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心愛ちゃんは大丈夫

「お母ちゃん、心愛ちゃんのことは心配しなくてもいいと思うよ」
「……そうね……」
まあばあちゃんは、トモちゃんの顔を見て落ち着いたようでした。
「なんやなんや、急に話が変わってるやんか。まあちゃん、心配違うんか? 心愛ちゃん、気ぃばっかり使って倒れるで……」
「お春おばちゃん、それは、ここに来てたって同じやと思うわ」
「なんでや? 恭子ちゃん」
「私がそやったもん。お母ちゃんのために何でもしたいって思ったもん。なにかしたくて仕方なかったもん。それが励みっていうか嬉しくてやってるんよ。役に立ちたくて一所懸命なんよ。それが邦ちゃんらを心配させるんやろけど、今は、見守ったほうがエエと思うわ」
お春ちゃんは納得したように頷きました。
「そやけど、あんたも勉強の心配してたやんか」
「でも、トモ子がみてるみたいやし……、すぐに勉強のこともせなアカンて気ぃ付くと思うわ」
「まあ、真面目な子みたいやもんな。あんな境遇でもグレんとな……」
「うん。そうなんよ。真っ当に頑張る子は真っ当に頑張るんよ。だから、大丈夫やと思うわ」
「そやな……、よこからゴチャゴチャ言うたら、余計ややこしなるかもしれんしな。」
お春ちゃんは納得したように頷きました。


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トモちゃんが行っちゃった

「まあちゃん、言いたいことあったん違うんか? モタモタしてるから行ってしもしもたで……」
「うん……」
まあばあちゃんは拍子抜けしたような顔をしていました。
「心愛ちゃんは、今テストなんか?」
お春ちゃんが心配そうに言いました。
「え? いや、終わってるやろ?」
恭子ちゃんが思い出しながら言いました。
「もう、あんた、娘の卒業した学校やろ。あんたも卒業したんやで。しっかりしぃや!」
「そんな言うても、卒業したら忘れてしまうわ。」
「ほな、トモちゃんはアレやな、今のうちに取り返せるだけ取り返そう思てるんやな。トモちゃんもなかなかやるな……」
「お母ちゃん、心愛ちゃんのことで悩んでるんやろ?」
「え? ええどうして?」
「分かるよ。親子だもん。」
「そうだったんだけど……、一人で先走っていたみたい。トモちゃんの様子を見てたら、自分の考えがおかしくなってしまったわ。」
「お母ちゃんは、優しいもんね。私もその優しさで救われたんやもん。でも、心愛ちゃんは大丈夫やと思うよ。みんながいるもん。吉川さんとも離れたし、だんだん心もしっかりしてくると思うよ。ゆっくり見守ろう……」
恭子ちゃんがニコッと笑って言いました。


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トモちゃんとケーキ

「こらこら、ジロ、ミミたんどうしたの? そんなにはしゃいで、だっこ? 分かった分かった~」
トモちゃんがミミちゃんを抱いて居間に入ってきました。
「どうしたの、深刻そうな顔して……」
「なんでもないわよ。着替えておいで、マコちゃんからケーキをいただいたんよ。早よ着替えといで」
恭子ちゃんが言うと、
「わー! 嬉しい、食べる食べる!」
トモちゃんは、ミミちゃんを恭子ちゃんに渡すと、2階へ上がっていきました。
まあばあちゃんがトモちゃんのためにお茶を入れていると、もう着替えて降りてきました。
「オナカすいた~」
「うんと食べ食べ」
「食べないの?」
「今日、お通夜行ってきたやろ? 仏さん連れてきたらアカンから、しっかりうどん食べて来たから、おなかいっぱいや。」
「お通夜?」
「吉川さんが亡くなったんや。寂しいお通夜やったわ。ほんで、疲れ果ててご飯作ってないんやわ……」
トモちゃんは、ケーキをおいしそうにパクパクっと食べると、
「ごちそうさま。邦子おばちゃんところに行ってくるね」
「え? 今から?」
「うん。ひろ子ちゃんと心愛ちゃんの勉強みる約束してるの。」
「邦子に頼まれたんか?」
「う~ん。遊びに行ったときにひろ子ちゃんが宿題教えって、その流れで……」
「トモちゃんの勉強は大丈夫なんか?」
お春ちゃんが慌てて言うと、
「うん。私のテストは終わってるよ。じゃ。行ってきます」


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トモちゃんが帰ってきた

「でも、あれやな、小学校からまともに行ってないんやし、あれぐらいの勢いで行かへんと間に合わへんかもしれんな。」
「トモちゃんの勉強に障りはないのかしら……」
まあばあちゃんは言うと、
「さぁ、どないやろ? それも心配やな……」
心愛ちゃんを心配すれば、トモちゃんが心配になり、まあばあちゃんは頭がゴチャゴチャしてきました。
「なんや自然な流れで心愛ちゃんを邦子らに任せてしもたど、なんちゅうか、ほれ、あれやな……、うまいこといかんなぁ……、ちょっと大変そうやわ。邦子のこと、みんな人はエエのにかみ合わんのやなぁ……」
いつも、遠慮がちに「おばあちゃん」と呼んでくれる優しい子。小さい時の恭子ちゃんと重なる部分をたくさん感じました。誰にも必要とされず、愛されず、友達もなく、頼れる人もなく、どんな思いで毎日を過ごしてきたのか……
「あのね、みんな、お父さんにはお話ししたんだけど……」
まあばあちゃんは決心して口を開いたとき、
「ただいま~!」
トモちゃんが帰ってきました。


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心愛ちゃんに合う方法

「心愛ちゃんのお勉強って追いつけそうなの?」
まあばあちゃんが不安そうに聞きました。
「さぁ、これって本人次第の部分が大きいやん?」 
恭子ちゃんが困ったように首をひねりました。すると、お春ちゃんが、
「婿さんの家でトモちゃんが心愛ちゃんに教えてるの見たで」
「トモ子? へぇ~。どんな感じやったん?」
「そら、厳しかったで~。『ホラ、そこ、さっきの問題と同じでしょ! この部分どうするんだった? これができるまで終わらないよ!言うてたわ。トモちゃんは見かけによらずスパルタ教師やな。そやけど、あの子、苦労してきたせいか、ションボリするでもなく不貞腐れるでもなく、がぜんやる気、出しとったわ。私、怖いからトモちゃんに声かけんと帰ってきたわ。私にまでせぇ言われたらかなわんもん。邦子みたいに『すぐ出来るようになるから』言うて慰めるより心愛ちゃんには合うてるみたいやな。」
「へぇ……」
恭子ちゃんが感心したように言いました。
「あれやな、心愛ちゃんは虐待されてたから、邦子みたいに優しいほうがええと思てたけど、トモちゃんみたいにグイグイ引っ張っていく子のほうがエエんかもしれんな。」
「トモ子、そんなリーダータイプでないと思うけど……」
「でも、自分の意思がしっかりしてるやんか、一本筋が入ってる言うか……、竹を割ったような性格やんか? 心愛ちゃんが虐待されてたいうのもコロっと忘れてる言うか……」
まあばあちゃんは、ハッとしたようにお春ちゃんを見ました。


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堺の町のまあばあちゃん

Author:堺の町のまあばあちゃん
堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
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