けったいな人

「それにしても、けったいな人やったな。なんでこないなったんや?」
お春ちゃんは邦ちゃんに聞きました。
「ひろ子は最初、南先生に習ってたんやけど、止めはったでしょ?」
「マコちゃんの知り合いのとこに行ったんやろ?」
「そう、それでさっきの先生のところに行くことになったんやけど……、それが嫌だったらみたいで……、無理やり押しつけられたって言いまわってるって聞いたのよ。」
「誰からや?」
「ひろ子と仲のいい子のママ友さんから……。それに、先生が変わってからひろ子も元気がないし……、折を見て、他の先生に習おうと思ったら」
「スケートの置き去り事件やな。」
「そう……」
「そらアカンわ。止めて正解や。」
「うん。」
「それにしても、そんなんするんやったら最初から断ったらエエ事やんか。ホンマにけったいなヤッチャなぁ!」
お春ちゃんは腹立たしそうに言いました。


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大事な娘

「ひろ子は、私の大事な娘です。そんなことを言う人に習わせられません。お帰り下さい。」
邦ちゃんが言うと、先生は
「言われなくても二度と来ませんよ。」
ピアノの先生はギュッと邦ちゃんをにらむと、地面を蹴りながら帰って行きました。
「邦ちゃん、大丈夫?」
まあばあちゃんは、怒りのあまりぶるぶる震えている邦ちゃんに声を掛けました。
「それにしても、嫌な人やな~」
オッチャンは呆れたように言いました。
「ごめんやで、邦子。事情が分からんかったもんやから、気ぃようしゃべってしもたわ。ホンマにゴメンやで。」
「ううん。お母さんは悪くないよ。ごめんね。ビックリしたでしょ。」
「そらビックリしたわ。あの先生、邦子が勝手に怒って勝手にやめたみたいに言うてたもん。ぜんぜん違うやんか!」
お春ちゃんはカッカして言うと、すまなそうに邦ちゃん見て、
「途中で会ったもんやから邦子のとこ行く言うたらついてきたんや。私が悪いねん。ごめんやで。」
「大丈夫。もう二度と来ないと思うわ。かえって良かったと思う。」
「そうか?」
「うん。」
邦ちゃんはいつもの笑顔で笑いました。


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ひどい言葉

「でも、ひろ子ちゃんは始めるのが遅いくらいなのに、今からでもしっかり練習しないと困りますよ。」
ピアノの先生はなかなか帰ろうとせず、あれやこれやと言います。
「先生、わしらは別にひろ子をピアニストにしよう思てるんと違います。ひろ子がピアノを好きで毎日楽しそうに弾いてるから習わせようと思っただけです。そやから気にせんといて下さい。」
「そうです。それは大事なことです。」
オッチャンの言葉に先生は、自分のペースに持ってこれたと思ったようで大きく頷きました。
「南先生はひろ子を大事にしてくれはりました。先生はなんでひろ子を爪弾きにしはるんですか?」
オッチャンは声を抑えていましたが、怒っていることは伝わってきました。
先生は黙ってしまいました。
「こんどはだんまりでっか?」
先生は、まあばあちゃんの後ろに隠れているひろ子ちゃんに冷たい視線を向けました。
「先生の事、ご両親になんて言ってるの? まだ小さいのに怖い子だわ。
「ひろ子は、先生の事、何にも言うてません。あの日、先生がひろ子を置き去りにして、他の生徒さんとスケートに行ったことを私が納得できなくて止めることにしたんです。我が子を仲間外れにされて平気な親はいません。だからもう構わないでください。」
邦ちゃんは毅然とした態度で先生に言いました。
先生は、ムッとした様子で、
「本当の親子でもないのに、よく言えますね。」
まあばあちゃんは、思わず先生を見上げました。


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ピアノはやめます

ピアノの先生に気付いたひろ子ちゃんはまあばあちゃんと邦ちゃんの後ろに隠れました。
まあばあちゃんはそっとひろ子ちゃんを抱き寄せました。ひろ子ちゃんはまあばあちゃんのキュウと手を握ってきました。
「邦子、ええとこに居てたわ。今そこでピアノの先生と話しててん。またみてあげてもええ言うてはるで。」
邦ちゃんは返事をしませんでした。
「邦子、どないしたんや。黙ったまんまで。」
お春ちゃんが促しても、邦ちゃんは何も言わず顔をこわばらせていました。
「すんまへんな~。お義母さん、ひろ子はピアノを止めましたんや。」
おっちゃんが言いました。
「そやかて、あんた、ひろ子のために言うてピアノ、ええのん張りこんでたやん。もったいないやんか。」
「もう、決めましてん。構わんといてください。」
おっちゃんの言葉にピアノの先生が噛みつきました。
「そんな事、言われても困ります。ひろ子ちゃんの事は南先生に頼まれてるのに! 途中でやめられては!」
「南先生には、こっちからちゃんと言うときますから。この前言うたようにピアノはキッチリやめさしてもらいますさかい。宜しゅう頼みます。」
おっちゃんには珍しく強い言葉で言いました。


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可愛いひろ子ちゃん

「ごめんね。ひろ子ちゃん、今日はおはぎを作ってこなかったのよ。せっかく楽しみにしてくれたのに……、ほんとにゴメンね」
まあばあちゃんは、申し訳なくてひろ子ちゃんに謝りました。
「ううん。ひろ子、おはぎも好きだけど、おばあちゃんが来てくれたのがすごく嬉しいよ。」
「まあ! ひろ子ちゃん、ありがとう!」
まあばあちゃんはひろ子ちゃんが可愛くてキュッと抱き締めました。
「お! ばあちゃん来てくれたんかいな。」
おっちゃんが、玄関をガラガラと開けて出てきました。
「まあおばちゃん、いらっしゃい! 今、お茶を入れますね。どうぞどうぞ!」
邦ちゃんもニコニコ顔で誘ってくれます。
一緒に来ていたと思っていたお春ちゃんがいません。
不思議に思って振り向くと、お春ちゃんはピアノの先生と楽しそうに話していました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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