仁徳天皇陵から大仙公園へ





仁徳天皇陵に御参りした後、まあばあちゃん達は、大仙公園に入って行きました。この辺り一帯に広がる数々の古墳の名を総じて、『百舌鳥、古市古墳群』と呼ばれます。大仙公園は仁徳天皇陵古墳と履中陵古墳の間に広がる堺でも指折りの美しい公園です。中でも、手入れの行き届いた日本庭園は、訪れた人を心温かく楽しませてくれる憩いの場所です。
「おばあちゃん、紅葉がきれいね。」
トモちゃんが、嬉しそうに指差します。美しいモミジの赤は目が痛くなるくらい綺麗です。エリちゃんがその葉を拾って、まあばあちゃんとトモちゃんに渡しました。
「ねっ、トモちゃん。庭園内の休憩所でもお抹茶を頂けるんだけど、大仙公園の中には、茶室があって『伸庵』という茶室ではお抹茶を頂けるんだって。」
「へぇ! 素敵! おばあちゃん、行こうよ!」
「お茶室なんて、おばあちゃん、足が悪いから迷惑じゃないかしら」
とまあばあちゃんが心配しました。
「大丈夫です。立礼式と言って椅子に座って頂けるんです。」
「行こうよ! おばあちゃん」
トモちゃんは『伸庵』の方向に車椅子の向きを変えると元気よく歩き出しました。
『伸庵』では、10時~16時の間、抹茶一服干菓子付き三百円で、抹茶を楽しむことが出来ます。まあばあちゃんはお抹茶を頂いた後、うつらうつらといねむりを始めました。
「ごめんね、エリちゃん。おばあちゃん、疲れたみたい。」
「ほんと、でも、おばあちゃん。幸せそうな顔して寝てる。」
エリちゃんが、嬉しそうに笑って言いました。
「じゃあ、帰ろうか。」
トモちゃんとエリちゃんのふたりはまあばあちゃんに寄り添いながら帰り道の方向に車椅子を向けました。
「エリちゃん、迷惑かも知れないけど、これ持って帰ってほしいの。ごめんね。」
「わあ、いいの?。私、おばあちゃんのお料理大好きよ。」
そう言って、エリちゃんは、まあばあちゃんが朝早くから起きて作ったお弁当を快く受け取ってくれました。
「有難う、おばあちゃん。おいしく頂きますね。」
エリちゃんは、まあばあちゃんの寝顔に、そっとお礼をいいました。
そして、仁徳天皇陵を後にした三人は、お家へと帰って行きました。
まあばあちゃん、今日はちょっと疲れたけれど、幸せな日で良かったね。

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堺市立高校仁徳守り隊は、爽やか隊



「さあ、おばあちゃん、車椅子に乗ろう。」
「そうね、そうね。有り難う。」
まあばあちゃんは、車椅子をしがみつくように持ちながら、御礼を言いました。
「おばあちゃん。ほら見て、ここまで自分の足だけであるいてきたのよ。」
まあばあちゃんは、入口の所から、ここまで歩いてきた距離を振り返って驚きました。
まあばあちゃんは、車椅子に乗らずに、広い参拝所の中をここまで歩いて来たのです。トモちゃんとエリちゃんに助けられながら、
「車イスに乗ってだなんて、もったいない」
まあばあちゃんが力強く言うので、トモちゃんとエリちゃんは心配だけど、まあばあちゃんに寄り添うように付いてきました。二人は、まあばあちゃんと一緒に手を合わせてお祈りしていましたが、お祈りが済むとトモちゃんはエリちゃんにまあばあちゃんを預けて参拝所の入口の所に置いてきた車椅子を取りに行きました。
まあばあちゃんたちが楽しそうに話していると、優しそうな男の人が近づいてきて、
「私は、仁徳天皇陵の案内のボランティアをしている者です。説明しましょうか?」
と、言葉をかけてくださいました。まあばあちゃんたちの返事を待たずその人は仁徳天皇陵の案内を始めました。
仁徳天皇陵を尊ばれていることが言葉の端々に感じます。まあばあちゃんも仁徳天皇様が大好きだから、ニコニコしながらその人の話を聞いています。そうするうちに、青いユニホームを着た高校生くらいの子が集合を始めているのが見えました。
「あの学生さんたちは?」
まあばあちゃんが尋ねると、
仁徳天皇陵をお掃除している堺市立高校の学生さんという事でした。仁徳天皇陵をお掃除する『仁徳守り隊』の堺市立高校の学生さんのことを誇りに思っているということです。
「良い姿でしょう! まだまだ、日本も捨てたもんじゃないと、私は思いますよ。」
と、その人は、堺市立高校の学生さん達を惚れ惚れするような目で見ながら言いました。
「ほんとうですね。」
まあばあちゃんも、しっかり頷きました。
(仁徳天皇陵は、このようにして、若い人たちの力で守られているのね! 『仁徳守り隊』の堺市立高校の学生さんは、爽やか隊ね。)
まあばあちゃんも、その人と一緒に、誇らしげに学生さんたちを見つめていました。
(これからもずっと、仁徳天皇様は若い人たちに大切にされながら、堺の町を守って下さるのね。)
まあばあちゃんは、本当に有難い事だと感謝して、また仁徳天皇陵に手を合わせていました。

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仁徳天皇陵に御参りしたまあばあちゃん


爽やかな秋晴れの日曜日。
まあばあちゃんは仁徳天皇陵の参拝所に向かいました。
阪和線の百舌鳥八幡駅を降りて、しばらく歩くと街路樹が見えてきました。
トモちゃんは手前の所に車いすを止めると、まあばあちゃんに手を添えてゆっくり参拝所まで歩きます。エリちゃんも優しく手を握ってくれます。

前方後円墳の前方部分の中央にある、正面の入り口から見える鳥居までに砂利敷きの一画がきれいに清められていて厳かな感じがします。

まあばあちゃんは手水鉢で身を清めてから
いつまでも手を合わせてお祈りしていました。
小さな目をしょぼしょぼさせて、何度も何度も頭を下げて、お祈りしていました。
小さくなった体、少しまるまった背中に、トモちゃんは一生懸命生きてきた、まあばあちゃんの年月と命の尊さを感じました。
貧しい家に生まれて、苦労ばかりしてきたまあばあちゃん。ほんの少しの人の温かさを支えにして、生きてきたまあばあちゃん。
「お父さんがね、一度だけお母さんのいない時、芹ご飯を炊いてくれたことがあったのよ。おばあちゃん、嬉しくて嬉しくて、あのおいしい味は今でも忘れないわ。」
トモちゃんが、まあばあちゃんの小さな頃の事を何度聞いても、この話を繰り返して聞かせてくれるだけでした。
「ねえ、おばあちゃん。おばあちゃんのお母さんは、どんな人やったの。」
と、トモちゃんが尋ねたことがありました。
「そうねえ、子供に興味のない人だったから・・・。」
まあばあちゃんは、寂しく笑って、それ以上何も言いませんでした。
それ以来、トモちゃんは、おばあちゃんのお母さんのことを聞く事をやめました。

それに、芹ご飯を一度もトモちゃんに作ってくれたことがありません。
鶏ご飯、ホタテご飯、料理の大好きなまあばあちゃんは、いろんなご馳走をいっぱい作ってくれます。どれも、とってもおいしいんです。
「今頃、おばあちゃんの生まれた村では、芹がいっぱい出来るのよ。このホタテご飯が出来上がったときに、入れるといい香りがして、ほんとにおいしいのよ。」
お料理するとき、まあばあちゃんは歌います。
「♪♫ ♬お米を洗ったその後は、ホタテの缶詰開けまして~♪貝もお汁も入れまして~♪お醤油、お砂糖、お酒も少々~♪これで、宜しくお願いします!(っと、電気釜に手を合わせて)ご飯ががほかほか炊けたなら~♪芹も少々混ぜまして~♪おいしいご飯の出来上がり! ♪」
まあばあちゃんは、いつも小さなトモちゃんと一緒に歌いながら、ご飯を作っていました。でも、芹の季節が来ても、芹がご飯の中に色を添えていることはありませんでした。
(おばあちゃん。本当は芹ご飯のことも辛い思い出に繋がるのかな。)
トモちゃんは仁徳天皇様に、一生懸命お祈りしているまあばあちゃんのちいさな体をギュッと抱きしめたくなりました。
「ありがとう、トモちゃん。エリちゃん。仁徳天皇様の御陵に連れてきてくれて。本当にありがとう。おばあちゃんは、幸せね。こんなに大事にしてもらって、」
そう言った、まあばあちゃんの顔は今日の爽やかな秋の空に負けない清々しい笑顔でした。
良かったね。トモちゃん。まあばあちゃんがこんなに喜んでくれて。
本当に幸せな日です。

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せっかくの祝日なのに、雨が......



今日は、勤労感謝の日です。でも外は雨。せっかくの祝日なのに、朝から雨が、降っています。まあばあちゃんは、ジロとミミちゃんを相手に、楽しそうにお話をしています。
「今日はね、勤労感謝の日という祝日なのよ。働けることに感謝する日なのよ。」
ジロとミミちゃんは、分かったような分かってないような顔をして、しっぽを振りながら聞いています。
「おばあちゃんの田舎では、『こんなにたくさんのお米が出来て、今年も豊作で本当に有難うございました』と、神様に感謝する日なのよ」
と話しています。トモちゃんも、ちいさい時からずっと聞かされてきた話です。
散歩に行けない日は、一日がとても長く感じられます。
ジロもミミちゃんも縁側から、(雨、やまないかなあ。)という顔で、空を眺めています。雨は止みそうにありません。
トモちゃんも、まあばあちゃんと一緒に、大泉緑地の紅葉を見に行こうと思っていたので、がっかりです。いつの間にか、まあばあちゃんは傍らに置いていた毛糸で何か編み始めました。
「おばあちゃん、何編んでるの?」
「マフラーよ。トモちゃんのマフラーもそろそろ新しいのをと思って。」
「わあ、有難う! おばあちゃん。」
この季節になると、まあばあちゃんはどこからか毛糸を出してきて、時間があるといつも何かを編んでいます。マフラー、靴下、手袋、時にはベストやセータも編んでくれます。
まあばあちゃんは、とっても編み物やお裁縫が得意なんです。
まあばあちゃん、頭の中で、
(さあ、次は、何を編もうかな。)って、いつも楽しく考えているみたいです。
「ミミちゃんのお洋服も編んでみようと思うんだけど、なかなか難しいわ。」
「大丈夫よ。私に何でも編んでくれたじゃない。いつも可愛いねって、みんなに褒められたよ。私、嬉しかったよ。」
まあばあちゃんは、トモちゃんの言葉が嬉しくて、ミミちゃんのお洋服に挑戦してみようかなと思いました。大泉緑地に紅葉を見に行くことは出来なかったけれど、楽しそうに、毛糸を編み出したまあばあちゃんの姿を見て、トモちゃんは、今日も1日良い日になりそうな気がしました。
晩秋の冷たい雨は、まだ止まないけれど……

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まあばあちゃんの予定表




「あっ!」
台所のカレンダーを見て、トモちゃんがニコッとしました。
カレンダーの次の日曜日のところに、曜日の囲みをはみ出すような大きな字で、

『予定、トモちゃん、エリちゃん』

と書いてありました。
「おばあちゃん、大きな字だなぁ」
最近のまあばあちゃんはだんだん目が見えにくくなって、濃くて大きい字を書きます。新聞を読むときも老眼鏡が手放せません。
トモちゃんは、まあばあちゃんが楽しみにしてくれているんだと思うと嬉しくなりました。トモちゃんが小さかった頃、この台所のカレンダーは、びっしり埋められていました。
遠足、運動会、その他もろもろ、トモちゃんのことばかりです。
忘れないようにという、まあばあちゃんの心がこのカレンダーをいつも真っ黒になるほど、字で埋め尽くしていました。
日曜日の文字のすぐ横に 〝お弁当、飲み物″ と、小さく書いてありました。
「おかあちゃん。次の日曜日、どっかへ行くの?」
お茶の間で話し声がします。トモちゃんのお母さんが、まあばあちゃんに次の日曜日のことを聞いているみたいです。
「そうなの、トモちゃんがどこかに連れて行ってくれるのかなと思って、だから、そのときは、ジロとミミちゃんを御願いね。お弁当はみんなの分作っていくからね。」
「私も手伝うわよ。おかあちゃん。」
まあばあちゃんとトモちゃんのお母さんが、そんな会話をしています。
「トモちゃんのことだから、大泉緑地じゃないの。今、紅葉の真っ盛りだから。」
「そうなの! 綺麗でしょうね。大泉緑地の紅葉。」
まあばあちゃんが、嬉しそうな声で、返事をしています。
(そう言えば、大泉緑地の紅葉もすごく綺麗だよね)
トモちゃんは、台所から聞えてくるまあばあちゃんと、お母さんの声を聞きながら、大泉緑地の紅葉のことを思い出しました。
(明日は、勤労感謝の日。まあばあちゃんと一緒に大泉緑地に行こう。ジロとミミちゃんを連れて・・・きっと、綺麗だろうな。)
紅葉の美しいこの季節。
まあばあちゃんは、小さなトモちゃんを連れて、休日ごとに京都や奈良にお弁当を持って行きました。トモちゃんのお父さんとお母さんは、仕事で日曜日休めなかったので、いつも、トモちゃんは、まあばあちゃんに連れられて、京都や奈良のお寺によく行きました。秋は紅葉狩りに、春は花見に、5月は青葉で、夏は保津川や、嵐山の渡月橋のほとりに、涼を求めて…。
保津川と言えば、小さなトモちゃんは保津川下りの船を見つけると、
「こんにちは~。こんにちは~。」
と言って、大きく手を振ります。そうすると、船に乗っている人たちもみんな、トモちゃんに手を振り返して下さいます。トモちゃんは保津川下りの船を嬉しそうに追いかけます。
船の人たちも、追いかけてくるトモちゃんに振り向きながら手を振ってくれます。そんな時、まあばあちゃんはトモちゃんに手を振ってくれる船の人たちに、ペコペコと頭を下げていました。
(ひょっとしたら、あの頃のおばあちゃんのカレンダーの予定表には京都や奈良のお寺の名前が書かれていたかも知れない)
トモちゃんは、自分の小さな頃を思い出して、いつも一緒にいてくれたまあばあちゃんに、感謝していました。

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トモちゃんのマフラー


まあばあちゃんは、今日も散歩が終わった後、落ち葉を集めて道路を綺麗にお掃除していました。
「いつも、精が出ますなあ。ごくろうさんです。」
と、まあばあちゃんは通りがかりの人にに声を掛けられました。これから仕事に行く近所のご主人です。
「おばあちゃん。おはようございます。行ってきます。」
「行ってらっしゃい。気をつけて。」
この前、携帯電話を拾ってあげたお嬢さんです。あの日からいつもまあばあちゃんに優しく声を掛けてくれます。お散歩の時に出会うと今もお嬢さんのドナちゃんとミミちゃんは元気よく吠えあって、まあばあちゃんたちを困らせていますが、
「おばあちゃん。行ってきます。」
あっ、トモちゃんの声です。
「気をつけていくのよ。トモちゃん」
「は~い。」
トモちゃんは、コートも着ずに制服に紺色のマフラーだけをして、自転車の前かごに重そうな学生鞄を乗せて、まあばあちゃんの側に近づいてきました。
「トモちゃん寒くないの、そんな格好で、コートはどうしたの。」
「まだ、そんなに寒くないよ。それより、おばあちゃんこそマフラーもしないで、駄目じゃない。風邪ひいちゃうよ。」
トモちゃんは、カチャンと音を立てて自転車をたてると、自分のマフラーを外して、まあばあちゃんの首にくるっと巻きました。
「マフラーだけで、ぜんぜん違うよ! どう? おばあちゃん。」
「暖かいわ。でも、これはトモちゃんがして行きなさい。朝より夕方の方がもっと寒くなるのよ。」
「私はへっちゃら。おばあちゃんこそ、大事にしてね、」
トモちゃんは、そういうと自転車に乗って、駅の方に走っていきました。
まあばあちゃんは、お掃除の手を止めて、トモちゃんの姿が見えなくなるまで見送っていました。冬の訪れを感じるような冷たい朝の空気の中。まあばあちゃんの心は、トモちゃんが、巻いてくれたマフラーのように、あたたかでした。


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落ち葉の季節に・・・




まあばあちゃんは、いつものようにジロとミミちゃんを連れて散歩に行った後、表の道路をホウキで掃いていました。
この季節、落ち葉が道路の脇にたくさんたまります。銀杏の葉、もみじの葉、桜の葉、そして他にもいろいろ・・・・・

赤や黄色の美しい落ち葉は、まるで空から降ってきた宝物のようです

落ち葉が風に吹かれて、あっちにこっちにとクルクルさまよいながら集まったり散らばったりする様子を見ているのが、大好きなまあばあちゃんですが・・・・・

次の日には、すっかりくすんだ茶色になって淋しい気持ちになってしまいます。
道行く車や自転車に踏まれてペシャンコになっていく姿を見るのも忍びません。
「あら、これは柿の葉だね。」
まあばあちゃんは、すっかり枯葉色に染まった柿の葉を拾って見つめました。色とりどりの綺麗な落ち葉の中に、ひときわ大きな柿の葉っぱが混じっていたのです。
この前頂いた柿の木の葉かも! そう想像するだけで、まあばあちゃんの心の中はにわかに温かくなって来るのでした。

カエデや銀杏も美しいですが、桜の木もその葉を色鮮やかな赤に染めて、とても美しいです。そして春には再び、蕾を花開かせ、満開に咲かせて、年に二度も目を楽しませてくれます。
なにより桜の花は日本人の心の花です。

まあばあちゃんの若い時、
―――戦争中には、兵隊さんに行った若者の生死を桜の花に例えたこともあったそうです。
まあばあちゃんの大切な人も戦死しました。
もうずいぶんと昔の事なのに、最近の事のように思い出されます。
落ち葉の季節が、まあばあちゃんの遠い遠い昔の記憶を呼び起こします。
秋の風が、まあばあちゃんの銀色の髪を小さく揺らして通り過ぎていった時、ふっと我に返って呟きました。
「さあ、早くお掃除をしてしまいましょう。」
まあばあちゃん。昔のつらいこと、悲しいことは胸にしまって生きてるんだもんね。
でも。たまにはいいでしょう。懐かしい昔のこと思い出しても……
晩秋の風は、強がりのまあばあちゃんの心の秘密を揺らして行くいたずら者ですね。

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トモちゃんの秘密


「ねえ、おばあちゃん。次の日曜日予定ある?」
「予定? いいえ、ないけど…、どうして?」
「うん、ちょっとね。」
この頃のまあばあちゃんに予定なんかありません。
でも、トモちゃんにそう聞かれると何か用事を考えて、予定を作らなければならないような気持ちになってきます。
けど予定を聞いてくるなんて珍しい事です。まあばあちゃんは不思議に思いました。
もう少し小さい頃のトモちゃんの考えていることならすぐに分かりました。
「おばあちゃん、ちょっと、測らせてね。」
とか、
「どんな色が、好き。」
とか、嬉しそうな顔をして聞いてくれるので・・・・、この時期だと
(ひょっとしたら、クリスマスプレゼントかしら。)とか、想像して楽しくなってきたものです。
―――でも、次の日曜日の予定をきいてくれるなんて、一体何なんでしょう。まったく、想像が付きません。頭をひねって考えても全然分かりません。
「ねえ、トモちゃん。次の日曜日に何かあるの?」
まあばあちゃんが、トモちゃんに聞いても、
「秘密、秘密。」
と、言うばかりでした。

実は、トモちゃん、本当はエリちゃんと一緒に大好きなまあばあちゃんを連れて、仁徳天皇陵に行く約束していました。今度は、堺の市役所の展望ロビーじゃなくて、仁徳天皇陵の正面の参拝所から御参りに行くコースです。
まあばあちゃん。きっと大喜びだと思うんです。
「それまでは、おばあちゃんに内緒よ。」
と、エリちゃんに言われました。
「そのほうが、おばあちゃんいっぱい喜んでくれはると思うの。ねっ、トモちゃん、約束よ。」
と、念まで押されてしまいました。
「ごめんね。おばあちゃん。エリちゃんと約束したから言えないの。」
トモちゃんが、まあばあちゃんにおぶさるように抱っこして、頬を寄せて言いました。
「まあ、エリちゃんと…」
まあばあちゃんは、嬉しくなりました。トモちゃんと、エリちゃんのふたりがまあばあちゃんのことを考えてくれているというだけで嬉しくて嬉しくてたませんでした。
「だから、それまで秘密なん。楽しみにしててね! おばあちゃん。」
まあばあちゃんは、(うん、うん。)と、頷きながら、滲んでくる涙をそっと手でぬぐっていました。

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まあばあちゃんと柿の木の不思議


世の中には不思議なことがいくつかあります。
その中のひとつに、柿の木の不思議があります。どうして柿の木には、ひとつだけ実を残したままにして置くんでしょうか。
今はそうではありませんが、すっかり柿の葉が落ちてしまったあとに、橙色の柿の実が冷たい冬の風にさらされながらも、落ちずに頑張っている姿を見るのが、まあばあちゃんは大好きです。まあばあちゃんのふるさとの柿の実もひとつだけ残されて頑張っていたんですって。

「どうして、あの柿の実を取らないの、どうして、ひとつだけ残しておくの。」
まあばあちゃんのお母さんに聞いたとき
「あれはね。冬になったら、小鳥さんの食べ物がないでしょう。だから、ひとつだけ小鳥さんのために残しておくのよ。小鳥さんは、柿の木の虫を食べて、木を守ってくれているでしょう。だからよ。」
そう教えてくれました。
小さいまあばあちゃんが一つ残った柿の実を見ていると、隣のおばあさんは、
「柿の実がたくさんなった御礼に最後の1つを豊作の神様に捧げるためよ」
と言ってました。そういえば、あるとき柿の実を1つだけ残しておくと、来年もたくさんの柿の実をつけてくれるというおまじないだと言う人もいました。
まあばあちゃんは、どの言い伝えも大好きです。その1つ1つに夢があって・・・。
晩秋のころ、冷たい風がまあばあちゃんの頬を撫ぜて通り過ぎて行くとき、そっと、目を閉じて幼かったころのふるさとの景色を思い浮かべます。
そのとき、必ず浮かんでくるのは、すっかり葉を落としてしまった柿の木に1つだけ残された柿の実のこと。その後、すぐに冬が来て、雪が柿の実に白い帽子をかぶせていたあの風景。貧しくて、つらい思い出のふるさと。でも、懐かしい人たちのいるふるさと。目を閉じればいつもふるさとの柿ノ木の風景が現れます。まあばあちゃんのいま住んでいるこの町にも柿の木のある家がたくさんあります。まあばあちゃんは、この晩秋の季節になると、時折、柿の木に思いを託してふるさとを思い浮かべています。

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猛犬ドナちゃん



「ただいまぁ。」
いつものように、元気な声とともに、トモちゃんが帰ってきました。
「お帰りなさい。寒かったでしょう。」
「平気、平気。」
トモちゃんは、迎えに出たジロとミミちゃんを撫ぜながら言いました。まあばあちゃんは、トモちゃんの為に温かいお茶を用意しています。
「わあ、おいしそう。」
テーブルの上には、おはぎと、昨日頂いた柿がきれいに剥かれて置いてありました。
「今日ね、お散歩の途中で携帯電話を拾ったのよ。」
まあばあちゃんがトモちゃんの為にお茶を入れながら言いました。
「おばあちゃんが?」
と、トモちゃん。
「そうよ。」
「それで、どうしたの? 携帯電話」
「おばあちゃんが、拾ったのは、携帯電話を落とした女の子のお家の前だったのよ。」
「すぐに分かったんだ。良かったね」
「そうなの。それで、すぐお渡し出来きたんだけど。でもね、インターホンを押そうとしたら、猛犬注意の札が張っていたものだから、びっくりして、」
「大きなワンちゃんだった?」
「トモちゃんもそう思う? ところがね、ミミちゃんと同じ犬種の茶色のわんちゃんだったから、2度ビックリしたわ。おまけにミミちゃんとドナちゃんと吠えあって、おばあちゃん、困ったわぁ。」
そのミミちゃんはおはぎと柿をねだって嬉しそうにピョンピョンしています。
「こらこら! ミミちゃん、おばあちゃんを困らせたらダメじゃないの。」
と言って、トモちゃんがミミちゃんをひょいと抱き上げました。そして、ふわふわと撫ぜられている間に、ミミちゃんは気持ち良くなったのかトモちゃんの膝の上で眠ってしまいました。
「でもね。猛犬注意の張り紙がしてあるお家から、ミミちゃんみたいな可愛い子が、「わんわん。」と、吠えながら出てきたら不思議な気持ちになったわよ。」
「その子が、ドナちゃんというのね。おばあちゃん。」
「そうなの、可愛い名前でしょう。」
「うん。」
「本当におかしかったわ。同じ形の白と茶色の小さなワンちゃんが、真剣な顔をして吠えあってるの。可愛かったわよ。ジロが顔負けしてミミちゃんを見ている姿もおかしくて・・・。」
まあばあちゃんは、その時の様子を嬉しそうに笑ってトモちゃんに言いました。ジロもいつの間にか、まあばあちゃんの膝の上に頭を乗せて、クークー寝息を立てています。
たわいない出来事を楽しそうに話すまあばあちゃんとトモちゃん。
二人の笑い声とともに幸せな時間がゆっくりと流れていきます。

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落ちていた携帯電話



いつものように、まあばあちゃんがジロとミミちゃんを連れて散歩していると、あるお家の前に携帯電話が落ちていました。携帯電話には可愛いシールが貼ってあって、女の子の持ち物だということがひと目で分かりました。
(トモちゃんぐらいのお嬢さんのものかしら)
まあばあちゃんは、おしゃれな携帯電話を持ったままオロオロしていました。
(ここのお家のお嬢さんのものかしら。)
家を出てきた時間を考えると、ちょうど6時半を少し回ったぐらいです。そんな朝早くに、よそのお家のインターホンを押すのは少しためらわれます。
(どうしょう…、それに、携帯電話の持ち主がここのお家のお嬢さんの物でなかったら・・・)
まあばあちゃんには、なかなかインターホンを押す勇気が出てきません。
やっとの思いで、インターホンを押す決心をすると、「猛犬注意」の紙が張られていました。
またまた、勇気を無くしてしまうまあばあちゃんでした。
(でも、こんなことをしていたら、通る人が変に思うわ。)
まあばあちゃんは、思い切ってインターホンを押しました。
「はい、どちらさまですか。」
女の人の声でした。まあばあちゃんは、携帯電話が落ちていたことを告げました。
玄関のドアが開くと同時に、
「わんわん、わんわん。」
勢いよく吠えながら、茶色のプードルが走り出てきました。ミミちゃんも負けじとばかり、
「わんわん! わんわん!」
と、吠えます。まあばあちゃんは、困ってしまいました。でも、一緒に走って出てきた女の子に拾った携帯電話を渡すと、
「有難うございます。見つからなくて困っていたんです。」
そう言って、その女の子はまあばあちゃんに、深々と頭を下げてお礼を言ってくれました。
「ごめんなさい...。お話しできないでしょ! ドナ! 吠えないの!」
女の子は、ドナちゃんを抱っこすると、もう一度
「本当に有難うございました」
と、お礼を言いました。まあばあちゃんも、まだ吠え続けるミミちゃんの頭を撫ぜて、シルバーカーを帰り道の方向に向けました。まあばあちゃんがニコっと笑って頭を下げると、その女の子も嬉しそうに、ニコっと笑って頭を下げました。
そして、二人は「バイバイ」と、手を振り合って別れました。
まあばあちゃん良かったね。携帯電話の持ち主が優しいお嬢さんで。
ほっとした、まあばあちゃんでした。


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いただいた柿の実



「お帰りなさい! わあ! たくさんの柿!!」
家に着くとトモちゃんが出迎えてくれました。
「頂いたのよ。二つ向こう角のご主人に・・・」
「やっぱり! 去年も一昨年も頂いたよ。お母さんにおつかいを頼まれた帰りだったかな。私のときは奥さんだったけど。柿の実はいっぱいなるけど、食べてくれる人がいないので困ってるって言って。私、柿好きだから嬉しい!」
「もったいない話ねぇ。だから、お孫さんにと言って下さったのね。」
トモちゃんは、嬉しそうに柿をシルバーカーから出しています。
去年のあのおいしい柿は、あのお家で頂いた柿だったのね。
「ねっ、トモちゃん。頂いた柿のお礼はしたの?」
まあばあちゃんは、親切にして頂いたら、ちゃんとお礼をしなければいけないと思っています。だから、トモちゃんが頂いた去年の柿のことが気になりました。
「おばあちゃんが、おはぎを作ってくれたよ。去年も一昨年もおばあちゃんのおはぎだよ。」
「そうだったかしら。」
まあばあちゃんは、思い出せないみたいです。
「そうやよ。おばあちゃんのおはぎをいっぱい褒めてもらって。私、すごく嬉しかった。」
「あら。」
まあばあちゃんは、嬉しくてなって、さっそくおはぎを作りたくなってきました。もち米をむして、あんこを作って、蒸したもち米は大きなすり鉢で軽くつぶします。まあばあちゃんの作るおはぎは本当においしいんですよ。
「ねっ、トモちゃん。今年もおはぎをお届けしましょう。」
まあばあちゃんは、張り切って言いました。


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まあばあちゃんと柿の実


今日は日曜日です。どんより曇り空です。
「ジロちゃん、お散歩どうしましょうか。ちょっと、心配ね。散歩する間くらいは大丈夫かしら?」
まあばあちゃんは、心配そうに空を見上げています。
「あら、ミミちゃんは、行きたいのね。はいはい、分かりました。」
まあばあちゃんは、ピョンピョンはねて、(お散歩。お散歩)と、言っているミミちゃんに胴輪を付けました。納得したのか急におとなしくなりました。ミミちゃんはお散歩が大好きです。だから、雨の日お散歩に行けないミミちゃんは、しょんぼりしています。
秋の日の朝のお散歩は、風が冷たくて、太陽の出るのも遅いです。まあばあちゃんも暖かくしてお出かけです。いつもの道を今日もまた…。
「雨が心配ですね。」
とか、
「まだまだ、大丈夫でしょう」
とか、朝のお散歩友達の人たちに挨拶されて、まあばあちゃんも、ちょっと心配な気持ちです。だけど、ジロもミミちゃんも雨のことなんか気にする様子も無く嬉しそうに歩いています。
「おばあちゃん、柿の実、持って帰らんか?」
と、上のほうから声をかけられました。キョロキョロするまあばあちゃんに、その人は、
「上や、上や。」
と、また、声をかけてきました。
「あっ、おはようございます。」
大きな柿の木の間から顔をのぞかせて、男の人が嬉しそうに笑っています。
「あははは、びっくりしたやろ。早よう呼び止めんと、どんどん行ってしまうと思ってな」
男の人に、呼び止められて、まごまごしているまあばあちゃんに、その男の人は、
「今、柿を取ってたんや、ちょっと、持って帰ってもらおうと思って声をかけたんや。」
と、言いながら、柿の木から下りてきました。そして、おいしそうな柿の実を1つ、まあばあちゃんの手の上に乗せました。それは片手では、持ちきれないほどの大きな柿の実でした。
「今年は、柿の豊作や、上、見てみ、いっぱいなっとるやろ。」
そう言われて、まあばあちゃんが、見上げると、それは、それは見事な柿の実が、鈴なりになっていました。橙色のつややかな実が美しく色づいて鮮やかでした。
「お孫さんに持って帰ったって。」
男の人はそう言って、まあばあちゃんのシルバーカーの中に、たくさん柿の実を、入れて下さいました。ジロもミミちゃんも嬉しそうにしっぽを振っています。ミミちゃんたら、立ち上がって、前足をチョイチョイとして(ありがとう)と言っているように見えます。
「可愛いなあ。」
男の人は、ジロとミミちゃんを褒めて下さいました。まあばあちゃんはジロとミミちゃんが大事にされるととても嬉しいのです。
「有難うございます。」
「なんぼでもあるから、無ぅなったら、取りにおいで。見かけたら、わしも声かけるし。」
男の人は、(じゃあ、)と手を上げて、家の中に入って行きました。まあばあちゃんは、何度も頭を下げて、丁寧にお礼を言って、柿の木のお家を後にしました。
まあばあちゃん、良かったね。おいしい柿を頂けて!
まあばあちゃんは、嬉しそうなトモちゃんの顔を思い浮かべて、柿の実のいっぱい入ったシルバーカーを「よいしょ。よいしょ。」と、押して帰りました。

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お利口だったジロとミミちゃん


まあばあちゃんとトモちゃんが玄関の戸を開けると、ジロとミミちゃんが二人に飛びついてきました。
「ただいま! お利口にできた? 」
ジロとミミちゃんは、ちゃ~んとお留守番が出来たようです。
それは、ジロが胸を張って、凛とした姿でまあばあちゃんとトモちゃんを出迎えてくれたことで分かります。
ジロは、足の弱いまあばあちゃんの邪魔にならないように気遣いながら、目いっぱいしっぽを振って、つかず離れずまとわりつきます。
久しぶりのお出かけで疲れたのか、まあばあちゃんは座り込んでしまいました。
トモちゃんは、まあばあちゃんの為に温かいお茶を入れています。
ジロは、まあばあちゃんの膝の上に頭を乗せて甘えています。
ミミちゃんは、トモちゃんの足元で、ころころ元気一杯に走り回っています。いい子にしたから遊んで! という感じです。
そんなミミちゃんを見ていると、寂しかったのかなと心配になるまあばあちゃんとトモちゃんでした。
さあ、温かいお茶が入りました。
「ミミちゃん、御座候を一緒に食べよう。」
トモちゃんの言葉にミミちゃんがピョンピョン飛びつきながら付いてきます。
楽しくお出かけしてきた後のお茶は、本当においしいものです。まあばあちゃんはトモちゃんと一緒に御座候を食べているジロとミミちゃんを嬉しそうに見ていました。
まあばあちゃんにとって、今日は本当に幸せな1日でした。念願の仁徳天皇陵を見せてもらって、懐かしい堺銀座通りに行って、そして、おいしい御座候を買って帰って、今、こうしてトモちゃんの入れてくれたお茶を頂いて……。
それに何より嬉しかったこと。
それは、いつもトモちゃんのお話に聞くお友達のエリちゃんに会えたこと。
本当に良いお嬢さんで、安心しました。
まあばあちゃんは、心の中で、今日1日の出来事にそっと感謝するのでした。
(トモちゃん、ありがとう)って。

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堺銀座街を通って、堺高島屋へ・・・



広々した展望台の景色を見てから下に下りると、まあばあちゃんはゆっくりと車椅子を押しているトモちゃんに言いました。
「ねっ、トモちゃん。おばあちゃんね、御願いがあるんだけど…、エリちゃんにも申し訳ないって思うんだけど…。」
「どうしたの、おばあちゃん。」
と、トモちゃんが、遠慮がちに言うまあばあちゃんに返事をしました。
「おばあちゃんね、銀座街に行ってみたいの。もうずいぶん行ってないから…駄目かしら。」
「ほんとだー。小さい頃に行ったきりだね。エリちゃん、行ってもいい?」
と、トモちゃんがエリちゃんに聞きました。
「銀座街って堺銀座街のこと? 私、行ったことないの。名前は知ってるんだけど、行ってみたい!」
エリちゃんも嬉しそうに答えてくれました。市役所の前の大きな道路を渡ってすぐの所に堺銀座街はありました。
「ここよ、ここよ。トモちゃんここが堺銀座街の通りよ。」
「うん」
まあばあちゃんが、弾んだ声を出して言いました。まあばあちゃんは懐かしいのか車椅子から身を乗り出してキョロキョロしています。トモちゃんとエリちゃんは、そんなまあばあちゃんの嬉しそうな姿に自分たちまで幸せな気持ちになってきました。
「ね、トモちゃん、今度、このパンフレットに載ってる史跡をおばあちゃんと一緒に行ってみない?」
エリちゃんの声も弾んでいます。
「うん、それいいね! 行こう!」
と、トモちゃんも嬉しそうな顔で答えます。
ゆっくり、銀座街の通りを車椅子で行くと、堺東の駅に着きました。
「おばあちゃん、御座候を買って帰ろう。」
御座候というのは、回転焼きのことです。
あんこがたっぷり入った堺高島屋の御座候は持つとずっしりとして、安くて、とっても美味しいんです。すぐにお腹いっぱいになります。
トモちゃんは、エリちゃんにまあばあちゃんを預けて、堺高島屋の中の御座候へ買いに走って行きました。
「はい、エリちゃんも。」
トモちゃんは、10個入りを2つ買ってきて、1つをエリちゃんに渡しました。
「わあ、あったかい! おいしそうね! おばあちゃん、トモちゃん有難うございます。」
三人は、電車に乗って、エリちゃんは、途中の駅で降りました。
「おばあちゃん、トモちゃん有難うございました。また、遊びに行っていいですか。」
「ぜひ、ぜひ、来てくださいね。いつでも、お待ちしていますよ。」
電車を降りて、手を振るエリちゃんに、まあばあちゃんも、トモちゃんも、動き出す電車の中から手を振り返します。
「いいお友達ね。エリちゃんは・・・。トモちゃんは幸せね。」
と、まあばあちゃんは、そっと、トモちゃんの手を握って言いました。
「うん、おばあちゃん、わたしもエリちゃんのこと大好きよ。」
よかったね。まあばあちゃん。エリちゃんに会えて。
そして、トモちゃんに、とってもいいお友達がいることが分かって安心でしょう。

さあ、ジロたちの待ってる我が家へ帰りましょう。

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空飛ぶまあばあちゃん


床に落ちている『堺観光マップのパンフレット』をジッと見ているまあばあちゃんにトモちゃんは、ためらいがちに、
「おばあちゃん、ごめんね。これ、誰かの落し物だと思うの。だから、市役所の人に渡してくるね。」
「あら、そうだったの? ごめんなさい。」
そう言うと、まあばあちゃんは足が不自由なのをウッカリして、パンフレットを拾おうとしました。
トモちゃんが驚いてまあばあちゃんに手を添えました。
「はい、どうぞ。落とされたのですか?」
スーツ姿の若い男の人が足元にあるパンフレットを拾うと、まあばあちゃんに差し出しました。
「いいえ、どなたかの忘れ物だと思います。」
まあばあちゃんは丁寧に答えると、
「あの~、この写真の御陵さんと、窓から見える御陵さんはずいぶん違うように思うんですが……」
と、その若い男の人に聞きてみました。
その人は、IDカードを付けていたので、まあばあちゃんは市役所の人なのではと思ったのです。
この人に聞けば、疑問が解決するような気がしました。そして、思い切って尋ねることにしたのです。
「そうですね。違うようにみえますか。じゃあ、あらためて、このパンフレットをどうぞ。」
その、男の人は人懐っこい笑顔で、まあばあちゃんとトモちゃんとエリちゃんに1枚づつパンフレットを下さいました。そして、つかつかと窓際によって言いました。
「ここから見る景色は、最高に美しいでしょう。仁徳天皇陵を囲むように立ち並ぶ色とりどりの家々の屋根、はるか向こうには、金剛、葛城、二上山、そして、生駒山の山並み。今日は特に晴れていて、いつもの何倍も美しく見えますよ。いい日にこられましたね。」
男の人はそう言って、笑いました。
「このパンフレットの仁徳天皇陵と、目の前に見える仁徳天皇陵が違うように見えるのは天皇陵が。あまりに大きくて、この高い場所からでも、一部分しか見ることが出来ないのですよ」
まあばあちゃんは、パンフレットの仁徳天皇陵と、目の前に見える仁徳天皇陵の景色の違いが不思議でならなかったのです。パンフレットに描かれた仁徳天皇陵は、緑豊かな、見事なる前方後円墳です。古墳を守る三重堀もはっきり見えます。まあばあちゃんの夢に描いていた仁徳天皇陵です。その人のおかげで、まあばあちゃんの不思議の謎が解けました。
「このパンフレットの仁徳天皇陵は飛行機に乗って空の上から撮ったものですね。ちょうど、目の前に見える仁徳天皇陵は、このパンフレットのこの辺りになると思いますね。ほら、ここに、一段と高い建物があるでしょう。これが、この場所になります。この一番高いところに私たちがいるんですよ。」
「そうですか! じゃあ、このパンフレットを見てる時、私は空を飛びながら見ているということなんですね。」
まあばあちゃんは、そう言って明るく笑いました。
「そうです。その通りですよ。」
その男の人も、まあばあちゃんに明るく笑って、
「じゃあ、ごゆっくり。また、お会いしたいですね。」
と、言ってエレベーターのほうに爽やかに立ち去っていきました。
「おばあちゃん、空を飛んで御陵さんを眺めるって、かっこいい発想ね。」
トモちゃんは、そう言って手すりにつかまって広い展望台の外の景色を見ている、まあばあちゃんの背中に手を添えて、車椅子へと手をひきました。
「さっきの人、市役所の人かな? いろいろ教えてもらえて良かったね!」
「本当ね」
まあばあちゃんは嬉しそうに笑うと、パンフレットの御陵さんをまたジッと見ました。
「さあ、お家に帰ろうか? ジロたちが、待ってるよ。」
トモちゃんが、ゆっくり車イスを押しました。

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まあばあちゃん、仁徳天皇陵にびっくりする



まあばあちゃんは、眼下に見える仁徳天皇陵の巨大な墳墓に驚いたようで、そのまま口を閉じてしまいました。
「おばあちゃん、どうしたの。」
何も言わずに、黙ったままのまあばあちゃんにトモちゃんが、声をかけました。
「立派な、お墓だと思って・・・。」
仁徳天皇陵の大きさは、まあばあちゃんの想像をはるかに超えていたのでした。
「大きいね、大きくて、緑が美しくて、本当に立派ね。」
と、まあばあちゃん。
「そりゃ、世界一だもん。仁徳天皇陵は、世界に誇れる古代遺跡だよ。おばあちゃん。」
と、トモちゃん。エリちゃんも優しく微笑んでいます。
「本当ね、トモちゃん。それに仁徳天皇様の心の優しさも世界一ね。」
まあばあちゃんは、思いました。
(今も私たちの暮らしが幸せであるように、祈って下さっているのかも知れない。だって、今は本当に良い世の中だもの。)
まあばあちゃんの生まれたころと比べれば、本当に良い世の中になったと思います。まあばあちゃんが幼い頃、村には水道も電気も無かったと聞きます。洗濯機もテレビも無い時代に生まれたまあばあちゃん。そのときの事を思えば今のこの時代は、まあばあちゃんにとって、夢のようなのでしょうね。
「? おばあちゃん。どこ見てるの?」
どうもまあばあちゃんの見ているところが妙なのです。会話と視線の先が違うというか……
視線の先を追うと、
仁徳天皇陵を表紙にした堺の観光マップが床に落ちていたんです。
まあばあちゃんはそれを見て、仁徳天皇陵のことを立派だと思ったのです。
展望ロビーから見る仁徳天皇陵は、堺の町にとけこんだ、緑豊かな森にしか見えません。トモちゃんは、指さしてまあばあちゃんに言いました。
「おばあちゃん、ほら、あそこにこんもりした緑の美しい森が見えるでしょう。あれが御陵さんよ」
と、トモちゃんが言いました。
「えぇ、あら!」
と、まあばあちゃん。
「あの森のように見えるのが、仁徳天皇陵なのよ。」
まあばあちゃんは、トモちゃんの、指差す方向に目をやって、そっと手を合わせて祈りました。
「有難う。トモちゃん。御陵さんをこの目で見せてもらって…、おばあちゃんは、ほんとに幸せね。」
まあばあちゃんは、涙を潤ませた目をしょぼしょぼさせて、嬉しそうな顔で、トモちゃんにお礼をいいました。
「ね、おばあちゃん。今度は、御陵さんの周りをくるりっとまわって見よう。楽しいよ。どれだけ大きいか1周すれば分かるから」
「私も一緒に行っていい?」
「もちろんだよ! エリちゃんも、一緒に行こうね。」
トモちゃんの言葉に、エリちゃんも嬉しそうに頷きます。
まあばあちゃん、よかったね。堺市役所21階展望ロビーに来ることが出来て・・・。そして、念願の仁徳天皇陵をじかに見ることが出来て・・・・。

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まあばあちゃん、堺市役所21階展望ロビーに行く。


「ジロ、ミミちゃん。頼んだわよ。」
トモちゃんの声に、ジロは凛と胸を張って、しっぽを力強く振りました。
トモちゃんがジロとミミちゃんの頭を優しくなでました。
「ジロ、行って来ます、ミミちゃんをよろしくね。」
まあばあちゃんが、二匹に声をかけると、(行ってらっしゃい)というようにぴょんぴょんしました。
(ふたりとも、ちゃんとお留守番できるかな)ちょっと、心配なまあばあちゃんでした。
さあ、トモちゃんとエリちゃんの二人は、まあばあちゃんを車椅子に乗せてゆっくりと、駅に向かいます。お留守番をしている二匹のことが気になりますが、楽しそうにおしゃべりしているトモちゃんとエリちゃんの話が耳に入ってきて、とても心地いいです。
先生のこと
友達のこと
勉強のこと
話題が尽きないようです。
「おばあちゃん、駅に着いたよ。」
ふたりの話を聞いて、いつの間にかコックリコックリしていた、まあばあちゃんは、トモちゃんの声に起こされました。
車椅子のまま、電車に乗ることが出来てまあばあちゃんは、びっくりしていました。
「トモちゃん、降りなくてもいいの。」
まあばあちゃんは、遠慮して、トモちゃんに尋ねました。
「大丈夫よ、おばあちゃん。この時間は空いているから。」
まあばあちゃんが、電車に乗るのは久しぶりです。珍しいのか、ずっと窓の外の景色に見入っているまあばあちゃんです。いくつかの駅を通り過ぎて、電車は堺東駅に着きました。
「おばあちゃん、堺東の駅に着いたよ。」
「あら、御陵さんに行くんでしょ。三国ヶ丘の駅じゃなかった? トモちゃん。」
「まあまあ、私にまかせて! おばあちゃん。」
トモちゃんは、車椅子を押してゆっくりと歩いていきます。堺東駅は設備が整っていて、まあばあちゃんのように足が不自由で車椅子に乗っている人にとって、とても優しい駅です。駅を出て、トモちゃんはゆっくりと車椅子を押していきます。
「ここよ。おばあちゃん。エリちゃん。」
「ここ、どこ?」
エリちゃんが、尋ねました。
まあばあちゃんも、キョトンとしています。
「堺市の市役所よ。」
「市役所?」
エリちゃんとまあばあちゃんは、見上げるほど高い建物を、不思議そうな顔で、見ていました。
「行こう、エリちゃん。おばあちゃん。」
三人は、市役所の中に入っていきました。不安そうな顔のまあばあちゃんを乗せて、エレベータは、最上階に到着しました。まあばあちゃんを乗せた車椅子を押して歩くトモちゃんに、エリちゃんが寄り添うように歩きます。
「まあ、素晴らしい。見てみて、おばあちゃん。」
トモちゃんと、エリちゃんが興奮した声で、まあばあちゃんに言いました。
「どうしたの? 何が見えるの。」
まあばあちゃんもふたりの声につられて慌てています。トモちゃんが、まあばあちゃんを車椅子からゆっくり降ろして言いました。
「おばあちゃん、窓際に行こう。きっと、びっくりするから。」
まあばあちゃんは、トモちゃんとエリちゃんに支えられて、窓際に寄りかかりました。
「まあ!」
まあばあちゃんは、驚きました。

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まあばあちゃん、仁徳天皇陵にいこう


「ねっ、おばあちゃん。今から御陵さんに行こう。」
「えっ!? 今から。」
「うん。」
「だめよ。だめだめ、せっかく、お友達が来てくださってるのに。」
まあばあちゃんは、驚いていいました。
「どうして? おばあちゃん。」
トモちゃんは、(困ったなあ)という顔で、たずねました。
「だってそうでしょう。トモちゃん。エリちゃんに、もっとゆっくりして頂きたいし、それに、御陵さんはとっても遠いところにあるのよ。すぐに行けるところじゃないのよ。」
まあばあちゃんの心の中の仁徳天皇陵は、とてつもなく遠いところにあるみたいです。
「それに、ジロもミミちゃんも、御陵さんに行けないと思うの。」
まあばあちゃんは、ジロとミミちゃんを連れて行けないと思って、それも心配しているのです。
「大丈夫よ、おばあちゃん。今日、おばあちゃんと一緒に、御陵さんに行きたいと思って、この前からジロにお留守番を御願いって頼んでいたの、だから大丈夫。」
まあばあちゃんは、じっと考え込んでいます。なかなか。決心が付かないのでしょう。
「ねっ、おばあちゃん。一緒に行きましょう。」
と、エリちゃんも、迷っているまあばあちゃんに、遠慮がちに言いました。
「そうよ、おばあちゃん、私が今日、おばあちゃんと御陵さんに行くのよって、エリちゃんに言ったら、エリちゃんも一緒に行きたいって事になったのよ、ね。エリちゃん。」
トモちゃんは、まあばあちゃんを仁徳天皇陵に連れて行きたいと思って必死です。まあばあちゃんの心も、少し、和らいできました。
「ごめんね、トモちゃん、エリちゃん。どうか、宜しく御願いします。ジロ、お留守番御願いね。ミミちゃんも、ジロの言うことをよくきいてお利口さんで待っててね。」
まあばあちゃんとトモちゃん、そしてエリちゃんの三人は、ジロとミミちゃんにお留守番を頼んで、仁徳天皇陵に行くことになりました。

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まあばあちゃん、エリちゃんが来たよ。


「ただいま、おばあちゃん。ジロ。ミミちゃん」
そして、いつものように、ガチャンと自転車の止まる音がしました。トモちゃんが帰って来たみたいです。でも、様子が変です。トモちゃんが誰かと話しているみたいです。
まあばあちゃんが玄関まで出て行くと、トモちゃんと同じ制服を来た可愛い女の子が、にっこり笑って挨拶をしてくれました。
「始めまして、おばあちゃん。私、トモちゃんの友達の・・・・、」
「エリちゃんよ。おばあちゃん。いつも、おばあちゃんが会いたいって言ってた。」
と、トモちゃんが、エリちゃんを紹介しました。
「これは、これは! ようこそいらっしゃいました。どうぞ、上にあがって、気楽にしてくださいね。」
「ありがとうございます」
エリちゃんは、上り口に膝をついてきちんと靴を揃えました。
まあばあちゃんはその上品な仕草に感心しました。
「エリちゃん、ここで、手を洗って」
トモちゃんに案内されて洗面所に行くと、何がおかしいのか、エリちゃんとトモちゃんのふたりは、キャッキャッ言いながら楽しそうに手を洗っています。
まあばあちゃんは、ふたりの楽しそうな話を聞きながら、卵焼きを作り始めました。
温かいおにぎりも、一緒に、・・・・
「エリちゃん、ご飯食べよ。」
トモちゃんが、エリちゃんをテーブルに誘います。
「せっかく来て下さったのに、何もなくて、・・・・」
と、まあばあちゃんは、おろおろしながら、言いました。
「まあ、おいしそうな、卵焼き。」
エリちゃんが幸せそうな声で、言いました。
「でしょう。私のおばあちゃんの卵焼きは、日本一よ。」
と、トモちゃんが嬉しそうに答えました。」
「とってもおいしいです。」
エリちゃんは、ほっぺを膨らませておいしそうに食べてます。ジロとミミちゃんも卵焼きを口に入れてもらってとっても、嬉しそうです。
「あっ、忘れてた。エリちゃんのお母さんにお土産いただいたの。おばあちゃんにって」
と、言ってトモちゃんは、慌てて自転車に取りに行きました。
それは、まあばあちゃんの大好きな小島屋のけし饅頭でした。
「有難うございます。お母様にどうぞ、宜しくお伝えくださいね。」
まあばあちゃんはエリちゃんに丁寧にお礼を言って、仏壇にお供えしました。まあばあちゃんは、安心しました。エリちゃんがとっても、良いお嬢さんで・・・。
(トモちゃんといつまでも、仲良くして下さいね。)
まあばあちゃんが、そっと心で祈っていると、ふたりの楽しそうな笑い声がまた聞えてきました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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