お花ちゃんも!

「今度の日曜日に高野山へ行くねん!」
お春ちゃんは嬉しそうにお花ちゃんとコナン君のお母さんに言いました。
「まあ、今は紅葉がきれいでしょ!」
お花ちゃんが羨ましそうに言いました。
「そやで!」
お花ちゃんは、ただ子どものようにニコニコしています。
お春ちゃんは、お花ちゃんを見ているとなんだか居たたまれなくなって、
「一緒に行くか?」
と言いました。
お花ちゃんは、
「いいの? わぁ! 嬉しい!」
と満面の笑みで言いました。
コナン君のお母さんは、
「そんな、ご迷惑ですから……お母さん!」
「どうして? 私、行きたいわぁ!」
お花ちゃんは、ションボリしました。
「大丈夫やで! お豊ちゃんらも邦子らも行くし、心配いらんで!」
「でも……、母は……」
お花ちゃんは、軽度の認知症で時々フラフラといなくなってしまいます。
コナン君のお母さんはそれを心配しているのです。
でも、みんなで楽しくお話ししている時に、何かあったことはありませんでした。
「大丈夫ですよ。行きましょう。」
まあばあちゃんもニッコリして言いました。
「そやで。うちら一日中しゃべってるもん。」
お春ちゃんが、自信たっぷりに言いました。


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お父さんが思いついた

「そやけど、恭子ちゃん、なんで高野山に行くって言いだしたんやろ?」
お春ちゃんに言いました。するとまあばあちゃんが、
「お春ちゃん、前に高野山のお寺がテレビに映ってた時に、わあキレイやって手を合わせてたでしょ?」
「そうやったかいな。」
「そうよ。」
「それで、お父さんが、高野山にみんなで行こうと思ったみたいよ。」
「あれま! お父さんが! 有難いなぁ! 嬉しいわ!」
お春ちゃんは、満々の笑みになりました。そして、急にションボリしました。
「どうしたの?」
まあばあちゃんが驚いて聞くと、
「昭雄さんは、私のために言うて、どこへも連れて行ってもろたこと無いわ。」
と言いました。また、昭雄さんのことを思い出して落ち込んでいるようです。
「もう、昭雄さんは亡くなったのよ。忘れましょう。ね!」
まあばあちゃんがそう言うと、
「うん! そやな! ごめんやで、いつまでもクヨクヨして……」
お春ちゃんは、まあばあちゃんの手を握るとニコッと笑って言いました。


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紅葉を見に行こう

「なあ、まあちゃん、今年の堺まつりは見に行かれへんかったぁ」
「ほんと、来年は必ず行きましょうね。」
「私、布団太鼓見に行きたかったなぁ。♪ソ~リャ、ソ~リャ」
「あの日は、季節外れの台風で残念だったわね。」
「あんな日でも堺祭りしてはったんやろか?」
お春ちゃんが寂しそうに言いました。
「どうかしら……」
「あの頃、なんかバタバタしてたしなぁ。それどころちゃうかったなぁ。」
お春ちゃんはそう言って苦笑いしました。
「来年はぜったい大丈夫よ。」
「そやろか? 来年はエエ天気やったらええのになぁ。……でも……」
「どうしたの?」
「それまで生きてられるやろか……」
最近のお春ちゃんはとっても弱気です。吉川さんのことが堪えたようです。
「何言うの。それより、次の日曜日は高野山に紅葉を見に行こうって、恭子ちゃんが言ってたわよ。」
「そや! そやったな! 嬉しいな! お豊ちゃんも行くやろか? 邦子にもケンちゃんにも聞いたらなアカンな!」
「そうね。みんなワイワイガヤガヤと楽しいわよ。」
「ようさんで行ったら、御大師さんビックリしはるかもしれへんなァ」
お春ちゃんは、やっと明るい表情になりました。


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秋の夕暮れ

まあばあちゃんとお春ちゃんは、揚げたての大学芋ととれたてのサツマイモを持って、コナン君の家とユキちゃんの家に届けました。ピアノの先生のお宅にも届けにいきます。ピアノの先生のお父さんはリハビリのかいあって大学の先生に復帰されました。お芋さんを届けに行くと、奥さんが出てこられました。
「わあ! 主人も大学芋大好きなんです。」
と言って、何度もお礼を言ってくださいました。
届けに行ってはついつい話し込んでしまい、配り終えるころには、夕方になっていました。
「やぁ、楽しかったわ。ついつい長居してしもたわ。」
「ほんとね。」
「それにしても、暗うなるの早いわ。つるべ落としの秋の夕暮れやな。」
本当にそのとおりです。
陽が暮れ始めると、スーッと冷えてきました。
まあばあちゃんの住む堺の町もすっかり秋の気配です。
「まあちゃん、早よ帰ってお茶のも! おいしい大学芋もあるしな。」
「そうしましょう。ジロ達も待ってるわ。」
まあばあちゃんはにっこり笑いました。


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思い出して

「でも、美味しいって喜んでくれたじゃない。」
「私、まあちゃんにエライ目にあわせててたんやなぁ……ちょっと考えたらわかることやのに……。私ってホンマにあほや。」
まあばあちゃんは慰めるつもりで言ったのに、お春ちゃんが申し訳なさそうに言いました。
「何回思い返しても腹の立つことばっかりや。吉川さんの事何ひとつエエ事なんかあらへん。」
「お春ちゃん……」
「こんな気持ちになるんやったら。吉川さんに使われたお金は貯金しとくんやったわ。」
「そうよ。私達この年だもの、いつどうなるか分からない。転んだりして歩けなくなることおあるかもしれない。少しでも貯めておかないと……」
「ホンマにもったいないことしたわ。」
お春ちゃんはしょんぼりして言いました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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