まあばあちゃんとお春ちゃん


お春ちゃんはまあばあちゃんのお散歩なかまです。
まあばあちゃんは暑くても寒くても雨降り以外は、いつもお日様が明るくなってきたらジロと一緒にシルバーカーを押して歩きます。
でも、お春ちゃんは冬の間はお休みです。日差しがほんのり暖かくなって来たころからお散歩に出てきます。
九十歳と八十五歳、どちらもちょっぴり足が悪くて体が少し不自由ですが、お春ちゃんの足はまだシルバーカーを必要としません。
「痛い、痛い」と言って足を撫でながら杖を突いてゆっくり歩きます。そんな二人がいつのまにか気があってお話するようになったのです。
「まあちゃん、明日から私も歩こうと思うの、よろしくね」
その日、お春ちゃんはまあばあちゃんが自分の家の前を通るのを待っていました。
「こんなの作ってみたの、お家へ帰ったら食べてね」
それはおいしそうなぼたもちでした。まだ、ほっこりと暖かさが残っていて手のひらに感じます。
「有難う。お春ちゃん」
まあばあちゃんは大事そうにシルバーカーの中に入れました。
一緒にいるジロもクンクン嬉しそうです。よかったね、まあばあちゃん。



読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
スポンサーサイト

まあばあちゃんの涙(お春ちゃんどうしたの)


今朝、まあばあちゃんは寝過ごしてしまいました。昨日の夜、大好きな舘ひろしのドラマがあったからです。
「まあばあちゃん、早く、早く」と言うようにジロがベットの回りをクルクルします。
「はいはい、分かりましたよジロ。ごめんね、お寝坊しちゃって」
まあばあちゃんは急いで服を着ようとしますが若いときの様になかなかうまくいきません。
「はい、おまちどうさま」
まあばあちゃんは、ジロに言葉をかけながら、昨日約束したお春ちゃんの事がとても気になっていました。
「ごめんね、お春ちゃん。もう、一人で先にお散歩行ったかもしれないね」
ジロも心配そうにまあばあちゃんを見上げます。やっぱり、お春ちゃんは家の前にいませんでした。
まあばあちゃんはしょんぼりして、申し訳なさそうに家の前をゆっくりと通り過ぎて行こうとしました。
そのときです。玄関の戸が開いてお春ちゃんの娘さんが出てきました。
「ごめんなさい。昨夜、母の様子がおかしくなったので、救急車で病院に運ばれていったんです。申し訳ありませんが」
お春ちゃんの娘さんはそこまで言うと急いで家の中に入って行きました。
まあばあちゃんは、心配でなりませんでしたが詳しい事も聞けず呆然としていました。
まあばあちゃんは、いたたまれず、心の中で手を合わせてお春ちゃんの無事を祈りました。
まあばあちゃんの小さな目から出た涙がジロの頭の上に一粒、二粒とこぼれ落ちました。


読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

まあばあちゃんの心配


まあばあちゃんはあれからお春ちゃんの事が心配でなりません。
だからお春ちゃんの家の前をゆっくりゆっくり通ります。
ひょっとしたらこの間の娘さんがお春ちゃんの事を教えてくれるような気がして。
「お春ちゃん。早く良くなるといいのにね」
まあばあちゃんはジロにそっと言いました。
「年をとると自分でも分からない間にあっちこっち悪くなって嫌よね。ジロ」
まあばあちゃんもこのところ体の調子がよくありません。足や腰が痛くて痛くて、寒さのせいでしょうか。春は三寒四温といって冷たい日と暖かい日が変わるがわる訪れて、まあばあちゃんの体を痛めつけます。
「この季節、今は辛いけどしばらくすると暖かい春になるね。もうちょっとの辛抱だね。そうしたら、お春ちゃんも病院から帰って来るね」
見上げると白梅や紅梅が家々の塀から顔を覗かせています。
桜の咲く春はもうそこまで来ています。
まあばあちゃんの「早くよくなって」と思う願いはきっとお春ちゃんに届くはず。
ジロはゆっくりシッポを振りって、まあばあちゃんをじっと見つめていました。



読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

まあばあちゃんと桜の花


まあばあちゃんは、お花が大好きです。その中でも桜の花が一番大好きです。
さぁ、春です。お日様は朝からぽかぽか、とっても気持ちのいい日です。まあばあちゃんもうきうき、そわそわ、今朝もジロとお散歩です。昨日の公園の桜の様子からみると、今日は、きっと満開のはず。
「ねっ、ジロ。今日は公園の桜を見て行こうね」
まあばあちゃんがお散歩で通る公園に大きな桜の木があります。大きく枝を広げた桜の木の姿は、それはそれは見事な物です。いつもの公園がいっぺんに華やかになります。
まあばあちゃんはゆっくりシルバーカーを押して公園に向かいます。
「まあちゃん。」
「あら、お春ちゃん」
お春ちゃんがまあばあちゃんを公園の入り口で待っていました。
「よくなったの、お春ちゃん」
先日、救急車で、病院に運ばれていったお春ちゃんがいたのです。
「いつもの病気、ほら、ここの調子が、また悪くなって」
と、お春ちゃんが胸に手を当てて言いました。心臓が悪いのです。
「大丈夫。無理したらだめよ」
「うん、いつもの事だから」
お春ちゃんは笑いながら答えました。
「それより、まあちゃん。桜の木の下へ行こう。きっと来ると思って待っていたのよ」
お春ちゃんはクリーム色の肩掛けを掛け直すと「さぁ、ジロも」と、言って、まあばあちゃん達を促しました。
そして、まあばあちゃんとお春ちゃんは大きな桜の木の下のベンチに仲良く腰掛けて、美しい桜の花に見とれていました。いつまでも、いつまでも。
さくら



読んでいただいて有り難うございます。
もし良かったら、ポチしてくださると嬉しいです。 にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
sidetitleプロフィールsidetitle

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
良かったらポチお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

sidetitleフリーエリアsidetitle
sidetitlePRsidetitle


sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleカウンターsidetitle
sidetitle天気予報sidetitle

-天気予報コム- -FC2-
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitlePRsidetitle


アフィリエイト・SEO対策



sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleリンクsidetitle
sidetitleQRコードsidetitle
QR