まあばあちゃんの朝


まあばあちゃんがお散歩に出かけようとしたときです。
ポストに白いはがきぐらいの紙が入っているのが見えました。
「まあ、ありがたいこと」
と言って、白い紙にペコペコ頭を下げてお礼をいっています。
「どうしたの、おばあちゃん」
トモちゃんが声をかけてきました。
「まあ!トモちゃん。早いねえ。もう、行くの?」

今日からトモちゃんは高校一年生。
新しい制服が眩しく見えます。
キョトンと見とれているまあばあちゃんにトモちゃんが言いました。

「今日から高校生だもの、電車に乗って学校に行くから家を出るのが早くなったのよ。どう、おばあちゃん、この制服」
トモちゃんが、まあばあちゃんの前でくるくる回ります。
そして、お姫様みたいなお辞儀をしました。
「トモちゃん、立派になったねぇ」
まあばあちゃんは、もう目に涙をためています。
まあばあちゃんはとても感動派なのです。
今までにも、トモちゃんは新しい制服を着て、何度も何度もまあばあちゃんに見せてくれたのに。
やっぱり、
目に涙をためています。
それもその筈トモちゃんはまあばあちゃんが憧れていた高校に入る事が出来たのです。
だから、まあばあちゃんにとってトモちゃんの制服姿はとても感慨深いものがあるのです。
まあばあちゃん、嬉しい事が一杯で幸せね。



読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
スポンサーサイト

まあばあちゃんと白い紙


「ねっ、おばあちゃん。その白いはがきみたいのは、なあに」
トモちゃんがまあばあちゃんの大事そうに持っている白い紙を覗き込むように見て言いました。
「ほらっ」
まあばあちゃんが、トモちゃんに白い紙を渡しました。
「警察?」
それは警察の人からのものでした。
「昨夜この辺りをパトロールしました」と書いています。
走り書きだけどとても優しい文字です。
「ありがたいね。本当に」
「すごいね。おばあちゃん。この町を守ってもらってるのよね。私たち安心ね」
「本当に、有難いね」
まあばあちゃんは、また白い紙に頭を下げました。
トモちゃんは、新しい自転車の前かごに高校の鞄を乗せて言いました。
「おばあちゃん。行ってきます」
「気を付けて行くんだよ」
「うん、じゃあね」
トモちゃんは、買ってもらったばかりの自転車に乗ると、駅の方に向かって走って行きました。
何度も振り返ってまあばあちゃんに、手を振るトモちゃん。
まあばあちゃんも、トモちゃんが振り返る度に何度も手を振り返してこたえました。
まあばあちゃんはトモちゃんの成長していく姿がとても嬉しいのです。
嬉しくて、嬉しくて、まあばあちゃんは、元気に走っていくトモちゃんの姿が見えなくなるまで、ずっと、見送っていました。


読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

まあばあちゃんと警察官のお兄さん


まあばあちゃんはトモちゃんを見送った後、
ジロと一緒にいつものお散歩に出かけました。
シルバーカーを押して、ゆっくりゆっくり歩いていると、

向こうからパトカーが来て、
ちょうど、目の前の信号で止まりました。
まあばあちゃんは今朝のポストの白い紙に書かれていた事を思い出して、
パトカーに向かってペコペコと頭を下げました。
パトカーのおまわりさんはまあばあちゃんの様子に気付いて、
窓を開けると声をかけてきました。
「おはようございます。いつもお元気ですね」
30歳ぐらいの若くて爽やかなおまわりさんです。
まあばあちゃんは白い紙のお礼を言わなければとまごまごしていました。
「賢そうなわんちゃんですね。名前はなんていうのかな」
って、若いおまわりさんが尋ねました。
「ジロです」
まあばあちゃんがにこにこ笑って答えました。
ジロの事を褒められるととっても嬉しくなります。
まあばあちゃんは思い切ってたずねました。
「このはがき、私の家のポストに入れて下さったのは、おまわりさんたちですか」
若いおまわりさんは、まあばあちゃんがシルバーカーから大切そうに出してきた白い紙を見ると、
「これ、私たちです。昨夜この辺りをパトロールしたので」
「やっぱり、そうでしたか。お礼が言いたくて、本当に有難うございます」
まあばあちゃんは、パトカーの若い二人のおまわりさんに、丁寧に何度も頭を下げました、
「そんなにお礼を言われては困ります。これが私たちの仕事ですから。
よくジロちゃんとお散歩されている姿をみかけます。
気をつけて行って下さいね。
ジロ、しっかりおばあちゃんを守るんだよ」
おまわりさんが優しくジロに声をかけました。嬉しそうにしっぽを振るジロ。
「それでは失礼します、じゃあ」
そう言って、おまわりさんはパトカーを走らせていきました。



読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

お春ちゃんと立ち話

「どうしたの、まあちゃん」
振り返るとまあばあちゃんのお友達のお春ちゃんでした。
「パトカーが止まってたから、何かと思って、そうしたらまあちゃんがパトカーの人と話してるもんだから、慌てちゃって、何かあったの」
お春ちゃんが心配そうに聞きました。
「ううん、なにも。この紙ね、朝、ポストを見たら入っていたの、さっきのパトカーのおまわりさんが入れてくれたんだって。だから、有り難いなと思って御礼を言ってたの」
「そうだったの、その紙だったら、うちの家にも入っていたわよ」
お春ちゃんが、まあばあちゃんの持っている白い紙を見ていいました。
「私が眠っているときも、こうして町を守って下さっているんだと思うと、一言でもお礼を言わなくちゃと思って」
まあばあちゃんは、そっと白い紙を折りたたむと、シルバーカーの中に入っている小さなバッグに入れました。

「それ、何でだか分かる、まあちゃん」
お春ちゃんが、急に小声になって言いました。

まあばあちゃんは、いつもと違うお春ちゃんの様子に「どうかしたの」って、目で聞きました。まあばあちゃんとお春ちゃん。二人とも急に深刻になっています。
お春ちゃんは、まあばあちゃんにどんなお話をするのでしょうか。


読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

まあばあちゃんの町の怖いお話


それはこうです。
お春ちゃんの家の近くに泥棒が入ったのです。
夫婦二人暮らしのおうちで、
どちらも80歳を越えた人達のところへ
泥棒が入ったというのです。
結局、何も盗られなかったそうですが、
とても怖い話です。
「こんな静かで良い町なのに、それで、おまわりさんたちが」
まあばあちゃんは、深くうなずいて、納得したように大きなため息をつきました。
「それで大丈夫だったの?お二人は怪我とかなかったの」
「それは大丈夫だったみたいよ。二人ともよく眠っていて、
泥棒に気づかなかったそうよ。
だけど、朝起きてびっくりしたんだって。
ほら、箪笥とか押入れが開いていて、そりゃあ、腰が抜けるほどびっくりしたらしいわよ」
「怖かったでしょうねぇ」
「そりゃ、そうよ。怖くて怖くて、こっちまでドキドキしてくるわ」
まあばあちゃんは、お春ちゃんと話していて改めてさっきのおまわりさんに感謝していました。
心から。


読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
sidetitleプロフィールsidetitle

堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
良かったらポチお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

sidetitleフリーエリアsidetitle
sidetitlePRsidetitle


sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleカウンターsidetitle
sidetitle天気予報sidetitle

-天気予報コム- -FC2-
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitlePRsidetitle


アフィリエイト・SEO対策



sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleリンクsidetitle
sidetitleQRコードsidetitle
QR