FC2ブログ

心愛ちゃん、頑張る

お春ちゃんも、まあばあちゃんも立ち上がりました。
「ほな、帰らせてもらいます。こんな奴らと話してても埒がアカン。心愛、帰ってうまいもんでも食おか。」
「あの……、私、授業受けてから帰ります。トモ子お姉ちゃんと約束したから……」
以外にもハキハキした声で心愛ちゃんは答えました。
オッチャンは驚いて、
「アカンアカン、また、えらい目にあわされたら目も当てられん。心愛が残るんやったら、わしも残るわ」
「お父さん、私が残るわ」
邦ちゃんが言いました。
「先生、ほな、わしも教室に行くんで、よろしゅう頼みます。」



スポンサーサイト

開き直る

「ばあちゃん、どないしたんや。なかなか来ぇへんから、戻ってきたわ」
おっちゃんでした。邦ちゃんも心愛ちゃんもいます。
「いやな、屁理屈垂れるガキンチョに説教してたんや。行こうか」
お春ちゃんがヨッコラショっと立ち上がりかけると、さっきの男の子が、
「ばあさん、ほんなら、聞くけど……、世間の目が気になるから、吉川の面倒見てるだけなんやろ? 薄情やとか言われんのが怖いだけやろ? 偉そなこと言うなや……」
「なんやて!」
お春ちゃんは顔を真っ赤にして怒りました。
「そやんか……、今、自分で言うたやん」
「はあ!? 何をや?」
この3人は、何が何でも詫びる気はないようでした。
オッチャンは、お春ちゃんをなだめるように背中をさすりながら、
「親から大人に対する口の利き方も習ってへんのか? それとも、親も知らんのか……。親子揃って腐っとるな……。ほんまやったら、親がひっぱたいてでも子どもに謝らせるもんや。それを開き直って……わしらは、お前らが心愛をイジメんと約束させるために来ただけで、わしらのことを聞かせるためと違うで……。そやけど、時間の無駄みたいやな。お義母さん、帰りましょか」


言い訳

「法律より怖いモンて何?」
男の子の一人が言いました。
「自分の心や……」
「心?」
男の子が少し馬鹿にしたような笑いを浮かべました。
「そうや……今は、親や先生に反抗したり弱いもんイジメたりして、英雄みたいな気持ちになってるんやろうけど、そんなんする奴は器が小さい奴や。自分に仕返しせぇへんもんばっかり選んでるんやからな。1人ぐらい、それに気ぃ付く子もおるやろ……その時から、その子は人間になるんや」
「は? 俺ら、もともと人間やけど?」
「そら、姿かたちはな……。でも、やってることはケダモノやろ? アンタら世間に胸張って言えるか? みんなから偉かったなぁ、弱い女の子殴ったり蹴ったりして立派やったなって褒めてもらえると思うか?」
そして、お春ちゃんはさっき人のせいにした男の子に向かって、
「あんたも自分の言い分がホンマは通らんと思うから、この子が言い出したんや言うてんちがうか? 正しいことやないと心では分かってるからやろ? なんぼ言い訳並べ立てても、無理なん違うか?」
男の子は黙っていました。


お春ちゃんの言い分

「べつに、ばあさんなんかと話すことないわ。」
男の子の態度はふてぶてしいものでした。
「そうか……ほな、心愛にちょっかい出しなさんな。出しとなったら先に言いにおいで。それとも何か? 話するのはつまらんか? 殴りにやったら来るんか? それでもええで、ここでヤッテもらおうやないか? 弱い者いじめは得意やろ?」
この言葉に、男の子のキツイ表情が変わりました。
「女の子に手を挙げるなんて最低なヤッチャ。ドラマでも、そんなんしてるヤツらはクズばっかりや。そういう輩は強い相手には米つきバッタみたいにヘコヘコしてるもんや。そやろ? あってると思うで?」
男の子はムスッとしています。
「自分より力のないもんに暴力ふるって、何をカッコつけてるんや! 制裁やなんや言うてるけど、ホンマは、未成年のうちに悪いことしとかな損や思てるだけ違うか?」
さっき謝らなかった男の子達が目をキョロキョロさせました。
「まぁ、お偉い先生方は、腐った性根は時間が解決すると思てるんやろけど……、そんなわけあらへん。その年で事の善悪が分からんモンが分かるようになるわけあらへん。……でもな、法律から逃げられても、絶対に逃げられへんモンがあるで?」


嫌いや!

「すみませんでした。もうしません」
7人の中で1番しっかりした顔立ちの子が頭を下げました。
「お前らもあやまれ」
その子は他の子にも促しました。
「すみません」
何人かは頭を下げましたが、3人はそっぽを向きました。
「なんでや。不登校やったし、愛人作って逃げる親の子やから、制裁せなアカンって、みんあで決めたやろ。悪いことなんかしてへん」
その言葉にお春ちゃんが、
「なんやて! もう一ぺん言うてみ! 何が制裁や! 何様や」
「俺は寄生虫は嫌いや!」
「寄生虫やと?」
「そうや! 人ん家に世話になって、よう学校に来るわ! 寄生虫みたいな生き方するやつは嫌いや。汚い奴と一緒の空気吸うのは嫌や!」
「その年で、偏屈じぃさんみたいなこと言うて、ホンマはいくつや。棺桶に足つっ込んでん違うか!」
キュッとにらんできたので、
「あ! あんた、お前こそさっさとくたばれと思たやろ。……あのな、心愛は親友の孫や。そやから、残された心愛を守るのはうちらの努めなんや。文句あるんやったらうちらに言いにおいで、いつでも聞いたるわ!」


sidetitleプロフィールsidetitle

堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
良かったらポチお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ

sidetitleフリーエリアsidetitle
sidetitlePRsidetitle


sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleカウンターsidetitle
sidetitle天気予報sidetitle

-天気予報コム- -FC2-
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitlePRsidetitle


アフィリエイト・SEO対策



sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleリンクsidetitle
sidetitleQRコードsidetitle
QR