どこの子かな?



朝、まあばあちゃんが散歩に行こうとすると、柴犬?のような薄茶色の犬が門扉の外で、お座りしていました。
「あら、どうしたの? どこの子かしら……」
薄茶のワンちゃんはお座りしたまましっぽをパタパタ振っています。
ジロがどうしたの? というようにと鼻をその子にくっつけてクンクンました。
ミミちゃんは自分より大きな見かけない犬に、怖がっています。
ジロにはとっても強気なのに、あの強気なミミちゃんはどこへ行ったのでしょう。
茶色の首輪をしていますが、リードはありません。
(おなかがすいているのかしら……)
そう思ってジャーキーをあげてもあまり欲しくないようです。やせてもいません。むしろふっくらしています。
(家を間違えたのかしら? それなら、歩いているうちにこの子のお家に行きあたるかもしれないわ)
まあばあちゃんはそう思って、とにかく散歩に出ることにしました。
まばあちゃんがシルバーカーをゆっくり押すと、その子も嬉しそうにスキップするみたいにしてついてきます。
怖がる人がいてはいけないので、シルバーカーに入っているリードをその子につけました。
初めて一緒にお散歩するのに、ジロと並んで上手に歩いています。
とっても楽しそうです。
(こんなに、お利口さんな子が迷子になるかしら…?)
不思議に思うまあばあちゃんでした。


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ジロの友達



まあばあちゃんが知らないワンチャンを連れて散歩していると、離れたところから声がします。前の方から聞こえるようです。
「タロー、タロー」
女の人の心配そうな声が聞こえます。
ジロと嬉しそうに歩いていたワンちゃんがその声に反応しました。
(きっとこの子のお母さんね。このまま行けば、次の十字路で出会うかしら?)
そう思ったまあばあちゃんは、足を速めにしました。
タローを呼ぶ声はどんどん近づいてきます。
「あっ、タロー!」
六〇半ばくらいの奥さんが、小走りにまあばあちゃんの所にやって来ました。ご主人らしい人が自転車で後から追いついてきました。
「タローちゃんおりこうさんですね。」
そう言って、まあばあちゃんは奥さんにリードを差し出しました。
「ありがとうございます。リード、持って来てます。あら! この子、向こうの角のお家の子ですね。」
驚いた様子で言いました。
「はい。そうですよ。どうして分かるんですか?」
まあばあちゃんはジロの事を知っているようなのでビックリしました。
ジロは嬉しそうに、まあばあちゃんと奥さんをかわるがわる見ています。
「ええ、お庭に離してはるでしょ? 散歩のとき柵を挟んで、仲良くしてもらってるのよね」
と奥さんがタローちゃんに言いました。ご主人もうんうんと頷いています。
まあばあちゃんの知らない間に、ジロはお友達が出来ていたんですね。
「いつもガレージで、日向ぼっこしているのよね」
ジロの頭を奥さんが撫でながら言いました。
「お名前なーに?」
「ジロと言います。」
「タロジロで南極探検の子たちみたいですね!」
奥さんはコロコロ笑いました。
「あら、ほんとだわ。」
まあばあちゃんもコロコロ笑いました。
「あら、ちっちゃくて、かわいい子もいるんですね。」
ミミちゃんの事です。タロちゃんのお母さんは初めて見るようです。ミミちゃんも自由にしているのですが、お家の中にいたのかもしれませんね。
ミミちゃんは今日のお散歩ではシルバーカーから出ようとしませんでした。最初は怖がっているのかと思いましたが、どちらかと言うとツンツンしているようです。タロちゃんがシルバーカーをのぞくと逃げるわけでもなくプイッとしていました。困ったものです。
ひとしきり話して、ご夫婦と別れた後、
「タロちゃんは、ジロの事、きっと大好きなのね」
まあばあちゃんはジロにそっと言いました。
ジロは耳を立てて、ゆっくりしっぽを振りました。
まあばあちゃんはその様子に、心がほのぼのするのを感じました。


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ひし餅



―――ピンポーン―――
まあばちゃんがお掃除している時にインターホンが鳴りました。
「どちらさまですか?」
「この前は有り難うございました。あの、タローの……。先日は有り難うございました。」
「あら!」
あのタローちゃんのお母さんです。まあばあちゃんが慌てて玄関に出ていくと、嬉しそうなタローちゃんとタローちゃんのお母さんが立っていました。
ジロは先に行ってまあばあちゃんを待っていました。
「突然、押しかけて申し訳ありません。」
「いえいえ、どうされたんですか?」
「ちょっと、母が体調を崩したので田舎に帰ったんです。あの、これお土産です。」
「……まあ…、お母様、お体、大丈夫なんですか?」
まあばあちゃんは心配そうに聞きました。
「はい。大したことなくて、私の顔を見たらすぐに元気になりました。」
「良かったわ」
まあばあちゃんも近頃はあちこち弱ってきているので、そういう話を聞くと自分の事のように心配になります。
「私の田舎ではひな祭りが盛んでひし餅をたくさん作るんです。お醤油をつけて食べると、ほんとにおいしいんですよ。ジロちゃんのお母さんにも食べていただきたくて!」
そう言って、タロちゃんのお母さんはずっしりと重たい紙袋を手渡してくださいました。
「まあ! 有り難うございます。」

トモちゃんが学校から帰ってきてお茶の時間になりました。
「今日ね。タロちゃんのお母さんにひし餅頂いたのよ」
「へぇ、この間、一緒に散歩した子ね。おいしそう!」
と言って、さっそくトモちゃんは一口頬張りました。
「不思議な味ね。おばあちゃん。」
「団子粉で作ったひし餅よ。ヨモギの香りして、とってもおいしいわ。」
「うん。なんか懐かしい味がするね」
まだ高校生のトモちゃんが“懐かしい”なんて言うからまあばあちゃんはクスッと笑ってしまいました。
でも、本当にそうです。

タロちゃんのお母さんの故郷の味は、何やら懐かしい古き良き日本の味がしました。



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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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