるといっても、母親の事をそう簡単に切り捨てられるものじゃないし。寝込むんじゃないかと心配したわ。」
そう言ってお豊ちゃんは、邦ちゃんが作ってくれたレモンケーキを頬張りました。
「美味しいわね。甘さ控えめで。まあちゃんが、このケーキ教えてあげたんよね。」
「そうよ。それに、邦ちゃんは、どんどん上達して……」
「邦ちゃんは、まあちゃん、二代目ね。本当においしいわ。」
お豊ちゃんは、もう一口頬張りました。
まあばあちゃんは、その様子を見て、微笑みましたが、すぐに暗い顔になりました。
「お春ちゃん大丈夫かしら……」
まあばあちゃんは、また、ため息をつきました。

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邦ちゃんの決意

邦ちゃんは、ミィちゃんをしばらく撫でていましたが、ミィちゃんが、スヤスヤ寝ているので、クッションに寝かせました。邦ちゃんの手首から血がじんわり滲んでいました。きっと興奮したせいでしょう。
「邦ちゃん、大丈夫?」
まあばあちゃんが、そっと手を添えて言いました。
「はい。」
「包帯を換えましょう。」
「はい。」
「包帯どこ?」
お豊ちゃんが言うと、
「あそこに…………」
邦ちゃんが、視線を向けたほうを見ると、放り出された救急箱がありました。オッチャンが慌てて、応急処置をしたのだというのが分かります。
まあばあちゃんは、包帯を巻きなおしながら、
「差し出がましい事を言うようだけど……。」
「はい。」
「……お春ちゃんが、もし帰ってきても、家に入れては駄目よ。あれだけの事を言ったのだし、もし入れたら、お春ちゃんは、昭雄さんと、あの女の人を入れてしまうわ。そうなったら、また、悪夢の繰り返しよ。」
「はい。分かっています。そうします。」
落ち着いた口調で言う邦ちゃんに、まあばあちゃんは慰めるように言いました。
「そうはいっても、母親の事だから、なかなか割り切れないでしょうけど……」
「いいえ。これからは、母の事は忘れて、主人とひろ子の事だけ考えて生きていきたいと思います。」
邦ちゃんは、きっぱりと言いました。
クッションで寝かせていたミィちゃんが、また邦ちゃんの膝の上に来て眠りました。

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お春ちゃんとのお付き合い

「まあ、ミィちゃん! いらっしゃい。」
と、邦ちゃんが呼ぶと、ミィちゃんはタッと邦ちゃんの胸の中に納まりました。
「良かった。ウチにいたのね。」
邦ちゃんが、頭を撫でると、そのまま寝てしまいました。
まあばあちゃんは、その様子を見ながら、
「お豊ちゃん、私、お春ちゃんとお付き合いするの本当にやめようと思うの。」
お豊ちゃんは、小さく何度も頷きました。
「そうやね……。でも、まさか、昭雄さんと行くとは思えへんかったわ。お春ちゃんは、いったい今まで何を見てたんやろ?」
「行ってしまった事が、今も信じられないわ……。」
まあばあちゃんはため息をつきながら言いました。
「うん。」
「自分の娘をあんなひどい目に合わせた昭雄さんと、笑って話が出来るそんなお春ちゃんとは、お付き合いできないわ。もう、お春ちゃんとお話したり、散歩しても、心から笑う事は出来ないと思うの。」
「私も、そう思う。……でも、お春ちゃんの事やから、自分の言うた事すっかり忘れて、ケロリと帰って来そうな気がするわ。」
「そうね。それもお春ちゃんらしいけど、それでも、もう、お付き合いすることは無いわ。邦ちゃんのご主人に対する態度も、とても信じられない。」
お豊ちゃんは、また、小さく何度も頷きました。

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お春ちゃんになりたい

「心配やわ。ミィちゃんだけでも、取り戻しに行こうかな。」
お豊ちゃんは、そう言いましたが、
「連れて行ったんなら、絶対に離さないと思うわ。」
「そうやんね。お春ちゃん、頑固やから……、ちゃんとしてくれるとええけど……」
お豊ちゃんが心配そうに言いました。
「それにしても、お春ちゃん、なんであんなになってしもたんやろ。昭雄さんの事、ちゃんと分かってたと思ったのに、また、褒めだして……。なんか拾い食いでもしたんやろか……」
まあばあちゃんは、小さく頷きました。
「お春ちゃんかて、あんなとこに行ったら、私より酷い目にあうんちゃう? お春ちゃん、ボケて、今までのこと忘れたんやろか……」
「…………」
「こんなに大事にされて、何が不満なんやろ……。この家のリフォームは、みーんなお春ちゃんのためやんか。ここの壁ぶち抜いたのも、台所の邦ちゃんの姿が見えたら、お春ちゃんが寂しくないからやろ? 縁側かてそうやんか、お春ちゃんが昼寝する時も庭の花が見られるようにって、うまい事したぁるやんか。こんなに大事にされて、なんの不足があるの? 私がお春ちゃんになりたいわ!」
まあばあちゃんの口からは、ため息しか出ませんでした。
「あら……」
まあばあちゃんが、驚いたように見上げました。
ミィちゃんが上の棚から、トンと飛び降りてきました。

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ミィちゃんがいない

「あら、ヒメちゃんとチビちゃんは?」
まあばあちゃんがハッと二匹がいないことに気付きました。
「ほんまや。どこや?」
オッチャンが慌てた様子で他の部屋を探しに行きました。
「家の中にはおらん。まさか……」
オッチャンは、そう言うと、急いで外を確認しに行きました。邦ちゃんもすぐに行きました。
二匹は、裏庭の洗濯機の所に繋がれていました。
二匹は雨に濡れてビショビショでした。そして、怯えて小さくなっていました。
お春ちゃんがしたのか、昭雄さんがしたのか、それとも、あの女の人か……
邦ちゃんが、二匹に近寄ると、キューンキューンと甘えて顔をペロペロ舐めました。
「ごめんね。ごめんね。酷い目に合わせて。」
邦ちゃんは二匹をギュッと抱きしめて言いました。
「お風呂に入りましょうね。こんなに冷たくなって……」
邦ちゃんが優しく二匹に言うと、オッチャンが、
「邦ちゃん、ワシが入れるわ。ゆっくりしとき。」
と言って、二匹を受け取ると、おふろ場の方へ行きました。
「ねぇ、お春ちゃんはミィちゃんを抱いてたかしら?」
まあばあちゃんがお豊ちゃんに聞きました。
「ええっと……、どうだったかしら……、気が動転してて、ええっと……」
お豊ちゃんも覚えていないらしく、困っています。
「お春ちゃんはミィちゃんをいつも抱いてたから、一緒に連れて行ったのかも……ああ、思い出せないわ~。どうやったかしら~」
お豊ちゃんは頭を抱えています。
「ミィちゃん、ミィちゃーん」
まあばあちゃんは、ミィちゃんの名前を呼んでみました。ミィちゃんは、呼ぶと来てくれる子なのです。
「来ないわね。一緒に行ったのかもしれないわ。」
「まあちゃん、大丈夫やろか。あんなところに連れて行かれて……」
お豊ちゃんは、心配そうに言いました。

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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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