幼い女の子

まあばあちゃんがお掃除をしていると、
「まあちゃん、見てみ、なんちゅうこっちゃ!」
お春ちゃんが、テレビを見て愕然としていました。
「どうしたの?」
「五つの子がな、虐待で殺されてん。」
「ええ!」
「五つ言うたら、可愛い盛りや! 目に入れても痛ない頃やがな。鬼やで!」
まあばあちゃんは掃除の手を止めて、テレビを見に行きました。
痩せ型で神経質そうな男の人と不貞腐れたような女の人が警察の人に連れていかれる映像が流れていました。
「この男が、ご飯をきびったり、殴ったり、外に放り出して水かけたりして殺したんやで!」
お春ちゃん怒りで声が震えています。
続いて可愛らしい女の子の映像が流れていました。それとともに女の子の日記が読まれました。
まあばあちゃんは、涙が止まりませんでした。


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吉川さんの様子

「なあ、まあちゃん」
「なあに……」
「吉川さん、私ら行っても迷惑そうな感じやったなぁ」
あの後、すぐにお寺に行きました。
オッチャンの言うとおり、吉川さんはお寺にいました。
「そうね。」
「なんや迎えに行ったのが悪かったみたいやったなぁ。こっちばっかり気ぃ使って……。あの子、可愛らしかったな。ええっと、」
「ココアちゃん」
「そや、ココアちゃん。あの子のこと見ても、あんまり喜ばんかったなぁ」
「あんなに可愛い子なのにね。お孫ちゃんにあれだけ心配かけたんだから優しくして欲しかったわ。」
「ほんまやで! 吉川さん、こっちの家でも孫ちゃんにも嫌がられてたって言うてたけど、あの子そんなん言うやろか?」
「言うような子だったら、あんなに必死に探さないと思うわ。」
「私もそう思うわ。お寺の奥さんに聞いてんけどな、お寺にずっと泊まり込んでたんやて。聞いたときはビックリしたわ。いくらお寺やから言うてもなぁ。奥さんも困ってはったわ。」
「…………」
まあばあちゃんは、湯飲みのお茶を見つめていました。


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お寺へ探しに

お父さんが車を出してくれています。
「ほな、お孫ちゃんは、家で待っとき。もしかしたら連絡があるかもしれへんからな。」
「はい。」
お孫ちゃんは、すまなそうに頷きました。
後部座席に、お春ちゃんがヨッコラショっと乗りました。まあばあちゃんもヨッコラショっと乗ります。
「私もいくわ。」
恭子ちゃんが言いながら、助手席に乗りました。
「恭子ちゃん、あんた、留守番は?」
お春ちゃんが聞くと、
「トモ子に頼んできた。」
「そんな、ようさんで行ったら、吉川さん見つかったとき乗るとこないがな。」
「いけるよ。後ろはあと一人乗れるもん。」
白い軽トラが停まりました。
「あれ、邦子のムコさん違うか?」
「おはようさん。どないしたんや、みんな出てきて。どっか行くんか?」
やっぱりオッチャンでした。
「あ、あんた、吉川さん見かけへんかったか?」
お春ちゃんが早速聞きました。
「吉川さん?」
オッチャンは首をかしげました。
「あの、あの人や。学校の先生やってて、ほれ……お豊ちゃんの……」
「ああ! あの人、見ましたで。お寺にいてはりました。」
「やっぱり!」
お春ちゃんはガッツポーズをとりました。


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まあばあちゃんの心当たり

「私、気になるから、先に池、見に行ってくるわ。」
お春ちゃんがシルバーカーを押してきました。
「お春ちゃん! 本当に怒るわよ!」
「なんでや? まあちゃんは心配と違うんか?」
「心配よ。でも、池は違うと思うわ。」
「どうして?」
「いや、私が死ぬんやったら、池かなと思うねん。ま、私らの歳やから足も上がらんから池の柵、越えられへんし無理やけど、吉川さんはまだ若いからいけるん違うかなと思うんや。」
まばあちゃんはため息をつきました.
「ため息なんかついて、じゃあ、まあちゃんはどこにいると思うん?」
「え? わたし?」
「そやで、ちゃあんと当たりをつけんと、行き当たりばったりやったら見つからへんで!」
まあばあちゃんはしばらく悩んだ後、
「私、お寺にいると思うわ。」
「お寺?」
「ええ、お花ちゃんがお掃除のお手伝いしてるお寺。」
それを聞いてお春ちゃんはポンと手をたたきました。
「ホンマや。あっこご主人亡くなったし、奥さん、優しいから。行ってるかもしれん。行ってみよ!」


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早く探しに行こう!

「急に出てきたらビックリするがな。」
「どうしたん?」
「それがな、恭子ちゃん、吉川さんがおらんようになってん! 死にたい言うて出て行ったらしいわ。」
「ええ!」
恭子ちゃんも飛び上がって驚きました。
「それで、孫ちゃんが心配して訪ねてきたんや。」
「それは、大変や。みんなで探そう!」
「助かるわ。ほな、池を見に行ってきてくれるか?」
「え? なんで池?」
恭子ちゃんは首をかしげました。
「そら、死にたい言うてたんやから、まず探すのは池やろ? この辺で死ぬんやったらあそこかな思うねん。」
「何言ってるのよ。お春ちゃん。縁起でもない。」
まあばあちゃんが怒りました。
「なんでやな。早いこと見つけたらんと可哀そうやがな。まだまだ冷たいで!」
「とにかく、お父さん起こしてくるわ。」
恭子ちゃんがお父さんを呼びに家に入りました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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