お春ちゃんの悩み

ひろ子ちゃんは邦ちゃんと手をつなぎながらスキップしています。
「ひろ子、嬉しそうにしてるわ。けったいな先生にあたって可哀そうやったなぁ……」
お春ちゃんがしみじみ言いました。
「ほんにね。でも、ひろ子ちゃんが引きずってなくて良かったわ。」
まあばあちゃんが言うと、
「違うねん。ひろ子のこと違うねん……」
お春ちゃんはションボリして言いました。
「どうしたの?」
「わたしな。なんで変な人ばっかり塩梅してしまうんやろ……。あのピアノの先生かて、口車に乗って邦子が失敗したんかいなって思てしもててん。まあちゃんがスケートのこと言うてくれてても、また話、聞いてたらええように思ってしもて……」
「先にピアノの先生に会ってしまったから、しょうがないわよ。」
「まあちゃんも一緒やんか……、今までも、昭雄さんやろ、最近やったら、吉川さんやろ、さっきのピアノの先生かて危なかったわ。ほかにもあるで~」
お春ちゃんは指を折って数えだしました。
「大丈夫よ。おはぎを食べたら良くなるわ。」
「そやな、あんこ食べて悪霊退散や!」


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おはぎをみんなで作ろう

ひろ子ちゃんが、ジロ達と一緒に外に出てきました。
みんなが来ないのでさみしくなったようです。
まあばあちゃんが、
「ひろこちゃん、おばあちゃん、一度帰るわね。」
それを聞くと、ひろ子ちゃんはションボリしましたが小さく頷きました。
「ひろ子ちゃんと一緒におはぎを食べたくなったから作ってこようと思うの。待っててくれる?」
まあばあちゃんの言葉で、ひろ子ちゃんの表情は途端に明るくなって
「ひろ子も一緒に作っていい?」
と聞きました。
「もちろんよ。」
邦ちゃんも
「まあおばちゃん、私も手伝いに行っていいですか?」
「ええ、みんなで作りましょう。」
「ほな、わし、留守番してるわ。」
オッチャンは、すこし寂しそうに言いました。すると、お春ちゃんが、
「何を言うてるんや。あんた、サボる気やな。」
お春ちゃんが、むすっとした顔で言いました。すると、おっちゃんの顔もぱあっと明るくなって
「ほな、戸締りしてきます。」
と言いました。オッチャンはお春ちゃんに気を使っていたようです。
最近はお春ちゃんも少しずつオッチャンに優しくなってきました。
さっきの嫌なことは忘れて、みんな笑顔になりました。


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おはぎを作りに……

ピアノの先生が帰ってホッとしたのか、話が途切れました。
あんなに冷たく当たる先生では、ひろ子ちゃんは大変つらい思いをしたことでしょう。
それを思うとまあばあちゃんはいたたまれませんでした。
「邦ちゃん、わたしはこれで帰りますね。」
まあばあちゃんが言うとおっちゃんは慌てて、
「なんでや、来たばっかりやんか。お茶でも飲んでいきよ。」
「そうですよ。上がってください。」
邦ちゃんも引き止めます。
「あんたら、分からんのか?」
お春ちゃんが諭すように言うと、家の方を見ました。
「まあちゃんは、おはぎ作りに帰るねん。」
「え?」
驚いたのはまあばあちゃんでした。
ひろ子ちゃんとおはぎの話をしている時は、お春ちゃんはピアノの先生と話していたので聞こえないはずです。
「まあちゃん、この八重桜を見ながらおはぎ食べる話、ようするんや。そやけど、今日は手ぶらや。この頃、ゴタゴタしてコロッと忘れてたわ。」
とお春ちゃんがニカッと笑いました。
家の中から、
「あはは! きゃあ! こら! ミミちゃんは悪い子ね。きゃはは、くすぐったい~」
嬉しそうなひろ子ちゃんの声が聞こえてきます。もう元気なようです。まあばあちゃんはホッとしました。



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けったいな人

「それにしても、けったいな人やったな。なんでこないなったんや?」
お春ちゃんは邦ちゃんに聞きました。
「ひろ子は最初、南先生に習ってたんやけど、止めはったでしょ?」
「マコちゃんの知り合いのとこに行ったんやろ?」
「そう、それでさっきの先生のところに行くことになったんやけど……、それが嫌だったらみたいで……、無理やり押しつけられたって言いまわってるって聞いたのよ。」
「誰からや?」
「ひろ子と仲のいい子のママ友さんから……。それに、先生が変わってからひろ子も元気がないし……、折を見て、他の先生に習おうと思ったら」
「スケートの置き去り事件やな。」
「そう……」
「そらアカンわ。止めて正解や。」
「うん。」
「それにしても、そんなんするんやったら最初から断ったらエエ事やんか。ホンマにけったいなヤッチャなぁ!」
お春ちゃんは腹立たしそうに言いました。


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大事な娘

「ひろ子は、私の大事な娘です。そんなことを言う人に習わせられません。お帰り下さい。」
邦ちゃんが言うと、先生は
「言われなくても二度と来ませんよ。」
ピアノの先生はギュッと邦ちゃんをにらむと、地面を蹴りながら帰って行きました。
「邦ちゃん、大丈夫?」
まあばあちゃんは、怒りのあまりぶるぶる震えている邦ちゃんに声を掛けました。
「それにしても、嫌な人やな~」
オッチャンは呆れたように言いました。
「ごめんやで、邦子。事情が分からんかったもんやから、気ぃようしゃべってしもたわ。ホンマにゴメンやで。」
「ううん。お母さんは悪くないよ。ごめんね。ビックリしたでしょ。」
「そらビックリしたわ。あの先生、邦子が勝手に怒って勝手にやめたみたいに言うてたもん。ぜんぜん違うやんか!」
お春ちゃんはカッカして言うと、すまなそうに邦ちゃん見て、
「途中で会ったもんやから邦子のとこ行く言うたらついてきたんや。私が悪いねん。ごめんやで。」
「大丈夫。もう二度と来ないと思うわ。かえって良かったと思う。」
「そうか?」
「うん。」
邦ちゃんはいつもの笑顔で笑いました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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