ひろ子ちゃん!?


今日もまあばあちゃんはいつものように、シルバーカーを押してジロとミミちゃんを連れて、ゆっくりと小学校の方に向かって歩いていました。
桜の花もだいぶん散って、緑の若葉が桜の花の間から顔をのぞかせています。この頃の桜を見て、小さい頃のトモちゃんが
「さくら餅がいっぱい木になってる。」
と言っては喜んでいた事を思い出して、まあばあちゃんはほっこりした気持ちになっていました。
一度目の散歩は、5時頃に行くのでまだ寒くて暖かい上着を離すことが出来ませんが、2度目の散歩は小さな子ども達が学校へ行く時間なので、とっても暖かいです。春の日差しがまぶしくて1年で一番美しい季節を迎えたことを感じるまあばあちゃんでした。
「ジロ、ミミちゃん、今日は本当に気持ちのいい日ね。」
幸せな気持ちのまあばあちゃんは、ジロとミミちゃんの頭をなでて言いました。
まだ、学校は明日からです。だから小学校の塀沿いのこの道はシーンとしています。
明日になれば、子ども達の明るい声でさぞかしにぎやかになるのでしょうね。
まあばあちゃんはそんな事を思いながらゆっくり歩いていました。
「あれ、あの子は。」
校門のそばで屈んでいる女の子にまあばあちゃんは気づきました。女の子もまあばあちゃんに気付いて走ってきました。ワンちゃんも一緒でした。
「おばあちゃ~ん!」
「ひろ子ちゃん? ひろ子ちゃんなの!?」
まあばあちゃんは、胸の中に飛び込んできたひろ子ちゃんをしっかり抱きしめました。

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おばあちゃんに会いたかったの!


「ひろ子、おばあちゃんに会いたかったの。ひろ子遠いところに連れて行かれるの。だからね、連れてかれる前に、おばあちゃんに会いたかったの。」
ひろ子ちゃんは、まあばあちゃんにしがみついて、ウエーン、ウエーンと泣きました。背中を撫でても、おさまりそうにありません。
「ひろ子ちゃん、遠いところって?」
「お母ちゃんがね、お金を送ってこないから、ひろ子をおばちゃんの家に置いとけないって……」
「おばちゃんがそう言ったの……」
「うん。」
まあばあちゃんは言葉に詰まりました。こんな小さな子に直接言うなんて……。
まあばあちゃんは胸が苦しくなりました。こんな小さな子に神様はなんて過酷な試練を与えるのでしょうか……。
おばさんの家を出て、ひろ子ちゃんはどこに連れて行かれるのでしょうか……。
ひろ子ちゃんを抱きしめる、まあばあちゃんの目から涙があふれてきました。
ひろ子ちゃんは、以前見た時よりもずいぶん痩せていました。顔色も悪いようです。まあばあちゃんは、そっとひろ子ちゃんのオデコに手を当てました。熱はないようです。
「ひろ子ちゃん、おばあちゃんの家に寄って行きましょう? ね?」
まあばあちゃんは、ひろ子ちゃんの涙を拭きながら言いました。ひろ子ちゃんの顔は薄汚れていました。まあばあちゃんのタオルハンカチにグレーのシミがつきました。
「ひろ子ちゃん、……おばちゃんの家からここまで来たの?」
「うん。」
こんな小さな子が富田林から……。よく無事で……。まあばあちゃんの目からまた涙が出てきました。
ひろ子ちゃんのお腹がグーッと鳴りました。
「ほらほら、ひろ子ちゃんのおなかも行こうって言ってるわ。おばあちゃんのお家に行きましょう。」
「うん!」
ひろ子ちゃんは涙で腫れ上がった顔をほころばせて大きな声で返事しました。

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ふりむくと……


ひろ子ちゃんは、まあばあちゃんの押すシルバーカーの横をスキップしながらついてきます。まあばあちゃんはお腹が空いているひろ子ちゃんの事が気になって仕方がありませんでした。ひろ子ちゃんの顔も服も薄汚れています。
(早く、お風呂を沸かして、美味しいものをいっぱい作ってあげないと……)
まあばあちゃんは、自分の周りをピョンピョンしながら笑いかけてくるひろ子ちゃんが、かわいくて仕方がありませんでした。ジロもミミちゃんもまあばあちゃんが嬉しそうなのでなんだかウキウキしています。
ずっと気になって心から離れなかったひろ子ちゃん。そのひろ子ちゃんが会いに来てくれたのです。顔を見た時はホッとしました。でも、ひろ子ちゃんにはまた新たに災難が近づいてきているように感じました。
「えへへ。」
ひろ子ちゃんがまあばあちゃんを見つめて笑いかけてきます。そして、しがみついてきました。
(苦労したのね。こんなに小さいのに……)
まあばあちゃんの押すシルバーカーを一緒に伸しているひろ子ちゃんの小さな手は、ひび割れたアカ切れだらけでした。もう4月だというのに、ぱっくり割れて汚れている手が痛々しくて情けなくなってしまう、まあばあちゃんでした。
「ジロ、ミミちゃん、どうしたの?」
ジロとミミちゃんがしきりに振り返ります。まあばあちゃんはシルバーカーを止めて振り返りました。
「まあ」
痩せた薄茶の犬が、少し離れた所に立っていました。
さっき校門のところでひろ子ちゃんと一緒にいたコでした。


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一緒に行こう


ひろ子ちゃんに気付いたとき、茶色い犬のことも見えていたのに、ひろ子ちゃんに夢中になって、茶色い犬の事を忘れていました。
「あの子、ひろ子ちゃんの知ってる子?」
まあばあちゃんは、少し離れた所で所在なさげに立っている犬の事を、ひろ子ちゃんに聞きました。
「あの子ね、ひろ子がパンを上げたら、ついてきたの。」
「そう、ひろ子ちゃんはパン分けてあげたの。優しいわね。」
パッとひろ子ちゃんが笑いました。それから、茶色の犬の方を見て、
「それから、ずっと、ここまで一緒に来たの。」
ひろ子ちゃんが、おいでというように屈むと、茶色い犬は、目いっぱいシッポを振ってひろ子ちゃんの方にかけてきました。ひろ子ちゃんの胸に飛び込むと、ひろ子ちゃんの顔をペロペロなめました。
「ふふふ、くすぐったーい!」
「あなたも、おばあちゃんの家に一緒に行きましょうね。」
まあばあちゃんの言う事が分かるのか、その茶色い犬はまあばあちゃんの手をペロペロなめました。ジロちゃんとミミちゃんにも鼻をくっつけて挨拶しました。背中を撫でるとガサガサの毛でした。その子の今までの苦労を物語っているかのようでした。
まあばあちゃんの胸はやり切れなさで胸が詰まりました。
悲しい運命の小さな女の子と痩せ細った犬が、富田林という遠い町からこの堺まで……

―――プーッ、プ、プー――――
と、クラクションが鳴りました。まあばあちゃんは慌ててシルバーカーを道の端に寄せると、ひろ子ちゃんを抱き寄せました。ジロとミミちゃんはちゃんと自分で道の端に寄っています。茶色い犬もそうしていました。
「ばあちゃん、わしやわしや!」
「あら、どうしたの? こんな時間に……。お仕事は?」
「いやな。明日から学校が始まるやろ? 見守り隊の人で集まって作戦会議や。……ん? え?」
オッチャンは驚いた顔をしました。
「ひろ子ちゃんやないか……」

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ひどいこと


「どないしたんや?」
オッチャンは驚いています。
「おばあちゃんに会いにきてん。」
「一人で来たんか? お母ちゃんは?」
ひろ子ちゃんは下を向いて黙ってしまいました。
「おばちゃんには、ちゃんと言うて来たんか?」
「……ひろ子、おばさんの家、出てくの。……遠いところへ行くんやって……。だから行く前におばあちゃんに会いたかったの。」
「遠いところって、どういうこっちゃ。おばさんの家追い出されるちゅうことか?」
(もう、ひろ子ちゃんになんてこと聞くの! 無神経でしょ!)
まあばあちゃんは、心の中でオッチャンを叱りました。
「ひろ子ちゃん、車に乗り、オッチャンがひろ子ちゃんのおばちゃんに話しつけたるさかい。」
ひろ子ちゃんは、まあばあちゃんの後ろに隠れてキュウっと手を握りました。
「そんなに一度にいろいろ聞いたら、ひろ子ちゃん困ってるじゃないの。」
と、まあばあちゃんが強く言うと、オッチャンはハッとしたようにガハハと笑って、
「ゴメンゴメン、ひろ子ちゃん、ビックリしたなぁ。かんにんしてや。」
ひろ子ちゃんは、小さくコクンと頷きました。すると、ひろ子ちゃんについてきた茶色の犬がオッチャンの車の窓に手を掛けました。
「おっ、びっくりした。この子はどないしんや?」
オッチャンが茶色い犬の頭を撫でながら聞きました。」
「ひろ子がパンをあげたら、一緒についてきたの。」
「そうか、そうか。ひろ子ちゃんのガードマンやな。」
「ガードマンってなあに?」
「ひろ子ちゃんを守ってるいうことや。」
オッチャンのその言葉を聞いて、ひろ子ちゃんは嬉しそうに「えへへ」と笑って茶色い犬に抱きつきました。
「せやけど、ひろ子ちゃん、この季節にそんなセーター着て暑ないか?」
オッチャンは、今度は落ち着いた口調で話しかけました。
「……暑いよ……。」
ひろ子ちゃんの服装は、季節外れの薄汚れたセーターに色あせた春物のスカート、そして、靴は穴が空いていました。
なんともひどい姿です。
「ばあちゃん、これって、虐待いうヤツちゃうんか?」
まあばあちゃんもひろ子ちゃんの姿を見た時、一番にそう思いましたが。
返事は出来ませんでした。おばさんの暮らしぶりも分からない上に、ひろ子ちゃんのお母さんの事情も分かりません。
けれど、ひろ子ちゃんが、このままでいいはずはありませんでした。

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軽トラに乗って


「とりあえず、私の家に連れて帰って、お風呂に入れてあげようと思ってるの。おなかも空いてると思うし……。」
まあばあちゃんがそう言うと、オッチャンが、
「ばあちゃん、ひろちゃんをこのまま町中を歩かすのは可哀想やで。それに、遠いところから来て、疲れてるんとちゃうか?」
ひろ子ちゃんは、見るからに疲れた様子です。
「ひろちゃん、オッチャンの家に行こう。車に乗り。」
オッチャンは車から降りると、ひろ子ちゃんを助手席に乗せ、茶色い犬にも車に乗るように手招きすると、ひろ子ちゃんの足元にお座りして、顔をひろ子ちゃんの膝の上に乗せました。
「ほな、わしの家に連れてくで、ばあちゃんは後からゆっくり来たらええがな。ほな、先に行ってるで。」
と言いながら、運転席に座ると、オッチャンの軽トラは走り去りました。
ひろ子ちゃんは、窓から顔を出して、まあばあちゃんに、手を振っています。
まあばあちゃんも振りかえしました。ひろ子ちゃんを乗せた軽トラは、しばらくするとカーブを曲がって見えなくなりました。
「さっ、私も早く追いつかないと。邦ちゃんも突然で驚くだろうし。ジロ、ミミちゃん、行くわよ!」
と、気合いを入れると、シルバーカーのハンドルを握る手に力を込めました。
そして、ひろ子ちゃんが幸せになれるために何をしなければならないのか……。
まあばちゃんは、心を決めました。

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オッチャンとひろ子ちゃん


「なあ、ひろちゃん、ここまでどないしてきたんや?」
オッチャンがハンドルを切りながら聞きました。
「道を歩いてたらね。こーんな大きなトラックのオッチャンが、『どないしたんや?』 って、ひろ子はね、『おばあちゃん所に行くの』って言うてん。そしたら、『どこや?』 って、ひろ子は、おばあちゃんにもらった紙、見せてん。そしたら『行く道やから乗っていき』って。」
ひろ子ちゃんは、ポシェットの中をゴソゴソ探して、四つ折りメモ紙を丁寧に広げて、オッチャンに見せました。
「ほらね。」
まあばあちゃんのキレイな字で住所が書かれていました。
「そんでね。パチンコ屋さんのところで降ろしてくれた。」
「パチンコ屋? このへんにパチンコ屋なんてあったかいな。大分遠いやろ。」
「うん。でもね。こんなちっさいテレビで今ここで、ひろ子はあっちに向いていくと、真っ直ぐに行くと、おばあちゃんの家に着くって教えてくれたよ。」
「ちっさいテレビ? ああ、ナビやな。こういうやっちゃろ?」
「うん。こんなんやった。それでね。この道真っ直ぐ行ったら、大分あるかなアカンけど、そのうち知ってる景色が出てくるからいうて教えてくれた。気ィ付けて行くんやでって言ってくれよ。」
「そうかそうか。よう無事で。」
「そしたら、学校が見えてきたん。そんで校門のとこで座っててん。」
学校からまあばあちゃんの家まで、もうしばらく歩かねばなりません。
ひろ子ちゃんは、疲れてしまったのでしょう。
「おばあちゃん、朝いっつも散歩してるから、会えるかなと思って待ってたら、会えた!」
ひろ子ちゃんは嬉しそうに、茶色の犬を抱きしめました。

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ひろ子ちゃんとパン


「そやけど、車やったらこんな距離しれてんのに、送ってくれてもええやんなぁ。」
「なんか、荷物届けなアカン言うて急いでた。朝のジュウタイに巻き込まれたら、大変なんやって。ごめんなって謝ってくれた。」
「ああ、配送の途中やったんかもなぁ。」
オッチャンは納得したように独り言を言いました。
「ゴメンゴメン、オッチャンは悪いこと言うてしもうたな。親切な人やのに……。」
オッチャンは、オヤッ? と言うような顔して、
「ほな、そのコは、おばさんとこから一緒に来たんか?」
オッチャンが、茶色の犬をも皆が見ながら言いました。
「ちがうよ。おばさんとこには犬いないよ。このコは、車、降ろしてもらった後で、会ったんよ。」
ひろ子ちゃんは、また茶色い犬を抱きしめました。その時、また、おなかがグーッと鳴りました。
「ひろちゃん、おなかすいてるんか? もうちょっとで着くから待ててや。」
「ひろ子、トラックに乗せてくれたおっちゃんに、パンいっぱいもらってんよ。なんで鳴るのかな?」
恥ずかしそうに、えへへと笑いました。
「そうかそうか。良かった。ほなそのコは、ひろちゃんを好きになってついてきたんやな。」
「うん。」
「首輪してへんなぁ」
「うん。始めからなかったよ。」
「そうかそうか。……おっ! オッチャンの家が見えてきたで。あそこやで。よう覚えといてや」
ひろ子ちゃんが嬉しそうに笑いました。

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邦ちゃんとひろ子ちゃん


オッチャンが、軽トラを車庫に入れ終わる頃に、邦ちゃんとチビチャンが飛び出してきました。
ひろ子ちゃんは、車から降りると、チビちゃんを抱き上げて、ギュウっと抱きしめました。
「ひろ子ちゃんね。可愛い子だっていつも聞いてます。私とも仲良くしてくださいね。」
邦ちゃんは、ひろ子ちゃんの目の高さまで屈んで言いました。
「おばちゃん、大丈夫?」
邦ちゃんは足が少し不自由なので、屈んだりするのにぎこちなかったり、時間がかかったりします。その様子を見てひろ子ちゃんは心配したのでしょう。
「大丈夫よ。ひろ子ちゃんは、優しい子やね。」
邦ちゃんは、ひろ子ちゃんの頭を撫でました。ひろ子ちゃんの髪は長い間お風呂に入ってないのかゴワゴワでした。
「ひろ子ちゃん、お腹すいてない?」
「ひろ子ね、さっきパンもらったの。だから、すいてないよ。」
―――キューン、キューン――――
車の中から、声が聞こえます。茶色の犬です。
オッチャンが慌てて、
「おう、よしよし。お前も降ろしてやろうな。このコ、ひろ子ちゃんと一緒におってな。」
どのワンちゃん見ても、ワンワン吠えるチビちゃんが鳴きません。ひろ子ちゃんに抱かれたまま、おとなしくしています。
「どないしたんや、チビ、お前が新顔見て、吠えへんなんて……。どっか具合悪いんか?」
オッチャンが、ビックリして言いました。
「いらっしゃい」
邦ちゃんが茶色い犬に言うと、嬉しそうにオッポをゆっくり振りながら、邦ちゃんのそばに来ました。嬉しそうに握手するような仕草をします。
邦ちゃんが撫でると、背中はガタガタ、足の裏はヘタッテいました。長い放浪生活だったのでしょう。
「とにかく、お風呂に入ってキレイにしましょう。二人とも遠くから来てくれたんだもんね。ゆっくりお湯につかったら、スッキリするわよ。」
邦ちゃんは、チビちゃんを抱いているひろ子ちゃんと茶色いワンちゃんに家に入るように、促しました。

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ひろ子ちゃんのお洋服


「よいしょ。よいしょ。」
まあばあちゃんは一生懸命にシルバーカーを押して、オッチャンの家につきました。
「なんや、ばあちゃん、疲れとるやんか。ワシ、車で迎えに行ったらよかったなあ。」
まあばあちゃんが、ハアハアと息を切らせてシルバーカーにもたれているので、オッチャンはすまなそうに言いました。
「そんなにして来んでも、ゆっくり来たら良かったのに……。」
「でも、気になって。邦ちゃん、驚いてなかった?」
「全然、今、フロ沸かして入れるつもりやで、ひろちゃんも犬も真っ黒やもんな。」
「そう……」
まあばあちゃんは邦ちゃんの優しさに声を詰まらせました。言葉を続けようにも声が出ません。
「どないしたんや。ばあちゃん。」
「邦ちゃんの優しさが嬉しくて……」
「なんや。大げさやな。ばあちゃんもひろちゃんをフロに入れる言うてたやないか。」
屈託なく笑って言うオッチャンに、まあばあちゃんの心は幸せな気持ちでいっぱいになりました。
「あのね。私、ひろ子ちゃんのお洋服持って来るわね。邦ちゃんにそう言っててくれる?」
まあばあちゃんはそう言うと、シルバーカーを自分の家の方に向けました。
「え? なんで? ばあちゃんがひろちゃんの服、持ってるんや?」
オッチャンが尋ねると、まあばあちゃんは淋しそうに笑っただけで何も言わずに、シルバーカーを押し始めました。
ジロとミミちゃんもまあばあちゃんに合わせて歩き始めました。

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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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