まあばあちゃんの心とトモちゃんの心




「ただいま、おばあちゃん。ジロ。ミミちゃん」
ガチャンと自転車の止まる音がしました。トモちゃんが帰って来たみたいです。
「あら、こんなに早く、どうしたのかしら」
まあばあちゃんは、何かよくないことでもあったのかと心配して、急いで玄関に走っていきました。
「どうしたの、トモちゃん。こんなに早く・・・。学校で何かあったの。」
「え? ううん。おばあちゃんたら、昨日言ったじゃない。今日から、中間試験だって。」
トモちゃんは、ジロとミミちゃんの頭を撫ぜながら返事をしました。
「中間試験?」
「そうよ。だから、早く帰って来たんじゃない。」
「ごめんね、トモちゃん。おばあちゃん、試験のことすっかり忘れてたわ。」
まあばあちゃんは、そう言いながらも、トモちゃんが早く帰ってきたことが嬉しくてたまらない様子でした。
「お腹すいたでしょう。何がいい。トモちゃん。」
「お好み焼きか、焼き飯。」
「じゃあ、お好み焼きにして、ふたりで食べましょう。早く服を着替えてらっしゃい。」
まあばあちゃんは、早速キャベツを切り始めました。
トモちゃんがすぐに手伝いにきました。
「じゃあ、私、メリケン粉をこねるね。」
トモちゃんは器用に、まあばあちゃんの切ったキャベツとメリケン粉を混ぜ合わせて、フライパンの上で焼き始めました。
「ほら、昨日、おばあちゃんと仁徳天皇陵のこととか話してたから、私も中間試験のコトちゃんと言ってなかったかも分かんない、ごめんね、おばあちゃん。」
「ごめんね、おばあちゃんも、御陵さんの話に夢中になって、トモちゃんの話聞いてなかったんだわ。」
「今日と、明日とあさってまで、中間試験がありマス。故に、明日もこの時間に帰ってきマス。」
と、トモちゃんがおどけて、まあばあちゃんに報告しました。まあばあちゃんも、「かしこまりました」と、嬉しそうにニコニコして、返事をしました。
そして、まあばあちゃんは、心の中で(明日、トモちゃんが帰ってくるまでに、おいしいご飯を作りましょう。)そう思って、ウキウキした心になっていました。
そして、トモちゃんは、中間試験の最後の日に、まあばあちゃんが行きたいって楽しみにしている仁徳天皇陵に絶対に、連れて行こうと決めました。
(おばあちゃん、きっと、驚くだろうな。とっても喜んでくれるだろうな)
トモちゃんの心の中もワクワク嬉しい予感です。



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堺の町って、どんなとこ


「ねえ、ねえ、おばあちゃん。堺の町って他の町と比べてちょっと変わった感じがしない。」
と、トモちゃん。
「そうねえ、トモちゃんから見たら、どんなとこ」
と、まあばあちゃんが聞きました。
「そんなに、あっちこっち行ったわけじゃないから、感覚だけなんだけど、京都や奈良とは違う。なんていうか…。そうだ! 一歩先行く町、そんな感じがするの、京都や奈良も天皇様がお住まいの都だったでしょう。堺だって世界一を誇る仁徳天皇陵があるでしょう。歴史の古さだったら、どこにも、負けないと思うの、仁徳天皇陵だけじゃないわ、大仏の建立に貢献した行基さんは堺の人よ。千利休もでしょう。堺の町から立派な人がいっぱい生まれてはるのね、おばあちゃん。」
「ほんとにね。それに鉄砲でしょう。包丁でしょう。堺にこんな歌があるの知ってるトモちゃん。」
「あっ、それって。」
「そうよ。物のはじまりゃ なんでも堺 三味も小唄も 三味も小唄もみな堺 ホンニソヤソヤ ヨイ堺 ハアソヤソヤ ソヤ堺・・・。」
「堺音頭でしょ。」
「そうよ、昔はこれでも盆踊りでよく踊ったものよ。物のはじまりゃ なんでも堺 三味も小唄も 三味も小唄もみな堺ホンニソヤソヤ ヨイ堺 ハアソヤソヤ ソヤ堺・・・。」
まあばあちゃんが、歌いだしました。もう体に調子も、大分よくなったようです。よかったね。まあばあちゃん


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仁徳天皇陵に、行きたいね

仁徳天皇陵に、行きたいね。
堺の町には、有名な史跡やお寺が、たくさんあります。でも、いっぱい、いっぱいありすぎて、まあばあちゃんの行ったことのない所も、まだまだ、たくさんあります。
「ねえ、おばあちゃん、堺祭りは行けなかったけど、ほかに行きたいところある。」
「そうねえ、御陵さんに行ってみたいなって思うときがあるの。」
「御陵さん? 御陵さんって、仁徳天皇陵のこと?。」
「な~ンだ。おばあちゃん。今度の日曜日、お天気が良かったら、大泉緑地に行くのやめて、御陵さんに行こう。」
ともちゃんとまあばあちゃんは、次の日曜日、仁徳天皇陵に行く約束をしました。
「トモちゃんは、御陵さんに行ったことあるの。」
と、まあばあちゃんが聞きました。
「うん、あるよ。中学校2年の春休みだったかな、友達と自転車で古墳めぐりをしたことがあったの。その時、仁徳天皇陵へ一番に行ったよ。そんなに遠くないんよ。」
「大丈夫かしら。御陵さんに行った時、ちゃんと歩けるかしら。」
この頃、少し足の調子の悪いまあばあちゃん、ちょっと自信がありません。
「お堀の中には入れないけど外周が整備されていて、そこから見るの。大きいよ~。だから車イスでも大丈夫」
「仁徳天皇様は、民家から食事時なのに、煮炊きものをする煙が立ち上らないのを見て、人々が暮らしに困っていると心配して、暮らしが楽になるようにと考えて下さった立派な天皇様なのよ。この堺の近くでお暮らしだったのよ。難波宮だったかしら。」
まあばあちゃんは、頭の中をクルクル巡らせて、いろいろ考えながら話しています。
「おばあちゃん心配しないで、御陵さんに行けば詳しいことが分かるから。ねっ。」
まあばあちゃんはトモちゃんの言葉に、嬉しそうに笑って言いました。
「おばあちゃんは、幸せね。トモちゃんがいるから。」
そうだよ、まあばあちゃん。まあばあちゃんの知らない堺の町をあっちこっち訪ねて行かなくちゃ、ね。



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本日、堺の町は日本晴れ。


10月20日、21日は、一年で最大のイベント、堺祭りが開催されました。
今年は、ミッキーマウスとミニーマウスが、応援に来てくれるということで、いつもの年より賑やかになるでしょう。
祭り事が大好きなまあばあちゃんは、朝から、ドキドキ、ワクワク。
堺祭りを見に行くには、堺東駅を下りるとすぐです。堺祭りの日だったら、駅の階段を降りて、人の流れに乗っていくと、すぐに分かります。分からないときは、道行く人に聞けば、親切に教えて下さると思います。大まかに言って、堺の街の主要駅堺東駅と堺駅を結ぶ道、大小路筋で最大のイベントの、大パレードが行われるんです。このパレードに、今年は、ミッキーマウスとミニーマウスが、登場するということです。嬉しいですね。
南蛮行列あり、鉄砲隊の行列ありで、自由都市といわれた堺特有の歴史を感じることが出来ます。何より、このパレードを日本国中の人に身に来ていただければ、最高に嬉しいです。見物人の中から「ホウーッ」とか「ハアーッ」とか言った、感動の言葉が聞こえてきます。その中でも『布団太鼓』が、『べ~らべ~らべらしょしょい』と現れたときなんか、『ワ~イ』と、どよめきの声が聞こえます。心の中のもやもやがどこかに消えてしまう・・
『布団太鼓』は、そんな力をもっています。
まあばあちゃん、それなのに今年は行かないと言い出しました。足の調子が悪いんです。
『車椅子で行こう』
と言う、トモちゃんでしたが、ちょっと、せきもコンコン出ます。
まあばあちゃんを励ますために、ともちゃんが、
『べ~らべ~らべらしょしょい』と、いうと、まあばあちゃんも、『べ~らべ~らべらしょしょい』と返します。
まあばあちゃん、こんないいお天気に、お布団に寝ていたらもったいないよ。来年は、必ず、堺祭りのパレード見に行こうね。

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はじめての文通



久しぶりに、便箋を出してきたまあばあちゃん。
なかなか、手が動きません。
―――ミミちゃんは、白くてとってもかわいくて―――
(あら、こんな分かってるわね…。えーと…)
ペンを執るまではいろいろ浮かんでいたのに、どういうわけか全然書けません。
(困ったわ、書くことはいっぱいあるのに、どうかけばいいのかしら)
あれこれ、悩んでる間に、夕方になってしまいました。
「あら、大変、夕ご飯の支度をしなくては。」
慌てて、何をしようかと考えていると、
「ただいまぁ~。」
と、言う元気な声とともに、トモちゃんが帰ってきました。
「お帰りなさい! トモちゃん、ミミちゃんのお母さんに、手紙を頂いたの。」
「あら、よかったね。おばあちゃん。」
「トモちゃんから、お手紙頂いたからって、お返事くださったのよ。 トモちゃん、教えてくれないからビックリちゃったわ」
「うーん。言おうと思ったんだけど、いつミミちゃんのお母さんの手元に届くか分からないなあっと思って」
「そうね、入院されてるもんね。」
「うん。あの時はミミちゃんの写真だけポストに入れたでしょ。あれじゃビックリするかなと思って、お手紙も入れに行ったんよ。どこに住んでるか気にされてると思うし」
「トモちゃんのこと、いっぱい褒めて下さって、おばあちゃん、嬉しくて、嬉しくて。」
まあばあちゃんは、そう言って大事に持っていた手紙をトモちゃんに見せました。
トモちゃんは照れ笑いしながら、
「おばあちゃん、お返事書かなくちゃ、きっと、待ってはると思うよ。」
「そう思ったんだけど、何を書いたらいいのか分からなくて…。」
ふと見ると、こたつの上に置いたままになっている便箋は、
「お手紙有難うございます」で、止まっています。
まあばあちゃんの困っていることが一目でわかりました。
「おばあちゃん、一緒にお返事書こう。」
「何を書けばいいかしら。」
「ミミちゃんの事よ。ミミちゃんの事をいっぱい書けばいいのよ。」
「そうだね。」
まあばあちゃんとトモちゃんは、楽しそうに笑いました。
「さあ、いっぱい書こう! ほらミミちゃん、何書いてほしい? わ! ジロったら書けないよ~」
トモちゃんに手を置いて、目いっぱいシッポを振っているミミちゃんに言いました。ジロはトモちゃんの右わきにズボッと顔を入れてきました。

さあ! ミミちゃんのお母さんとまあばあちゃんの文通のはじまりです。
がんばって、まあばあちゃん!

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ミミちゃんの生い立ち


美しい文字で書かれた手紙には、愛情溢れる言葉でミミちゃんのことが綴ってありました。初めて、ミミちゃんが家に来たときのことが懐かしそうに書かれていました。
息子さんからのプレゼントだったそうです。一人で暮らす母を気遣って、真っ白でふわふわの子犬を誕生日にプレゼントしてくれたそうです。それからの暮らしは、ミミちゃんのおかげで毎日が本当に楽しく過ごせたそうです。

―――ミミは、私の宝物でした。けれど、体を病んでしまい、それまでのようにミミと暮らすことが出来なくなったのです。―――

入退院を繰り返すようになってから、まあばあちゃんにミミちゃんを託すまで、ずいぶん苦労があったようです。ミミちゃんはお友達のところ、親戚の犬好きなひとのところ、と様々なところに預かってもらったそうですが、どのお家にも馴染めず、とても困っていたそうです。ご飯を食べなかったり、凶暴になってその家の犬や人に噛み付いたりしたそうです。
「まあ、」
まあばあちゃんには、手紙に書いてあることが信じられませんでした。
「こんなに、おとなしい子なのに。」
いつの間にかまあばあちゃんの膝のうえに、頭を乗せて寝ているミミちゃんを撫ぜながら、つぶやいてしまいました。
まあばあちゃんは、ミミちゃんはミミちゃんなりに、いろいろ思うところがあったんだと思いました。いつもお行儀が良くて、ジロのまねばかりして、早くこの家に馴染もう、家族のみんなに好かれようと一生懸命、努力しているミミちゃんの様子からそう感じたのです。
そういえば、あの日、ミミちゃんのお家に行ったとき、なんだか様子が変でした。違うお家に預けられるのかと心配したのでしょうか……?
まあばあちゃんはスヤスヤ眠っているミミちゃんに、
「ミミちゃん。つらいことや悲しいことがあるときは、ジロやおばあちゃんに、教えてね。
みんな、ミミちゃんが大好きなんだから。」
と頭を撫でながら言いました。かけっこの夢でも見ているのか足がピョコピョコ動いて、寝言までも言っています。
まあばあちゃんは、ミミちゃんのお母さんに、お返事を書こうと思いました。
いつもミミちゃんを気にかけているミミちゃんのお母さんに
まあばあちゃんの言葉でミミちゃんの様子をお手紙にしようと思ったのです。

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ミミちゃんのお母さんからの手紙


それは、ミミちゃんのお母さんからの手紙でした。
あの日、トモちゃんがポストに入れた手紙のほかにトモちゃんが翌日にお手紙をポストに入れてくれていたそうです。
「まあ、トモちゃん、そんな事ひと言も言ってなかったのに…」
トモちゃんが住所を教えてくれたので、早速、お手紙を下さったのでした。

あの後、すぐに入院しなくてはならなくなり、留守にしていたことへのお詫びの言葉が書かれていました。
また、まあばあちゃんが、ミミちゃんのお母さんのために朝早くから起きて、おいしいおはぎを作って持って行った事。
ミミちゃんが、すっかり、まあばあちゃんに懐いている事。
ミミちゃんをとても大切にしている事。

―――“良くなったら、おばあちゃんのおいしいおはぎをお届けします”という温かい言葉に勇気づけられました。お孫さんは本当におばあちゃんを大事に思っておいでなのですね。
勝手なお願いをした上に、こんなに気遣っていただいて感謝の言葉もございません。
必ず元気になって、一緒におはぎを頂きたいと切に願っております―――

と結ばれていました。
「ともちゃん……」
まあばあちゃんは、トモちゃんの優しさに心打たれました。あの、小さかったトモちゃんが、こんな心遣いの出来る子の育っていたなんて・・・・。ミミちゃんのお家に行ったあの日からの胸のつかえがスーッと無くなりました。
「トモちゃん、ありがとう。」
まあばあちゃんは、そっと感謝の気持ちをつぶやきました。



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まあばあちゃんに来た手紙


ミミちゃんのお家に行った日から、数日たちました。
ミミちゃんのお母さんの事情を知って少しショックを受けましたが、ジロもミミちゃんも日常の生活に戻っています。
毎朝、まあばあちゃんと散歩に行き、犬友達と楽しくお話して帰ってきます。そして、朝ごはんを食べます。そのあとまあばあちゃんは、朝ごはんの食器をきれいに洗います。
「おかあさん、行ってきます。」
トモちゃんのお父さんやお母さんが、一生懸命、朝ごはんの食器を洗っているまあばあちゃんに声をかけてお仕事にいきます。
「いってらっしゃい。気をつけてね。」
まあばあちゃんは近頃、足が悪くて玄関まで出て行ってお見送りできません。その代わりといってはなんですが、ジロとミミちゃんが、お父さんたちのお見送りをしています。まあばあちゃんは、
「行ってくるからね。おばあちゃんをたのんだよ。」
と、言うお父さんたちの声を聞きながら食器を洗っています。
ジロとミミちゃんの(きゅう~ん、きゅ~ん。)と、甘えた声を出して(いってらっしゃい)と、言っているのが聞こえてきます。
今までのまあばあちゃんだったら、
「さあ、早く、お仕事に行かないと遅れますよ。」
と言って、靴を揃えたり、それはクルクルとよく動いて、リスみたいってよく言われました。
まあばあちゃんは、働くのが大好きでした。
でも、近頃は、ゆっくりした生活に変わってきています。
まあばあちゃんが食器を洗い終わった頃、パタパタとにぎやかな足音とともに、トモちゃんが走ってきました。
「おばあちゃん、行って来るね。」
「まあ、にぎやかだこと。時間大丈夫なの。トモちゃん。」
「大丈夫よ、だ~いすき、おばあちゃん。」
と言って、トモちゃんは、まあばあちゃんの肩を後ろからきゅっとしました。
「まあ、まあ、この子は…。早く行かないと遅れますよ。」
「は~い。行って来ます。」
玄関に出て行ったトモちゃんの声が聞こえてきます。
「ジロたん、ミミちゃん、邪魔、邪魔。靴履けないよ~。もう駄目よ。行って来るからね。」
きっと、ジロとミミちゃんが、トモちゃんにそばえているのでしょう。
朝の、慌ただしい時間が過ぎて、ジロとミミちゃんとまあばあちゃん、3人の時間になりました。お掃除と洗濯も済んで、草むしりでもしようかなと思って庭に出たとき、コトンという音がして、ポストに1通の手紙が投げ入れられました。
「どなたかしら。」
その手紙はまあばあちゃん宛のものでした。でも、差出人の名前の人に心当たりがありませんでした。知らない人からの手紙はなんだか不安です。ジロとミミちゃんも心配そうにしています。大丈夫かな、まあばあちゃん。


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冷凍されたおはぎ



まあばあちゃんとトモちゃんは、ミミちゃんのお家から帰った後、お互いに話す言葉が見つからず、渡せなかったおはぎをキッチンのテーブルの上に置いたまま、ボーっと座っていました。
思いも寄らないミミちゃんのお母さんの事情に呆然としました。
「ねっ、おばあちゃん。お腹すいてきたわ。おはぎ食べよ。」
トモちゃんは、元気よく言うと魂の抜け殻のようになったまあばあちゃんのために、温かいお茶を入れました。
「おばあちゃんの作ったおはぎ、私、大好きよ。」
「ありがとう。トモちゃん。」
まあばあちゃんは、お茶を手のひらで包み込むように持って、おいしそうにコクッと飲みました。
まあばあちゃんは、健康を害した人の話を聞くと、しばらく落ち込みます。歳のせいでしょうか…。トモちゃんの声も耳に入ってこないみたいです。
「おばあちゃん。元気出して! もう~ぉ! おばあちゃんがそんなだったら、だめやん!せっかく、ミミちゃんを預けはったのに、それじゃ、ミミちゃんが可愛そう!」
「そうね、そうね……」
力なく繰り返すまあばあちゃん。

ドドドー! ドドドーッ! 

ジロとミミちゃんの追いかけっこが始まったようです。
眠っていたかとも思ったら…忙しい事です。
しばらくするとキッチンに走ってきました。
「もう! キッチンで遊んじゃダメでしょー!」
注意したトモちゃんに、ジロがチョンと飛びつきました。
その様子がおかしくて、まあばあちゃんは笑い出しました。
ジロとミミちゃんが、来るだけで空気が変わりました。
「ジロとミミちゃんは、おばあちゃんの心を明るくする、特効薬ね。」
トモちゃんは、ジロとミミちゃんの頭を撫ぜて笑っているまあばあちゃんを見て、嬉しそうに言いました。
「もう、私、お腹一杯。おばあちゃん、このおはぎ冷凍保存しょう」
「冷凍……?」
「そうよ。ひとつずつ、ラップに包んで、冷凍室に入れとくのよ。そうすれば、食べたいときに、食べたい分だけチンして、食べられるでしょ」
「そうなの! 便利ね。トモちゃんは何でも知ってるのね」
まあばあちゃんは感心して言いました。
「おばあちゃんのほうが、何でも知ってる物知り博士やよ」
「何言ってるの。トモちゃんの方こそ…」
まあばあちゃんとトモちゃんのふたりは、お互いを無理に褒めあっていることに気づいて、大笑いしてしまいました。
ジロ、ミミちゃん。いつものまあばあちゃんに戻って良かったね。


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ミミちゃん、悲しまないで



ミミちゃんの家からの帰り道は、二人とも黙ったままです
なんだか、ジロも元気がありません。ミミちゃんもなんだかジッとしています。いつもだったら、歩いてみたり飛びついてみたりと忙しそうにしているのに……。さっきのお話の意味を分かっているのでしょうか?
トモちゃんの押す車椅子はいつもより、ゆっくりです。
まあばあちゃんが、朝早く起きて作ったおはぎは持って帰ることになってしまいました。
「おばあちゃん。家についたよ。」
「有難う。トモちゃん。」
車椅子が家の中に入ってもミミちゃんは、動こうとしません。いつもだとまあばあちゃんの膝の上からピョーンと飛び降りて、早くお茶にしよう!って感じで玄関とまあばあちゃんの間を行ったり来たりピョンピョンします。
ミミちゃんが、なかなかまあばあちゃんの膝から降りようとしないので、トモちゃんが、そっと抱き上げて、ジロの側に降ろしました。ジロが心配そうに、その様子を見ています。
すると、いきなりジロに吠えつきました。
ジロはミミちゃんの噛み噛み攻撃を上手に交わしています。
「ほらほら、もうそのくらいにして。ミミちゃん。ジロちゃんに謝るのよ。」
そう言って、トモちゃんがまたミミちゃんを抱き上げました。抱き上げられても4本の足をまだバタバタさせています。ジロは抱かれたミミちゃんの後ろ足を、ぺろぺろなめって、「遊んであげるよ。降りておいで」と、言っているようでした。
ジロが大丈夫という仕草をするので、ミミちゃんを下すと今度はキュウキュウ鳴いてジロに甘えています。
「ミミちゃん、いつもと様子が違うね。おばあちゃん……」
「……お母さんに会えなかったから、寂しいのね。」
まあばあちゃんが、いつもと違うミミちゃんの、様子を見てポツリと言いました。
「ミミちゃん、可哀想だね。」
と、トモちゃんもうなずきました。
しばらくすると、ミミちゃんは、ジロのおなかの中で眠りはじめました。
「あれ、ミミちゃん、寝ちゃった!」
ころっと寝てしまったミミちゃんの寝顔を見て、トモちゃんはクスッと笑ってしまいました。
「……ミミちゃんは、お母さんに、会えないこと知っていたのかもねぇ。おばあちゃんね、そんな気がするんよ。」
まあばあちゃんはミミちゃんの寝顔に悲しい心を見たような気がしました。


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近所の奥さんが…



トモちゃんとまあばあちゃんが、帰ろうとしないジロをなだめていると、お買い物帰りの女の人が、つかつかと寄って来ました。
「あら、ミミちゃんじゃありませんか? ミミちゃんでしょう!」
「はい。」
まあばあちゃんは、ミミちゃんをお預かりしたいきさつを、詳しくその人に説明しました。
「こちらの奥さん、ミミちゃんの事を心配しはって、大分悪いらしいのに入院をためらってはったのよ。うちはネコがいるしねぇ」
まあばあちゃんは、あの日出会った上品で奥ゆかしさの漂うミミちゃんのお母さんのことを思い浮かべて、どんなに御辛かっただろうと思い、胸の奥が痛みました。
「―――もう、ここの奥さん、この家には帰ってこないかも……、息子さんも大変よねぇ」近所の人と思われるその奥さんから、いろいろ事情を聞いたまあばあちゃんは、いたたまれず、その場を離れようと思いました。
「……あ、あの…、いろいろ、教えていただいて、有難うございます」
深々と頭を下げてお礼を言うまあばあちゃんに、その人は、
「ミミちゃんも、良かったね。いい人にもらわれて。」
と、言いながら立ち去って行きました。
まあばあちゃんは、その人に小さく会釈すると、膝の上でキューンと鳴いたミミちゃんをそっと撫ぜました。
まあばあちゃんは、もう二度とこの家に来ることが無いかも知れない、と思いました。
(いつまでも…いつまでも…、まあばあちゃんの後ろ姿を祈るように見つめていたあの人は、この家にいないんだ・・・。)
留守だと思っていた先程とは違って…主のいない家の淋しさが、まあばあちゃんたちの胸にシンシンと伝わってきます。
(ミミちゃんは大切にお育てします。早く元気になって、逢いに来て上げてくださいね。)
まあばあちゃんは、祈るような思いでミミちゃんの家を後にしました。



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ミミちゃんの家に着いたよ



あの美しい百日紅の花が見えてきました。ミミちゃんの家です。
(喜んでいただけるかしら。)
まあばあちゃんは、ミミちゃんの家が、近づくと急に自信が無くなってきました。
(みんなで、押しかけてきて迷惑じゃなかったかしら。)
だんだん、気の小さくなるまあばあちゃんでした。
「おばあちゃん。ミミちゃんのお家よ。」
と、トモちゃんが明るい声で言いました。
「いらっしゃるかしら。」
と、まあばあちゃん。
トモちゃんは、立派な門構えのミミちゃんのお家の側に、まあばあちゃんを乗せた車椅子を止めると、
「インターホン押して見るね。」
と言って、一回押しました。しばらく待ってみても物音一つしません。
「お留守みたいね…。おばあちゃん。」
がっかりしている様子のまあばあちゃんをみて、トモちゃんは、
「もう一度、インターホンを押させてもらうね。」
そう言って、再びインターホンを押しました。やっぱり何の返事もありませんでした。
「どうしようか。おばあちゃん。」
トモちゃんとまあばあちゃんは、困ってしまいました。
「ごめんね、トモちゃん。仕方ないから帰りましょうか。」
「……うん。」
トモちゃんは、しょんぼりしているまあばあちゃんの肩をきゅっと抱いて、
「また、来よう!  ねっ! これ見て!」
と、元気よく言うと、ウエストポーチから可愛い犬模様の封筒を取り出して、まあばあちゃんに見せました。
「あら、これは、この前トモちゃんが撮ったジロとミミちゃんの写真ね。二人とも可愛い顔をして。」
まあばあちゃんの顔が、ほころんでいくのがわかりました。
ジロとミミちゃんが仲良くお昼寝している姿や、まあばあちゃんに甘えている姿を撮ったものでした。
「きっと、ミミちゃんのこと心配してはると思うの。おばあちゃん、これポストに入れよう」
まあばあちゃんは、(うん、うん。)と頷きながら、トモちゃんに「ありがとう」といいました。
「さあ、帰りましょうか。」
トモちゃんとまあばあちゃんの二人は、どちらからともなく言って、車椅子を方向転換させました。
「ジロ、帰ろう。ミミちゃんごめんね」
なのに、ジロだけ帰ろうとしません。どうしちゃったの、ジロ。

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ミミちゃんのお家へ


 
「おばあちゃん、今日は車椅子で行こう。おはぎ作りで疲れたでしょう。」
「そんな、もったいない。おばあちゃんは大丈夫だから。」
「いいの、いいの。おばあちゃん。早く、温かいうちにお届けよう。」
「ありがとう。トモちゃん。」
まあばあちゃんは、トモちゃんの押す車椅子でミミちゃんのお家に行くことになりました。
車椅子に乗ったまあばあちゃんの膝の上に、ミミちゃんはちょこんと乗ってシッポを振って待ってます。トモちゃんは、パスコのパンを買うともらえるリサとガスパール模様のトートバッグを、車椅子の後ろに掛けました。その中にまあばあちゃんの作ったおいしいおはぎをいれて…。
おはぎをいれた桜模様のお重箱にトモちゃんが可愛くラッピングしました。
こぐま模様の包装紙でラッピングしているとき、まあばあちゃんは、トモちゃんの心遣いの温かさに感心して見ていました。
(きっと、ミミちゃんのお母さんは、心から喜んで下さる。そんな気がするわ。トモちゃんありがとう。)
「トモちゃんは、なんでも上手に出来るのね。」
「これは、おばあちゃん譲りです。だって、おばあちゃんは、お世話になった人に何か持って行く時、必ず、綺麗な風呂敷に包んでるでしょ。あれと一緒よ。」
そう言いながら、トモちゃんは、こぐま模様の包装紙の上に、赤いリボンをかけました。
「あれ、私、間違たかなぁ。これじゃ、おばあちゃんのせっかく作ったおいしいおはぎが、ぜーんぶ、こぐまに食べられちゃいそう。赤と黄色のチエックの包装紙もあったのにあっちにすればよかったな。」
トモちゃんは、綺麗にラッピングした後、そう言ってちょっと、しょんぼりしていました。
「ううん、トモちゃん。おばあちゃんは、こぐまさんの方が良かったと思うわ。とってもかわいいもの。」
まあばあちゃんはションボリしている、トモちゃんに優しく笑って言いました。
本当にトモちゃんは可愛くラッピングしたんですよ。赤いリボンを幾重にも重ねて、バラの花の様に美しく飾りつけて。
さあ、あの美しい百日紅の花の咲く、ミミちゃんのお家に向かいます。
まあばあちゃんとトモちゃん。そして、ジロとミミちゃん。
「さあ、いくわよ。」
ゆっくりと車椅子が動きます。
トモちゃんの掛け声でジロが歩き出しました。
「まあ、ジロはいつもより張り切って・・・」
その声に振り返ったジロの嬉しそうな顔。まあばあちゃんと目が合って幸せそうに笑って返事をするようにシッポを振り返しました。ミミちゃんはまあばあちゃんの膝の上でうつらうつら。
「今日は、少し早起きだったから。」
まあばあちゃんは、膝の上のミミちゃんを、そっと撫ぜながら言いました。
爽やかな秋の日、ミミちゃんの一番大切な人に会いに行くのよ。目が覚めたとき、ミミちゃんはきっと、びっくりするくらい喜ぶでしょうね。

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まあばあちゃんのおはぎ 

   
今日は、日曜日。ミミちゃんをお預かりしてから3日たちました。
ミミちゃんを預かったあの日、おいしい手作りケーキを頂きました。みんなでおいしくいただきました。そのお返しといってはナンですが、まあばあちゃんは朝から張り切っておはぎを作っています。
小豆を煮て、もち米を蒸して、手際よく、重箱に並べていきます。
「わぁー、おいしそう」
トモちゃんが起きてきました。
「あら、ジロもミミちゃんも起きてたの。」
トモちゃんは、まあばあちゃんの足元で嬉しそうにシッポを振っている二匹に、かがみこんで頬擦りしました。
「おばあちゃん、ひとつ、食べてもいい。」
そう言って、トモちゃんはおはぎを頬張ると「おいしい」といって、ジロとミミちゃんにも小さく切ってあげました。ジロもミミちゃんも甘いものが大好き。ホントはダメだけど少しだけネ!
「どうしたの、こんなにたくさん」
「ちょっと、作りすぎたかしら。」
まあばあちゃんは、テーブルの上にきれいに並べらたおはぎを見て、困った顔をして笑いました。
「ミミちゃんのお母さんに、お届けしようと思って作ってみたんだけど…」
「ああ、それで! きっと喜ぶよ。じゃあ、おばあちゃん、私も一緒に行く!」
「ありがとう。きっと心配されてると思うから、元気な様子を見せて安心してもらえたらと思うのよ。」
「そうやね! ミミちゃん、だいぶ家になれたみたいだし、ジロとも仲良しだしね。」
そうなんです。トモちゃんの言うとおり、ミミちゃんはずーっと昔からこの家にいたような錯覚をおこすくらい馴染んでいます。
ミミちゃんは、朝、目が覚めると一緒に寝ているまあばあちゃんとジロを起こします。
今までは、まあばあちゃんの目が覚めたとき、ジロを起こして散歩に行っていました。
でも、今、家一番の早起きはミミちゃんです。ミミちゃんは散歩が大好きです。
お散歩のとき、まあばあちゃんの、シルバーカーにピョーンと飛び乗って、今か今かと、まあばあちゃんとジロを待っています。ジロはシルバーカーを押すまあばあちゃんに、寄り添うように歩きます。そんな2匹がまあばあちゃんは、可愛くてしかたありませんでした。

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まあばあちゃんの言い訳 


「トモちゃん。おばあちゃんね。今朝…、帰りが遅くなってごめんね。」
まあばあちゃんは、トモちゃんに心配かけて申し訳ない気持ちとミミちゃんのことを一言も相談せずに預かったことを悩んでいました。
「ううん、私、気になって探しに行ったの。そしたら、駅前の大きなお家の塀の傍におばあちゃんの車がおいてあったでしょう。でも、おばあちゃんがいないのでビックリしたよ。側の門扉が開いたままになってたし、お邪魔してるのかなぁと思って、呼び鈴を押そうとしたら、おばあちゃんの笑い声が聞こえてきたから、そのまま帰っちゃたの。ごめんね。おばあちゃん。」
(そうだったの、トモちゃんは私を心配して探してくれてたのね。)
まあばあちゃんは自分を心配して探してくれていたトモちゃんに感謝していました。
「学校の時間、大丈夫?」
「まだ、大丈夫よ」
まあばあちゃんは、さっき渡されたミミちゃんのお洋服をトモちゃんに見せました。
「わぁ、可愛い。」
トモちゃんは、ミミちゃんのお洋服に感動していました。
「これは、レインコートね。」
ピンクの肉球模様のお洋服を見てトモちゃんが言いました。
「冬用のコートもあるの? ミミちゃんはオシャレね。」
トモちゃんは、まあばあちゃんの差し出すミミちゃんのお洋服を、右手で丁寧に畳んで、左手でミミちゃんを抱っこして言いました。
「ごめんね、トモちゃん。ミミちゃんのこと…。なんの相談もせずに、勝手にお預かりしてきて。」
「どうして? おばあちゃん。私だってこんな可愛いミミちゃんを預かってくださいって、御願いされたら、「はい」って言ってしまいまちゅ。」
と言って、トモちゃんは、ジロとミミちゃんを両手に抱き寄せて、頬擦りしました。
「ジロは、これからお兄ちゃんだね。可愛い妹が出来てよかったね」
ジロは、トモちゃんのほっぺをぺろぺろなめて、シッポをちぎれるほど振っています。
きっと、ジロも嬉しいのでしょうね。


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トモちゃんとミミちゃん 


   
まあばあちゃんは、背中に視線を感じながら、ゆっくりとシルバーカー押しています。
振り返れば、きっとミミちゃんを連れてあの人のところへ戻って行ってしまいそうで…
ミミちゃんはあの大きな家から一度も出たことがないと聞きましたが、初めての世界なのに、驚きも慌てもせずに落ち着いた物腰で、まあばあちゃんのシルバーカーに乗ったまま、あっちこっちの景色を見ていました。
「ミミちゃん。初めてのお外はどうですか? 怖くないですか」
まあばあちゃんは、ミミちゃんにそっと、声を掛けました。
ミミちゃんはまあばあちゃんに、ちいさな尾っぽを一生懸命振りました。ジロも気づかってかミミちゃんの鼻の頭をペロッとなめました。
シルバーカーから、飛び降りようともせず、お利口にしているその姿は、いじらしくて、まあばあちゃんの涙を誘いました。
(ミミちゃん心配しないで、仲良く暮らしていきましょうね。うちには、やさしいトモちゃんもいるし……ねっ、ジロ)
まあばあちゃんは、そう心の中でつぶやきました。
「ほら、お家が見えてきましたよ。ミミちゃん」
まあばあちゃんが、ほっとしてそう言いました。あれ、向こうからトモちゃんが走ってくるではありませんか。
「心配したのよ、おばあちゃん。」
そう言ったかと思うと
「キャー!! 可愛い!! どうしたの? この子」
トモちゃんは、ミミちゃんを抱き上げると嬉しそうに言いました。まあばあちゃんは、心の準備も出来ないまま、トモちゃんが駆け寄ってきたものだから、どう説明しようかと、まごついてしまいました。
「ジロ、よかったね。兄弟が出来て・・・・」
トモちゃんはミミちゃんを抱っこして、くるくる回りながらジロに言いました。



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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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