私ばっかり悪いんかなぁ

「お春ちゃん、大丈夫?」
まあばあちゃんが、心配そうに言いました。
「うん。なんでや?」
「元気ないから……」
「ひとつもシンドイことないで。……恭子ちゃんに言われたこと考えててん。私がぜ~んぶ悪いんかなぁ。あんなに言われんとアカンか? ……恭子ちゃんは、言い方キツイわ。いっつも邦子の味方や。わたしかて、ひどい目に遭ってんのに……なあ、まあちゃん……」
お春ちゃんは、ショボンとした様子で言いました。
まあばあちゃんは、返事できませんでした。まあばあちゃんも恭子ちゃんと同じ考えだからです。
「まあちゃんは、どない思う。私ばっかり悪いと思うか?」
お春ちゃんは、また聞きました。
「正直に言ってもいいの?」
「……まあちゃんも私が悪いと思てるんやな……」
お春ちゃんはさらにションボリしました。
「悪いというより、今朝のことは、お春ちゃんが昭雄さんにお金渡し続けてたからと思うわ。」
「そやかて、家族やった人が困ってたら、ほっとかれへんで?」
「お春ちゃんのそれが分からない。私、あんなひどい人、嫌いだから。」
「まあちゃん、亡くなった人のことそんなんよう言うな……」
お春ちゃんは、ほんとうに驚いていました。確かに、亡くなった人にこんなこと言うのは、いけないことかもしれませんが、なんだか、スルッと口から出てしまったのです。


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お春ちゃんのせい!

恭子ちゃんのスマホが鳴りました。
お春ちゃんは耳を澄ませましたが、恭子ちゃんは画面を見たままです。
「なんや。電話と違うんか?」
「うん。今のは違うよ。ほらここ見て」
恭子ちゃんが、お春ちゃんにスマホの画面を見せました。
「オッチャンが今、帰ってきたって……、安心です。って書いてる。邦ちゃんはオッチャンのことが大好きなんやね。」
「えらい仲のええこっちゃ、朝も早よから騒がしいして。こっちは心臓が上がったり下がったりしてんのに、私にあやまりもないんかいな。」
「なに言ってんの。あるわけないやん。」
「なんでや。」
「なんでって。だって、みんなお春ちゃんのせいやもん。」
恭子ちゃんの言葉にお春ちゃんはカッとなりました、
「私のせい? なんでや! それは聞き捨てならんわ。」
「もう、さっきも言うたやんか。お春ちゃんが、いつまでも昭雄さんにかまうからやろ! そうでなかったら、邦ちゃんのところにあの女が来ることないわよ。」
お春ちゃんはグッと黙りました。
「ちょっと、考えてみてよ。お春ちゃんは昭雄さんのどこがよくて助けたげてたん? ええ加減にせんと邦ちゃんが可哀そうすぎるわ。みんなが巻き込まれてしまうわ。」
お春ちゃんは黙ったままです。
「だいたい、お春ちゃんは気に入ると、すぐに肩入れてして入れ込みすぎる。自分はいい気分かもしれんけど、周りのみんなにもちょっとくらい気ぃ使ってよ。」


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恭子ちゃんからの話

「それでも、邦子のところに行くのはおかしいやろ? 邦子の旦那がなめられてるんやな。」
お春ちゃんはあきれ返って言うので、恭子ちゃんが、
「お春ちゃんが、昭雄さんにお金を渡すから、邦ちゃんまで甘く見られてんの。」
お春ちゃんは、意外そうに言いました。
「え? 私のせいか?」
「そうよ。」
恭子ちゃんにはっきり言われて、お春ちゃんはションボリしました。
「なんでお金、渡してたこと知ってるんや?」
「そんなん分かるわよ。それよりしばらく様子見てから、あの家出て行ってもらわないと、あの女の家族に乗っ取られてしまうわよ。しっかりしてよ!」
恭子ちゃんのことばにお春ちゃんは、
「ほんまや。恭子ちゃんの言うとおりや……」
お春ちゃんはがっくりと肩を落としました。
「ほんで、どないなったんや。」
「いつまでも怒鳴りちらして帰らないから、邦ちゃんが110番して収まったって。」
「邦子は無事なんか?」
「それは大丈夫。警察の人も、あの女がまた来たら呼んで下さいって言ってくれたらしいよ。」
「そうか。良かった。」
お春ちゃんはホッと胸をなでおろしました。
「そやけど、なんで邦子は私に電話かけへんのや? 恭子ちゃんの、それに電話してきたんやろ?」
恭子ちゃんのスマホを見て言いました。 


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なんで、オッチャンが?

「そやけど、なんで邦子の婿さんが、昭雄さんのこと言うてくんのやろ? 余計な事教えにけぇへんかったら、私も悩むことあらへんのに……。迷惑なこっちゃ。」
お春ちゃんが、オッチャンが帰った後にポツリと言いました。
「あの女が、邦ちゃん所に『葬式するから300万出せ』って言いに来たからやよ。」
恭子ちゃんでした。
「え?」
「うわ、ビックリした。起きてたんかいな。」
「ねぇ、恭子ちゃん、あの女って……、まさか……」
まあばあちゃんが恭子ちゃんに聞くと、
「昭雄さんが連れてきたあの薄気味悪い女よ。まだ暗いうちに来たらしいよ。」
「なんで、邦子のところへ……ほんで、どないしたん?」
お春ちゃんが、驚いた様子で聞きました。
「そりゃ、そんなお金ないって言うわよ。そしてら、『なんで300万くらい無いねん』って、怒鳴り散らしたって。それで、うちにも来るんじゃないかって。オッチャン、心配して来てくれたんよ。」


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まあちゃんったら、どうするの?

「……そんなん言うたかて、私も分からんねん。」
「お春ちゃん。」
「そやから、まあちゃんやったらどないするんか聞いてるねん。」
お春ちゃんがまあばあちゃんに聞きました。
「……私なら、放っておくわ。それは、今一緒にいる人の仕事だもの。それにあの家はお春ちゃんのものなのよ。早く出て行ってもらわないといけないでしょ。」
まあばあちゃんの厳しい言い方にお春ちゃんも顔を引き締めました。
オッチャンはお春ちゃんの様子に、何かを感じたのか納得したように
「ほな、帰ります。お義母さん、余計なことをお耳に入れてすみませんでした。」
と言って、まあばあちゃんとお春ちゃんに頭を下げました。
「あ、見送るわ。」
「いらんいらん。あ、ばあちゃん、困ったことあったら何でも言うてや。わし、すぐに来るから。」
「ありがとう。お願いします。」
まあばあちゃんは手を振ってこたえました。
それにしても、オッチャンは、なぜ昭雄さんが亡くなったことを知っていたのでしょう。
まあばあちゃんは不思議に思いました。


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Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
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